『自分ウケの人生を歩む』Yudai Nishikawa
1.Who is Yudai Nishikawa?
2.はじめに~そもそも休学っていつ知った?~
川口:西川さん、お久しぶりです!今日はよろしくお願いいたします!
高倉:西川さん、初めまして!!
川口から少し西川さんのお話をお聞きしていて、ジーンズのメーカーで働かれていらっしゃるということで自分のキャリアプランとも重なる部分があると思うので、すごく楽しみにしていました!
よろしくお願いいたします。
西川さん:川口君は久しぶり!高倉君はこれから僕と完全に同業みたいやな!今日はよろしくね!
いきなりなんやけど、川口君たちの活動の趣旨とか意図とかは理解したんやけど、2人はいつから休学できること知った?
「休学」っていう制度をそもそも知らん人が多い気がするんよね。(笑)
川口:あ~、確かに。僕は初めて海外に行った大学2回生の時に、ワーキングホリデーのことについて調べていた時に、「ギャップイヤー」という存在を知った気がします。
高倉:僕は大学2回生くらいの時に周りに休学している人が居たこともあって、存在自体は知っていましたが、実際に休学の制度を調べ始めたのは、休学しようと思った大学3回生の時でした!
西川さん:俺も休学する直前まで、そもそも「休学」っていう制度のことを知らなかったんよね。(笑)
俺は「大学辞めようかな。勉強飽きたし、学校行くのもだるいし。」と思っていたときに、休学のことを初めて知ったんよ。
2人が「休学っていう選択肢を持ってもいいんじゃないですか?」って伝えて、初めて「大学って休めるんだ!」って知る人が8割くらいいるんちゃうかなと個人的に思うんよね。8割は言い過ぎかも知らんけど(笑)
だから、2人の活動って「休学しようかな?」って思った人が検討するときの材料になるのかなと。
普通に義務教育を終えて、受験戦争を戦い抜いてからやっと「休学」に気づくことができるのが、今の現状なのかなと。
日本って、ストレートで人生を進めることが当たり前やからさ、
「そもそも休学のことを知らないだけなんじゃない?」って聞いて思いました。(笑)
川口・高倉:そうかも知れないです(笑)
高倉:そもそも休学のことを知っている人が少ないと、休学を選択する勇気がないというか。周りからの目線が気になる人もいますし。やっぱり、同じ学生でも「休学したかったけど、結局できなかった」って人もいました。
西川さん:やっぱ「休学のことを知らない」っていう人が大半なんちゃうかな~?ホンマにそう思うわ(笑)
「え!休学なんかあったんや!俺もしてみたかったわ!」って大人になって気づく人も全然おるんとちゃうかな。
川口:そうなんですよね。だから、休学を選択した当事者側からすれば
「こんなに良いことを知らないって損じゃね?」っていうただのお節介の気持ちが強いんですよね。(笑)
自分の周りだけでも「休学して様々なことをしている人がたくさんいる」っていうことを知っているか、知らないかで全然選択が変わってくると思うんですよね。
だから僕たちがこうして色んな人にインタビューを行って、記事にして、多くの人に知っていただきたいと思って活動しています。
3.西川さんの人生のタイムライン
高倉:では早速本題に入っていこうと思います!
大学生で休学を選択した部分を中心に、学生生活の流れをタイムラインに沿って、お話しいただければと思います!
西川さん:了解しました!
実は去年、2020年の春くらいに中学校の先生をしている後輩から「職業講和」という形で自分の職業について語るっていう機会があったんで、それをベースに休学の話を膨らませて、話していきますね!
