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#ちょっと気になる汉语 向前一小步 文明一大步
向前一小步 文明一大步
Xiàng qián yī xiǎo bù Wén míng yī dà bù
▶︎小さな一歩は文明にとって大きな前進である
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ある場所に入ったら、目の前にいきなり強烈なメッセージが飛び込んできました。
ここは中国 陝西省咸陽市郊外、唐の三代皇帝、高宗李治(628-683)と中国歴史上唯一の女帝則天武后(624-705)の合葬墓である【乾陵】を見学にいった時に立ち寄った、公衆トイレの男性小便器の前に貼ってあったパネルです。
これまでもトイレを綺麗に使ってもらうために、さまざまなメッセージが貼られていましたが、このような壮大なメッセージは初めてで、用を足す前に思わずシャッターを切ってしまいました。日本語の翻訳はちょっと意味が通じませんでしたが、後から調べてみたら、まるでアポロ11号が月に到着した際に、ガガーリンが発したメッセージと同じで、思わず笑ってしまいました。
香港の時もそうでしたが、今、中国政府は必死に近代化を急いでおり、特に公共の場における振る舞いなどをグローバルスタンダードに近づけるために、案内表示の内容もこれまでのような強制的なものではなく、自主的に改めてもらうように促していきたいというのが感じられました。
特に西安(長安)という街は、古代中国王朝の首都でしたが、907年に300年続いた【唐】が滅亡してからは、内陸の忘れ去られた地となってしまった西安があらためて注目されたというわけらしい。
古都、つまり日本で言えば京都のような地が、これまで開発されていなかったことも不思議で、沿岸部の開発が一通り完成し、いよいよ内陸部へ開発を進めようとしたところ、とんでもない遺跡があれよあれよと出てきて、その遺跡を見るための博物館などを整備し始めたというのが、ここ何年かの陝西省 西安市の動きのようです。
もちろん、みなさんご存知の“兵馬俑”もまだまだ発掘や調査、修復などが進められており、これから「一歩一歩」古代文明が明らかになっていくことが期待されているのです。まさに地域の今を表現するメッセージがトイレからも発信されていたということでしょう。