gapとアン。vol.12

私はgap。

今年で30歳になる普通の男だ。結婚して娘もひとり、仕事もなんとかやっていけてる。

遠足の前の日は嬉しくて眠れなくなり、起きれるか心配になる。

友達と並んで歩く道程は楽しく、お腹が痛くはならないかなと心配もつきまとう。

お菓子の時間は楽しみだし、自分の弁当が友達と比べて変とか言われたらどうしよう。

表と裏、簡単に自分を取り巻く状況は一変する。

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2人が出会う24時間ほど前。

「青い毛むくじゃら」は車で京都へ向かっていた。

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東京から京都までだいたい車で6〜7時間はかかるだろう。

途中、休憩を挟んだり、観光してみたり、マイペースで車は進んでいる。

僕は京都へ向かう車内で少し憂鬱であった。

仕事を休んできたのはいいが、あの話は本当なんだろうか?


嬉しい反面疑心暗鬼の面もある。

「本当にオフィシャル化してくれるのかな。」

1週間程前、755運営からTwitterにDMが届いた。

「平素は755をご利用いただき誠にありがとうございます。

突然のご連絡となり、大変申し訳ございません。

本日は、755にて使用されているアカウントを正式にオフィシャル化させて頂き認定の印、赤いチェックを付与させて頂きたくご連絡させて頂きました。

つきましては…………」

はじめは冗談かとも思った。

だれかのイタズラかと思った。


でもDMのやりとりを繰り返すなかで、それは本当なんだとわかった。

「755運営が僕をオフィシャルに…」

正直言うと、ありえない話ではないとは思っている。


アプリがリリースされた初期からのユーザーだし。

人気トーク部屋の主だし。(事実)

人気者だし。(事実)

愛されキャラだし。(事実)

性格もいいし。(事実)

センスだってある。(まとめて超絶自己愛強者)

運営さんが僕に目をつけるのも不思議ではない。(発想飛躍男子)

「必然だよね。運命なんて。」(二枚目)

そうつぶやいて、缶コーヒーを飲み干した。



滋賀県を過ぎ、名神高速道路 京都南インターをでる。

「しかも一般ユーザーからオフィシャルになるのは初めてのケースみたいだし。

初の755イベントを京都でやるから、そのイベントのゲストとして呼ばれるなんて。

ふふふふふ」

笑った。

声にだして笑ってしまった。

「有名になったらどうしようかなー。youtuberみたいになったら仕事になるよなー。

もしかしたら755自体に参画してくれとか言われちゃうのかなー」

もはや憂鬱な気分など、どこかに行ってしまった。

これから何が起こるのだろう。

期待でワクワクが止まらない。

そして車はイベントが開かれることになっている

「リーガーロイヤルホテル京都」へ到着した。

つづく

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