その時のテーマが
という内容で話しました。
川口・高倉:それは面白い!!(笑) 僕たちが普通に気になります(笑)
西川さん:テーマにある通り、元々新卒で大手のIT企業に勤めていて、24歳から世界を飛び回るジーンズのメーカーで働くことになり、現在5年目といったところです。
(ニューヨーク出張 トランプタワー前にて)
と、まあ自己紹介はこんな感じで、学生時代を振り返ると
3-1.小学校から大学まで
西川さん:まず小学校の「テスト0点」(笑) 実はこれ英語のテストやったのよ(笑)
英語の腕試し的なテストやったんやけど、50問×2点のテストで1問も正解できなかった。今でも覚えてる。(笑)
塾も行ってて、勉強できる風の自分がまさかこんな点数を取るとは思わんかったんよね。それで周りも「あいつは賢いからな~」みたいな感じで思われてたから、このテストは衝撃やったよ。(笑)
まあ、そんな苦い思い出もありながら、中学校に上がり、今まで通り勉強できるキャラで居ようと思って、勉強を頑張っていたかな。
今振り返ると、当時の自分はイキったガキやったから、ファッションに目覚める時期が早くて。(笑)
小学校6年生くらいの時から、リーバイスのビンテージジーンズを履いていたり、中学生の時は、当時流行りのヒップホップスタイルではなくて、ゴリゴリのアメカジスタイル(ダウンタウンの浜田みたいな)を着こなしてたな。(笑)
この時から嗜好品としてのファッションに目覚めていたのが中学生時代でした。
高校に入ると勉強の壁にぶつかって、「ちょっと陸上を本気で頑張ろう」と陸上部に熱を注いでいる中で、少しずつ「部活の顧問になりたいな」という気持ちから体育の教員を目指そうと思い始めたんよね。
そんな思いで、スポーツや体育の教員免許が取れる関西大学人間健康学部に入学することになりました。
だが、教員の夢に挫折。そしてこの後に休学して、海外へ行くことになったっていう流れですね。
そして、海外に行こうということで1年間ワーキングホリデー制度を使って、オーストラリアに滞在していました。
学校の先生になりたいと思って、大学に進学したわけなんやけど、自分の中での職業が「教師」という選択肢しかなかった。
そりゃそうで、義務教育そのまま通って、高校も行って、大学に入ってやっとアルバイトを始めたくらいやから、学校という世界しか知らなかったわけよ。
そんな自分がオーストラリアに渡って感じたのは
と。(笑)
まあそんな感じで後で休学の詳細は語るとして、オーストラリアから帰国して、大学に復学しました。
帰ってきてからは「勉強頑張ろう」となり、特に卒業論文のために必死に勉強し、結果的に学部の中で最優秀賞を貰ったんよ。
で、この時のテーマが実はジーパンなんよ。(笑)
3-2.大学卒業後から現在
西川さん:そして、就職のタイミングが来て、俺は大手のIT企業に就職することになりました。自分の知らない世界に飛び込んでみようということでITにしたんやけど、業界最大手っていうこともあって、給料もめっちゃよかった。(笑)
でも働いて思ったのは
そして、ふと考えた。
それで、友達から
「その中からだいたい3つ出せば、答えが見つかる」って言われて。(笑)
それこそ「自分の仲のいい3人の平均が自分」みたいな感じやと思うんやけど、3つ出せば、答え、自分の在り方が分かるっていうのは、あながち間違いではないなと。
そこで3つ選んだのがこれ。
川口・高倉:Googleに聞いてみた!?(笑)(笑)
西川さん:いやホンマおもろいよな。でも、これまず聞いてみるしかないやんか!(笑) だって、その3つに当てはまる答えを持っている奴なんかどこにおる?って話やんか。(笑)
それで一番上に出てきた会社を受けてみたら、なんと即採用。
ジーパン屋さんになることができました。(笑)
そんな経緯で今の会社で働いています。っていう。(笑)
高倉:そんなスッと話が進みますか!?(笑)
西川さん:だいたい1ヶ月くらいで話が進んで、その間に退職の手続きやらなんやらをして、4か月後くらいに就職したんちゃうかな。
それで入社していきなり、海外営業に配属が決まった。多分新卒やとできていないやろうな。
いきなり新入社員に、営業かつ販路は海外ですってことやから、ホンマに専門商社とか大手の総合商社くらいでしかさせてもらわれへんのとちゃうかな。
