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「Xで届いた一通のDM」―パワハラ対策資格が生まれてYahoo!ニュースで報道されるまでの舞台裏

Xに投稿していると、ある日DMが届いた。DMは日常的に届く。ただ、大半がテンプレで大量投稿している営業DM、「突然のスパムを失礼します!」と正面から堂々と宣言してくる詐欺DM。この実名と匿名が混濁した社会では、昔からそうあったかのようなひとつの秩序を形成している不思議な世界である。

そんな中、ノンフィクションライターの黒島暁生さん(https://x.com/kuroshimaaki)からDMが届いた。6月4日のことだった。
Xのプロフィールではこう紹介されている【社会のなかで可視化されていないマイノリティの深層を活字にしたいと思って仕事をしています。】この一文が、私の心に深く響いた。

初めてのご連絡にて失礼いたします。ライターの黒島と申します。 非常に面白い取り組みをされているので、急ぎご連絡を差し上げました。 パワハラ対策の資格という点がユニークだと思います。 いずれお話を伺いたいと思っております。

最初のDMから2ヶ月が過ぎ、その間、彼の執筆した記事を目にするたびに、人間ドラマが綴られたストーリーが心に刻まれた。取材依頼がきたが、当時はタイミングが合わず、さらに2ヶ月が経過。しかし、取材にはテーマ、鮮度、タイミングが欠かせない。そんな中、再び黒島さんからの連絡があった。

たとえば、明日、リモートでの取材は可能でしょうか?
たいへんお忙しいところ、恐れ入ります

こうして3ヶ月後、取材は実現し、日刊SPA!に掲載された。実は、このnoteの自己紹介を書くきっかけは、黒島さんからの取材依頼だったのだ。

「あなたを取材したい」「あなたは誰ですか?」その問いに対して、私はまだ明確に答えられる自分がいなかった。語りきる必要はないかもしれない。それでも、自分のことを少しでもすくい上げてくれる期待があった。

「汝自身を知れ」――ソクラテスの言葉が頭をよぎった。自分を知ることの難しさと大切さは、古代から語られてきたものだ。ならば、まずは自分を知ることから向き合おう。そう決めた時、言葉が削れないなら、無理に削らずに付け足していけばいい。永遠に未完成でも構わない――そうしてプロフィールが誕生した瞬間だった。

そして取材記事が完成し、9月30日に公開された。その日、Xでは以下のようなポストを公開した。


簡単に自己紹介させてください。

私は、「社会のワケアリを解決する人」として、広告業界、不動産、そしてハラスメント対策に取り組んできました。広告も不動産も、どちらもハラスメントが跳梁跋扈する闇を抱える業界です。

広告業界で得た経験と、現在の不動産事業を通じて培った問題解決力を生かし、「訳あり不動産」に特化した事業を展開する一方で、働く環境をより良くするための「雇用クリーンプランナー」という、日本初のパワハラ対策資格を立ち上げました。

私がこの資格に着目したのは、自分自身が直面してきたパワハラの現実と、職場に存在する「ちょっとしたズレ」から生まれる誤解や衝突に気づいたことがきっかけでした。

ハラスメントは「人を困らせること、いじめ」と定義されますが、その線引きは立場や見方で変わります。「加害者」と「被害者」の構図にとらわれがちですが、実はその背後に社会が個人に課す責任やプレッシャーが潜んでいます。

加害者に見える人も、時に被害者であることがあり、問題は個人の善悪ではなく、社会の歪みによって生まれるものです。今日の被害者が明日の加害者になることもあり、ハラスメントは単純な構造ではないのです。

そのため、パワハラを防止し、働く人々の精神的・社会的安全を守るために、「ハラスメントに気づく力」を養うことが、今後の職場改善はもちろん、個人の人生をよりよく生きるうえで非常に重要だと信じています。

日刊SPA!の記事では、私のキャリアや「雇用クリーンプランナー」の背景、そして私たちが何故このテーマに取り組むようになったのかが紹介されています(もちろん壮絶なパワハラ体験も!) そもそも、人生とはワケアリそのものです。

ただ、その一つひとつの問題をどう捉えるかで未来は変わる。私たちは、自らの経験を通じて、社会に新しい光を当てる挑戦を続けています。

ぜひ、記事をご覧いただき、私たちの取り組みや「雇用クリーンプランナー」の意義に共感していただけたら幸いです。今後も「ハラスを哲学する人」として、社会の深層にある課題を掘り下げながら、働きやすい未来を創造していきます。応援よろしくお願いします!

日刊SPA!

Yahoo!ニュース


Yahoo!の掲示板が証明している通り、こういう議論は必ず批判を喰らう。ただ、批判されるからこそ議論の火種が生まれる価値がある。対立と批判は深い洞察や新しい視点を生む触媒。冷静に、でも熱意を持って挑むことで大きな変革が生まれる契機となる。

フィクションかノンフィクションか、その境界線の正しさに囚われるよりも、まずは目の前にあるパワハラという現実と向き合うことが大切だと感じている。たとえ理想論に聞こえるかもしれないが、何をテーマに掲げるかが未来を変える鍵になる。私の「ひとりプロジェクトX」は、これからも続いていく。

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