額縁の歴史
1.はじめに
最近、美術館で絵画を鑑賞しましたか?
私は、日常から解放されたいときや、ゆったりとした時間を過ごしたいときに美術館へ行くようにしています。まずは、絵画をじっとみつめて感じ、そのうえで、絵画の説明書きを読む鑑賞がおススメです。
さて、もし絵画に額縁がついていなかったら、少し違和感を感じるかもしれません。額縁は、絵の美しさを引き立てるだけでなく、絵の意味やテーマを強調したり、絵の雰囲気を作り出したりする役割もあります。また、額縁の素材や装飾から絵画の時代や流派、ジャンル、テーマなどを推測することもできます。
このような大事な役割を持つ額縁ですが、どのような歴史をご存じの方は少ないかもしれません。
2.額縁の歴史
額縁の歴史は古代ローマや古代ギリシャにまで遡ります。
古代ローマや古代ギリシャでは、建物の床に描かれたモザイク壁画に額縁のような縁取りがありました。額縁の起源については複数の説がありますが、額縁という概念は非常に古くから存在していました。
中世になると、キリスト教が主流となり、教会や洗礼室、カタコンベなどの宗教建築の内部に描かれた壁画には額装の原型となる枠囲みや縁取りが見られました。
ルネサンス期以降になると、絵画は独立した作品として描かれるようになり、額縁も盛んに作られるようになりました。
額縁のデザインは時代や地域によってさまざまで、イタリアでは金箔張りで彩色された枠縁付きのもの、フランドル地方では黒檀の額縁が流行しました。また、絵画は所有者や展示場所が変わるたびに額縁が変更されることもあります。額縁のデザインも含めて自分で行う画家も存在し、絵に古い額縁を付けるという発想も生まれました。
3.最後に
額縁は単なる脇役ではなく、絵画の美しさや価値を高める役割を持っています(ちなみに、私は、家族の記念写真を額縁に入れて飾ることが好きです。額縁は、絵画のみならず写真の魅力をひきたてます。)。
絵画を鑑賞する際には、額縁にも目を向けてみることで、絵画に対する敬意や愛着を示すことができるでしょう。
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