ほんで、なんで採用してもらえたかというと
オーストラリアにワーキングホリデーで1年間滞在していた経験があるから、まあ英語も話せるだろうと。
それに加え、新卒でIT企業に就職したにもかかわらずいきなりジーパンに飛び込む度胸やね。確か、仕事の途中そのまま抜けて面接に行った(笑)
海外でギターで路上演奏したりとかそういうエピソードも相まって、「チャレンジャー」として評価してくれたんよ。めっちゃおもろい!って(笑)
あと、さっき言っていた卒業論文。テーマが「ジーパン」やったからそのまま面接にも持って行って、「優秀賞を一応貰っているんで、勉強はできます」って(笑)
入社して早速、初海外出張で、3か月目には約1か月のヨーロッパ出張を任されてました。
まあこんな感じで、まさか自分が英語で仕事をするようになっていくんですよね。
特にこのモンゴルは面白くて、よく「砂漠で水が売れますか?」みたいないやらしい面接あるやんか。(笑)
それと同じ感じで「砂漠でジーパン売ってこい」ってことでモンゴルに行った(笑)
砂漠でジーパン売った俺すごいっしょ!って自慢できる。(笑)
この仕事をしていて、色んなやりがいを感じながら過ごしてきたんやけど、一番やりがいを感じたことが、自分の仕事内容が日経新聞に掲載されたこと。
たまたま高校の友人から「新聞載ってるで!!」って連絡がきて、見てみると俺のインタビューとかが載っていて、本当にうれしかったな。
今まで色んな事してきた訳やけど、日経新聞に載るっていうことは社会人として、一人前というか、ステージが上がったように感じた。
(実際に掲載された日経新聞の記事)
3-3.人生夢だらけ
西川さん:こんな感じで、中学生に対しての振り返りとして、
みんなそう思ったやろ?って聞いたら、みんなうなずいていた。
でも俺は「英語のテストで0点を取った男」。
やればできるというか、後々繋がってくるってことを伝えたかったんよね。
それこそ卒業論文とかさ、自分の場合は人生において大きな武器になってくれた訳やけど、惰性で取り組んだり、誰かに代わりに書いてもらったとかよく聞くけど。
でも俺は本気でやってたからこそ、今の自分に繋がってきている。
だから今、無駄に思えることでも、全然無駄ではない。あとでこじつけかも知らんけれど、繋がってくるよね。
「でもそれって西川さんだからできたんじゃないの?」って思われるかも知らんねんけど、まったくそうでもなくて。
この写真。
(パリ・ノートルダム大聖堂前 5歳からの親友と合致)
これは幼稚園から高校までの同級生で、数学の研究者をしていて、学会がパリであるとの事で、そのタイミングでたまたま自分もパリにいたので、飯でもいこやってノリで、ノートルダム大聖堂前で合致した。(笑)
他にはキャビンアテンダントをしている高校の同級生がたまたまベルギーにいるから、仕事を抜けて、ブリュッセルで合致したり。(笑)
だから自分だけではなくて、身近にいっぱい英語で仕事をしている人がいる。英語って難しそうに思えるけれど、意外と遠い話ではないんだよってことを伝えたかった。周りでチラホラ出てくるレベルには。
だから、今をないがしろにするのではなくて、勉強をはじめ、色んな事をやっておいた方がいいよね。って。
そして、最後にかっこいいことを言ってやろうと思って、
これね、形は違えど、全て叶ってきたんよ。
オーストラリアで、ギターで路上ライブをしたり、
趣味のジーンズで今は仕事をしているし、
今こうして講師として、学生に何かを教えるっていうことも叶ったし。
とこんな感じが学生時代から今に至るまでのハイライトでした。
4.西川さんの休学
4-1.教師の夢挫折
西川さん:休学について、あまり深掘りできんかったんやけど、自分にとっては休学自体あんまり存在は大きくないんよね。
今までの出来事全部が一つの流れの中にあるから。休学もあくまでも人生の一部分に過ぎない。
休学の中身ももちろん大事なんやけど、俺にとっては休学の前後も同じくらい大切やと思ってる。
だから、自分の中で休学って「どこかにつながるための回り道」って感じかな。
高倉:なるほど。僕がすごく気になったのは、大学前半の「教師の夢挫折」の部分から、海外逃亡ってことで休学するに至ったあたりをもう少し詳しくお聞きしたいです!
