gapとアン。 vol.03
私はgap。今年で30歳になる普通の男だ。結婚して娘もひとり、仕事もなんとかやっていけてる。
今朝は自宅の仕事机で目が覚めた。
どうやら作業しながら、キーボードに突っ伏して寝てしまったようだ。
ほっぺたにEnterキーの跡が残る顔を洗い
何千行と改行されたテキストエディタを保存せずに閉じた。
昨夜、突然の電話...........
...........................。
女性「中村です。」
gap「えっ。 中村って!?
まさか、中村ア....」
女性「てる子です。」
gap「.....てる子? .....てる子って、あの剣道部の?」
中村てる子「そうです、中学時代 一つ学年は下でしたが同じ剣道部だった中村てる子です。」
思い出した。
中学時代 後輩に初心者で入部してきた、背が小さくて、声も小さい あまり目立たなかった女の子がいたなぁ。
そういえばFacebookで友達になってる。
私はプロフィールに電話番号載せてるから、それをみたというけど。
しかし普通、電話いきなりかけてくるか?
百歩譲って、メッセージで連絡をまずはとるだろうよ。
そういえば、妙に空の写真や苺の写真をFacebookにアップしてたなぁ。
日常の出来事を超細かくアップしてたし。
...苦手かも。
あー、ネットワークビジネスのあれかな。
"今度、家で料理教室開くからご飯食べにこない?"って言われたら間違いないな。
用件を早く済ませて、電話を切ろう。
gap「久しぶりだね。 元気にしてた。久しぶりに声を聞けて嬉しいよ。もう電話を切ってもいいだろ? さぁ、夜も遅いじゃないか、電話を切ろう。 女性はこの時間に睡眠をとらないと....」
てる子「ちょ、ちょ、ちょっと先輩、相談があるんです。」
gap「......どんな相談?」
てる子「私の一つ下の妹のことなんです。」
..........
............................................
淹れたての薄いコーヒーが眠気を冷ましてくれている。
gap「てる子って妹いたんだぁ...」
明日、てる子と二人で会う約束をした。
場所は京都。
阪急河原町。
つづく。