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ソ連製ライカ Zorki I 型について(1/2)

私の所有するレンジファインダータイプのフィルムカメラ、Zorki(ゾルキー) I 型について紹介します。

Zorkiはロシア(旧ソ連)のKMZ社のレンジファインダーカメラのブランドで、1948年に誕生しました。

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そのZorkiの初代、Zorki I は第2次大戦後に賠償の一環でドイツから入手したライカ II 型(バルナックライカ)の設計図面を基に生産されているため、ライカのコピー、というよりはライカそのものです。
レンズマウントもライカと同じL39マウントですので、ライカ製に限らず大量にあるL39マウント対応レンズが使用可能です。

私の機体はZorki I の最終版であるe型で、1953年製造と思われます。仕事でチェコの首都プラハを訪れた際に現地のカメラ店で購入しました。
同じく旧ソ連製のIndustar 22 50mm F3.5レンズと専用の革ケースとが付いて、価格は日本円で1万円ちょっと。
先日のエントリーに載せたプラハの写真は、購入直後に早速撮影した際の写真です。

傷や汚れなどは少なく、生産から70年近くが経過しているとは信じられないほど、きれいな状態を保っています。
シャッターやフィルム巻き上げなどの動作も滑らかで、各パーツの造りも良く、Zorkiの刻印が無ければライカと混乱するかもしれません。

カメラに限らずロシア製工業製品は精度や作りといった品質面で悪い評判を聞くことが多いですが、私の機体はどうやら例外のようです。
戦後間もない時期、共産主義の理想がまだ色褪せておらず、労働者のモラルが高かった時代のおかげなのでしょうか。

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もしくは、ライカの図面をほぼそのまま受け入れて、独自の設計変更などをしなかったことが功を奏したのかもしれません。

フルマニュアルのレンズ交換式フィルムカメラのため、良くも悪くも写りはレンズとフィルムで大半が決まります。
とは言え、操作性が良く、ピントがきちんと合い、シャッター速度が設定どおりに動く、撮影者を邪魔せず意図を正しく反映する良いカメラです。

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サイズは比較的コンパクトで、Industar 22の様な沈胴式レンズを付けると、お散歩カメラに最適です。
なお、本機にはストラップをかける穴がないので、肩から下げる場合は専用の革ケースが必要です。
私は普段は三脚穴に付けるハンドストラップを使用し、ジャケットのポケットに入れて持ち歩いています。
ライカのように高価ではなく、また、ちょっとやそっとでは壊れそうにもない頑丈さがあるため、気負わずに使うことができます。
なお、三脚穴は一般的な1/4インチではなく一回り大きな3/8インチサイズなので、三脚穴を使う際は3/8インチ→1/4インチ変換アダプタをかます必要があります(Amazon等で300円程で購入可)。

次回に続きます。

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