やっぱり、休学が遠回りであったにせよ、オーストラリアでのワーキングホリデーの1年間があり、復学して勉強に目覚めることになったわけですよね。ここがすごく気になります!!
なぜ教師の夢を抱き、挫折することになったのか。そして、海外へ行く流れになったのかを詳しくお聞きしたいです!
西川さん:やっぱりここやんな(笑) この時は学校の先生にガチでなろうと思っていたから、アルバイトで塾の講師と家庭教師の両方をしていた。
もちろん教職課程も取って、先生になるための勉強をしていた。
って感じで(笑)
本当にこのままでいいのかという自分の中での違和感を感じ始めたんよ。
なにか大きな出来事があったわけではないけど、少しずつ教師の夢に対する熱量が下がっていってた。
なんでなんやろう。(笑)
川口:実際に教師の夢に向かって進んでいく中で、「あれ、意外と思い描いていたイメージと違うぞ?」って感じ始めたってところですか?
西川さん:いや、大変であることは承知の上で目指していたんやけど、それでもやりたいって思っていた自負はあった。
「大変やからやめたい」って感じではなくて、単純に熱量が下がったっていうのがリアルな思いやったと思ってる。
というのも、高校で陸上部に入って、キャプテンも務めて。
本当に顧問として指導したかったから、自身の通っていた整骨院で、ケアの仕方やけがの処置など営業後に勉強会みたいな形でずっと整骨院の先生に教えてもらってたな。
そんな高校時代やったわけやけど、高校で競技者としての生活を終えた。
大学では部活もサークルにも入らんかった。
教師になることが夢ではなくて、部活の顧問になりたいっていうほうが強かったんやろな。
走ることを辞めてから自分の中のバッテリーがどんどん死んでいく気がしていた。
大変なことが待っているっていうのわかっていながら全力で走っていた高校時代と、走ることを辞めたことで熱量が消えていった大学生って感じやな。迷っている人間が人に何かを教えるなんてことは自分の中で言語道断やったから。
夢を持たせる側の人間が、教員という夢しか見せられないってそれもなんか自分の中で違和感があった。
4-2.休学決断
西川さん:それで、教師の夢を目指すことやめるんやけど。
その時に思ったのが
そして、体育教員になろうと人間健康学部に入学したわけやったから
もう大学を辞めようかなと。そう思い始めた。
親に大学を辞めることを相談しに行くと、衝撃の一言。
今振り返っても、結構この一言が大きかった(笑)
めっちゃテンション軽いやん!!って(笑)
「あれ?自分って重く考えすぎなのか?」と思う節があって、
そこで「大学を休もうか!」ってことで休学という選択肢が出てきた。
そして海外に行ってみようかなとぼんやり思って、休学を選択したって感じかな。
そういう理由でワーキングホリデー制度に出会いました。ワーキングホリデーについて何も知らなかったから、ネットで調べまくった。(笑)
高倉:全部ご自身で調べたんですね!休学についてもご自身で全部調べたのですか??
西川さん:そうそう! 休学ってあるやん!って(笑)
ホンマは大学を辞めるつもりでおったんやけど、でも辞めたところですることがないし。まあ、どこかで大学を辞める自分を止めてほしかったっていう気持ちもあったと思う。
でも親から「とりあえず大学行きや」って言ってもらえると思っていたのに、「お疲れ!!!」でぶった切られたからさ。(笑)
川口:なるほど。つまり、休学した理由として、
じゃあ休学してみるか!っていう感じですよね。
西川さん:まあ、そんな感じかな。(笑) 一旦休学してみて考えればいいかなって。
4-3.オーストラリアに行くことを決める
高倉:海外に行くと決めた中で、オーストラリアにした理由はなぜなんですか??
西川さん:一番かっこいいからやろ。(笑)
高倉:(笑)(笑) オーストラリアのどこがかっこよかったんですか?
ジーパンが有名だったりとか??
西川さん:なんやったんやろうな~。単純に英語圏が良かったっていうのとがリアルなところであって、自然が多かったり。
バカンスがしたかったんちゃうかな。(笑)
結構気軽に行けるフィリピンとかもあったんやけど、なんか個人的にカッコよくなくて。(笑)
なんとなくオーストラリアの方がカッコいいんちゃうかなっていうただただそれだけ。(笑)
高倉:英語圏ってだけだと、フィリピンとかも選択肢としてはアリだと思うんですけど、どこがカッコよくてオーストラリアにされたんですか?
