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海外へフィルムを持参する際のtips

昨年来、すっかり海外へ行く機会がなくなりましたが、再び海外へ行く日も近そうなので、備忘のため。

フィルムカメラを海外へもっていく際、一番不安なのは手荷物検査機のX線によるフィルムの感光です。
私もしばらくはフィルムだけビニール袋に入れ、検査場の職員に目視でのチェック(ハンドインスペクション)をお願いしていました。
ただ、職員次第で断られるケースも多く、その場合は他の荷物と合わせて検査機にかけられます。

最初の内はドナドナされる仔馬を見送るような眼でフィルムが検査機へと吸い込まれるのを眺めていたのですが、帰国後に現像されたフィルムを見ても感光していたことが一度もなく、そのうちに面倒になって最初から手荷物検査機へかけるようになりました。

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今まで北米や欧州、中国、東南アジアなどの各国を回ってきましたが、空港に限らず、地下鉄や建物の入り口などにある検査機でもISO400以下のフィルムがそれと気づくレベルで感光した経験はありません。
とは言え、不要なリスクは犯したくないので、自衛策は講じています。

以下にそれを紹介します。


・飛行機の預け荷物には入れない
スーツケースなどの預け荷物には、機内持ち込みの手荷物用の検査機よりも強い出力のX線が照射されるので、絶対に入れません。
基本中の基本ですが、帰国間際でバタバタしている時などはうっかりしやすく、要注意です。


・手荷物検査のトレーにはフィルムだけ乗せる
中身がぎっしり詰まったカバンなどは中身の確認がしにくく、何度も検査機を通したり、長い時間X線を照射されます。
同じくカメラもぎっしりと部品が詰まっているので、厳重にチェックされがちです。
出来るだけX線照射は減らしたいので、検査機に通す際はカバンやカメラとは別のトレーに、フィルムだけを乗せて通すようにしています。
こうすれば確実に一度だけの検査で済みます。


・フィルムを現地で購入する&現地で現像する
度々訪問している街で、フィルム販売店を把握している場合は現地でフィルム購入をしています。
片道分の手荷物検査のリスクが減らせます。
そして何より、現地のメーカーのフィルムはその国の空気をより良く表現してくれるように感じます。
フランスのBERGGER、ドイツのADOXやAgfa、チェコのFoma、イギリスのIlford、米国のKodakやARISTA、中国の上海申光 etc...各国それぞれのフィルムの表現を楽しめます。

Amazonが進出している国の場合、出張前に現地のAmazonへフィルムを注文し、滞在先のホテルへ配達してもらうこともあります。
ただ、日本に比べ配達日程が確実ではなく、また、仕事の都合で急に滞在先が変更となる場合などもあるので、あまり使いませんが。

滞在が2週間を超える場合は、現地で現像もお願いしてしまいます。現像してしまえば、検査機で感光することはありません。


・フィルム保護用のX線を遮断するケースなどに入れない
旅行用品で、X線を遮断するバッグやケースが販売されています。
私も以前は使用していましたが、何度も検査機を通された挙句に中から出してフィルムだけで検査機を通されたことが幾度かあり、最近は使用していません。
むしろ使う方がリスクが高くなるのでは、と考えています。


・清潔感のある服装をする
何の関係もないように思えますが、大いに関係があります。
手荷物検査場では見た目で判断されます。Tシャツ、短パン、サンダル姿と、ビジネスカジュアル、中身が同じ人間でも露骨に扱いが変わります。
不審者に思われれば手荷物検査はより厳重になり、その分、検査機にかけられる回数や照射時間が増大します。
少なくとも空港では衿付きのシャツを着るなど工夫をしておけばフィルムへのリスクだけでなく、税関検査などで無用な時間を取られるリスクも減少します。


・優先レーンがある空港の場合は、優先レーンを利用する
ビジネス席以上の利用客やマイレージの上級会員向けに、セキュリティチェックの優先レーンを設けている空港があります。
多少ではありますが、手荷物検査もスムーズに通れます。ハンドインスペクションも受けてくれる率が高かったように思います。

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以上が私の講じている自衛策となります。
どれも当たり前といえば当たり前の事柄で、実践されている方も多いとは思います。
これらの対策が功を奏したのか、運が良かっただけなのか、今のところフィルム感光の経験はありません。

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ただし、2020年以降、情勢が変わりつつあり、上記の自衛策が無効となりそうな状況です。
現在、米国で導入が進められている新型のCTスキャン方式の検査機の場合、ISO400のフィルムでも1回検査機を通すだけで感光する恐れがあるとフィルムメーカーから警告が出ています。
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1235077.html

羽田空港でも一部導入されたようですし、今後は世界各国で同様の検査機の導入が進むのでしょう。
そうなると確実に効果があるのは、現地で現像する、のみとなります。後は、ハンドインスペクションを受け入れてくれるよう係員の心証をよくするために、きちんとした服装をするぐらいでしょうか。


日本の空港ならば、お願いすればハンドインスペクションを受け入れてくれます。
でも、米国のあのTSA職員が素直に応じてくれるのか、はなはだ疑問ではあります。。。

早くフィルムカメラを持って海外に行きたいものです。

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