西川さん:自分の中でめっちゃ素敵やなって思う言葉があって、洋服とかでもいえるねんけど、俺あんまり女性にウケへんのよ。(笑)
今でこそファッションについてわかってきたから女性ウケの服装に寄せることはあるねんけど。(笑)
それが
っていう言葉。
「この服着てる俺イケてるやん?」っていう自分ウケのマインド。
自分にウケるかどうかが一番大事。
この服着てたらテンションが上がる、モチベーションが上がる。そんな感じかな。
だから、このオーストラリアの選択も自分ウケが一番いいところやったからっていうただただそれだけ。
オーストラリアに行ってる俺一番かっけえ。っていう。
誰に向かって言うてるねんって感じやな。(笑)
まあ多分根っこの部分がナルシストの部分もあるねんけど。(笑)
まあ、日本人が過ごしやすかったり、結果的に自分にとって好条件っていうのもあったんやけどね。
高倉:「自分ウケ」っていう第一印象と、調べていく中で良い条件が当てはまって完璧だったのがオーストラリアだったんですね!
4-4.オーストラリアでの生活
西川さん:実際オーストラリアに行ってからは大して、結果残したこととは特になんもないんやけど。(笑)
勉強はしたくなかったから、語学学校は行かなかった。
ワーホリでは大概の人が語学学校とか行ったりするんやけど。
そもそも俺は「学校に行きたくない」っていうのがベースやったからね。(笑)
向こうではアルバイトをして、そこでのんびり暮らせたらいいかなってくらいの気持ちで。(笑)
川口:オーストラリアに行った時の西川さんの英語力ってどのくらいだったんですか?
西川さん:英語力、、? そんなんなかったよ(笑)
川口:なんか英語もうまくないのに、のんびりバイトして暮らすって結構ハードルが高くないですか?(笑)
西川さん:確かに。でも、喋らんかったらさ、言うたら極端な話、死ぬんやで?(笑)
高倉:じゃあ、向こうで英語の勉強はされていたんですか? 学校には行かずとも、英語が喋れないと死ぬような状況ってことじゃないですか。学校以外で自分で勉強していたって感じですか?
西川さん:普通に小中高と英語は勉強していたから、それだけあれば十分じゃない?
川口:必要最低限があれば大丈夫ってことですね(笑)
西川さん:英語が喋られへんかって、英語を喋ることが億劫になってしまったら、別に日本人のコミュニティもあるわけで。俺は英語がペラペラになりたくてオーストラリアに行ったわけではないから。結果的にペラペラになれば、それはそれでいいと思うんやけど。(笑)
英語力を上げたければ、そもそも語学学校に行っているはず。
オーストラリアで暮らすことができさえすればよかったからね。
なにかを成し遂げようとか、そういう高い志を持って行ったわけでもないからさ。
高倉:すごい(笑) でもこれが最終的に今の人生に全部繋がってくるわけですもんね。
西川さん:思い描いた未来ってまあ来ないからね。(笑)
後付けして、「こういう一つのストーリーとして成り立っちゃう俺かっけえ。」っていう自分ウケのためのステップでしかないから。
だから、休学が自分の中でめっちゃ大きかったかって言われればそうでもなくて。確かに良い経験であったことは間違いないけれど。
そもそも人生の中で、大事じゃない日なんてないんやから。
この休学していた1年が人生の中で大事とかではなくて、毎日大事。
あくまでも人生の中で「オーストラリアに居た1年間」ってだけ。
周りと比べれば、比較的特殊な1年であったことは確かやけどね。
5.休学で学んだこと
西川さん:帰ってきた当時は「帰ってきた俺すげえ。かっけえ」って感じ。
本当に1年オーストラリアに行っていたんやっていう自己肯定感にあふれていた。(笑)
でもそんなことをしている人なんて、ざらにおるわけで。(笑)
休学をしたことよりも、休学を経てその後、どうつなげていったかがすごく大事。この過程がなぜ大事やったかを振り返ったかな。
川口:なんか、西川さんの話を聞いて思うのが、
「なんであなたは休学していたの?」って聞かれたときに、「別に英語学びたいわけでもなかったけど、ただただオーストラリアに行ってました。」って答えると、絶対「????」って反応になりますよね。(笑)
就活の面接とかでも絶対にそんな答えを言えるわけがないじゃないですか?(笑) 僕は実際そんな感じで答えて落とされたことがあったんですけど(笑)
このなんでも結果を求められることがすごく自分の中で気持ち悪くて。
「別に理由なんてなくたっていい。自分がしたいと思ったから休学をした」って言えることが一番理想なのかなって僕は思います。
理由がなくても、やってみないと分からないことはたくさんあるわけだし。
西川さん:それはホンマにそうやんね。なんか就活でウケるような答えよりも、実際どう思ってるかを言った方が絶対ウケるよな。(笑)
川口:とはいえ、休学をしたことがない人が大半なので、そういう人向けに話を寄せることが多かったです。(笑)
僕が思うこととしては、結果なんか気にせず気軽に休学ができるようになってほしいし、結果ばかり追い求めなくても何とでもなるっていうのを西川さんの話を聞いて感じましたね!
西川さん:結果なんてなくてもいいと俺も思ってるからね。(笑)
川口:それこそ、休学して1年間海外行って英語の勉強していましたっていう逆にありきたりな結果というか。誰でもできるような目に見える結果なんて面白くないって思うんですよね。(笑)
でも世の中の人が求めるのはあくまでも結果。だからすごく僕は違和感を覚えるんですよね。
高倉:俺はその違和感もそうやけど、多分みんなが西川さんの生き方にあこがれるんじゃない?って思いました。「自分ウケ」とか「自己肯定感」のように、実はみんな素直にそんな生き方をしたいんじゃないかなって。ただただ自分が自分を認めてあげれば、そんな幸せなことってないと思う。
西川さん:でもそれって自分の中での「自分ウケ」から遠ざかってるんよ。俺みたいな生き方をしている人が他に居れば、それは自分にはウケないんよ。結局、俺にしかできない生き方が一番の「自分ウケ」になる。多分周りに同じような人がいれば、もっと違うことをしたくなる。
俺みたいな生き方の人ばっかりやと社会は回らんけどね。(笑)
西川さん:でもオーストラリアに行って、1つ感じたことがあって、
それは
ってことやった。
バイトするにしても、そもそも英語もそんなに話せるわけでもなく、今まで学校の中でしか生きたことがなかったから、手に職があるわけでもなかったし。洋服が好きって言っても、そこまでめっちゃ詳しいわけでもないし。仮に詳しかったとしても、オーストラリアはそんなにファッションが根付いている街でもなかったし。
本当に自分だけができる仕事ってマジで何もなかった。
一方で、一緒にシェアハウスに住んでいた日本人のある男性の人はほぼ中卒だったにもかかわらず、車のメカニックという仕事をしていた人で、オーストラリアの高級車でバイトをしていて、時給4000円という環境で仕事をしていた。
もし今、どっかの国の統治下とかにされたとしたら、本当に自分には何にもなかった。
世界基準で見て、日本語が喋れるくらい。(笑)
オーストラリアで英語が喋れるようになったとしても、アドバンテージなんて一切ないからな。(笑)
飲食のバイトしかできなかったことで、「自分」っていうスキルが認められるようにならないといけないって漠然と思った。
6.休学を終えて、再び大学生に
西川さん:日本に帰ってからは、とりあえず学生やから「勉強しよう」ってことで勉強に打ち込んだ。
って考えた時にいったん勉強すれば選択肢が増えると思ってね。(笑)
そんで、勉強に再度目覚めて、卒業論文最優秀を獲得するに至ったって感じかな。
川口:休学後に人生で一番勉強したって、実はなるさんも同じことを言ってました!!(詳しくはをご覧ください)そんな僕も休学を終えてから、今まで以上に勉強するようになりました。(笑)
西川さん:やっぱ、休学の前後で勉強に対する姿勢とかモチベーション変わるよな!(笑)
川口:なんか僕が思うに、休学の良いところって「学生でもあり、学生ではないところ」じゃないですか。
学生という立場でありながら、僕の場合は大人の人と一緒に何かをすることが多かったので、改めて西川さんと同じように「自分ってなにもできないんだな」ってことに気づきました。
だからこそ「学生のうちにできることってなんやろう?」って考えた時に出てきた答えが「勉強」でした。
ちなみに僕も卒論優秀者を目指して頑張っています。(笑)
西川さん:なるほどね。なんか自発的に勉強できるんやなってことに感動した自分もいるんよ。(笑)
それで帰国してから、せっかく英語も少し慣れたことやし、オーストラリアの経験が基礎となったって思いたいっていうのがあって、関西空港の免税店で新しくバイトを始めたんよね。
週30時間くらいがっつり働いている中で、気づいたら勝手に4か国語が喋れるようになってた。(笑)
全く読み書きはできひんけど、なんとなく喋れるくらいには(笑)
その中でも英語をそこでしっかりと勉強していて、英語がもっと話せるようになったって感じやね。
川口:ちなみに休学の一番のデメリットといいますか、周りより1年卒業が遅くなるので友達がいなくなるみたいなよくある悩みってあるじゃないですか?(笑) 実際に僕は周りに休学している友達がたくさんいたから心配が一切なかったっていう部分は少なからずあります。(笑)
西川さんはどうでした??
西川さん:そやなあ。それよくあるよな。でも俺の場合は、ゼミに入ってから気づいたんやけど同級生が3~4人くらい休学してたっていう、ぶっ飛んだ状況っていうのもあったけど、元々大学ではサークルとかも入ってなかったし、休学に対して負い目を感じることは一切なかったな。(笑)
むしろ「休学してましたけど何か?」くらいのスタンス(笑)
川口:それは強すぎです。(笑) まあ、うちのゼミは特殊な人が集まりがちなところがあるので、休学に対して暖かい人は多いですよね。(笑)
西川さん:まあ、人それぞれ価値観は違うからなあ。そこが大事って人も中にはおるやろうし。俺はそうは思わんかったって感じやな。
(卒業式:7人中5人が休学経験者)
高倉:一つ疑問に思うことがあるのですが、新卒の際にジーンズのメーカーで働こうとはならなかったのですか? 西川さんは確かIT企業に就職されていますよね。そこを詳しくお聞きしたいです!
西川さん:あー、これも結果的にそうなったって話なんやけど、IT企業ってなんかかっこいいやん?(笑)
まず「自分ウケが良かった」っていうのが1つ。
総合商社か、ITか、コンサルが自分の中でウケが良かった。
総合商社は無理やって、ITが一番可能性あると思って(笑)
でも実際は行ってみるとさ、人間健康学部ってがっつりスポーツ系やからIT業界は全くもって未知の世界やった。人間的にあんまり関わったことのない人たちも多くて、自分の中でソリが合わないところは薄々感じてたかな。ITでスキルを高めて、独立して起業するぞっていう感じでも自分はなかったし。
そこで、冒頭にもあった
って感じになるんよな。
ちょっともう働くことができひんなって時に、たまたまGoogleで調べてみたら、今の会社がバチっとはまったんよね。(笑)
高倉:なんかほんとすごい。偶然とか、出会いを引き寄せている感じがありますよね。
西川さん:いやホンマすごいよな。(笑) 自分でも思うわ。たまたま、調べた時にも今の会社がちょうど海外事業の人材を探していたタイミングやったらしい。(笑)
でもこのうまくいっている感じもまさに「自分ウケ」でさ。
エントリーシートとか書いて、コツコツ実力を積み重ねてっていう普通な感じじゃないから、一番自分ウケが良いんよね。(笑)
7.まとめ
川口:じゃあ最後にちょっと記事っぽい質問をさせてください。これから休学をしようかなと迷っている学生に向けて、何か休学を経験した側の人から伝えたいこととかってありますか??
西川さん:何それ!むずいな(笑)
うーん、ほんまさっきも言ったんやけど、俺の中で休学がめっちゃ人生の中で大事やったってわけではないからさ。人生のストーリーの中での1つにしか過ぎんからさ。
多分休学した人って、休学したから何とかして充実させようとか、大事な期間にしようって意気込む人って多いと思うねんけど、やっぱり大事じゃない日なんて人生の中で1日もないんよ。
俺流に言うと、「毎日自分ウケする日々を過ごそうぜ」ってことかな。
その中の選択肢の中で、休学とか留学っていう選択肢があるだけ。傍からみたら突拍子のないアイデアかも知らんけど、そういう選択を取って過ごしている人もいるんだよって言うのは知っててもいいのかなって。
高倉:なんか西川さんの場合って、後から全部ストーリーが繋がってきた訳じゃないですか。その「結果的に」って言えるのって、まさに毎日を大切に自分に対して素直に「自分ウケ」の毎日を過ごしてきたからこそ、休学を選んだこと、卒業論文に打ち込んだこと、IT企業に新卒入社したこと、今の会社で働けていることが結果的に繋がったって言えるんやなって思いました。
西川さん:それ完璧や。俺の言葉にしといてや(笑)
まあ、結論、休学しろとも、休学すんなとかは何にも思わん。ただ毎日を大切に過ごしていこうぜって言いたいかな。
大事にした結果、無駄な時間過ごすくらいなら、大学辞めたら?休んじゃえば?って思う。毎日を大事にできるならばね。
今無駄にしているなって感じているならば、「休学」っていうきっかけを作って、毎日大事にしないとって思える自分に持っていくっていうのは1つの道やな。
これはいい言葉言えたかも知らん(笑)(笑)
高倉:環境を変えれば、気持ちもおのずと変わりますもんね(笑)
西川さん:あー、そういう意味でのリセットってありかもね!(笑)
川口:休学の良いところってそれもありますよね。なんかステージを変えるみたいな。(笑) マリオのステージが変わるみたいに。(笑)
人生のステージの1つとして「休学」って言うステージもあるんだよって言うのは伝えたいところですよね。「就職」っていうステージもあれば、「大学院」っていうステージもあるように。
西川さん:そうね。例えば好きな女の子とデートするときって、服装にめちゃめちゃ気合い入れるやんか。なんで毎日気合い入れへんねんって。(笑)
いつも気合い入れとかんとデートの時、絶対あかんやんって(笑)
今は海外に行けていないから、日本で仕事しているんやけど、渡航制限が緩くなってきたら、また海外を駆け回りに行くと思う。
でも、まだまだ「自分ウケ」の人生は続いていくし、いずれは「Yudai Nishikawa」っていうブランドでやっていきたいっていう思いもあるし。
自分の夢に向かって、毎日大切に生きていくことが「一番の自分ウケ」やし、これからも頑張っていきたいな。
最期に
今回は川口のゼミの先輩の西川さんについて、インタビューさせていただいた。読んで頂けたらわかる通り、「休学ライフ」というよりは、休学を含めて歩んできた西川さんの人生についての内容となっている。
記事にもあったように、「休学」という選択肢はやはり少数派であるため、何とかして良い時間にしないといけないという気持ちを抱えてしまう人は多いと思う。実際に僕も、休学をしている期間は無駄にはできないと思い、何とかして行動を起こそうと意識していた部分はある。しかし、休学を通じて、時間の使い方、毎日の過ごし方、自分の生き方について考えさせられるきっかけになったのは間違いない。
西川さんが言うように、人生の中で大事じゃない日はない。
西川さんは「自分ウケ」というブレない判断軸があったからこそ、自分に素直にこれまで人生の選択をしてきたのだと思う。
じゃあ、自分はどんな軸を武器にして、生きていけばよいのか。
今回のインタビューで改めて考えさせられました。
休学が人生の中での何かのきっかけになることもある。そんな休学というステージを、もっと多くの人が自信を持って選択できるような社会になればいいなと僕は思います。
どんな理由でも、どんな過ごし方でもいい。当初の目標が変わってもいい。自由な期間である『休学』をよりハードルの低い選択肢にするために、自由な期間である『休学』の波をうまく乗りこなせるように、今後も様々な形の休学ライフを届けていく。