#1 コロナ禍に負けない、挑戦する決断 〜ドイツ留学〜
はじめに
初投稿です。大阪生まれ大阪育ちの大学院生です。2021年4月からドイツのデュースブルク・エッセン大学に留学します。今回は、コロナ禍にもかかわらず留学を決心した経緯とヨーロッパで過ごす3年間で目標にしていることについて綴りたいと思います。
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ドイツ留学が決まるまで
きっかけは昨年8月に知った、ヨーロッパの共同研究プロジェクトに参加する学生の募集だった。今の私の専攻と同じ分野を研究するヨーロッパ諸国の大学が博士号取得を目指す学生を育成するもので、3年間の任期付きで学生は雇われ、研究を行う。
私はもともと海外志向が強く、大学院在籍中に一度は研究留学をしてみたいと思っていた。しかしその頃、日本ではCOVID-19の国内感染者数が1000人を超え、世界では2000万人超の人々が感染していた。
このような状況下での海外渡航はとても困難で、海外留学を支援する奨学金も停止される可能性が高く、日本の大学に在籍しながら海外経験を積むことができるのか、見通しが立たなかった。実際、私の大学でも多くの学生が、コロナ禍のために留学を中断または断念していた。
一方このプロジェクトでは、学生はヨーロッパの大学に正規入学する。また奨学金ではないが、現地で給与としていくらかの支援を受けることができるため、コロナ禍においても経済的な支援を確保して渡航可能なのだった。
したがって、このまたとないチャンスを目の前に、私には応募しない理由が見つからなかった。
応募してみると、採用までのステップは意外と少なかった。
11月に面接の連絡が来て、2度のオンライン面接後、12月に内定をいただいた。年が明けて1月末には、採用通知が届き、正式に私のドイツ行きが決まった。
今振り返ると、異国の地で3年間、英語で研究しながら生きることがどれだけハードなのかよく考えていなかったかもしれない。家族や友人と離れ離れになるのも辛いだろう。それでも私は、これから話す目標に向かって、挑戦することを選んだ。「狭き門から入れ」とあるように、私は遥か彼方ドイツの狭き門を潜ろうとしていた。
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なぜドイツ?
これは強い運の巡り合わせによるもので、私の場合はドイツの大学が興味を持って面接の機会をくださったので、それを受け、合格したのでドイツへ行く事にした。本当に私は運がいい。
ドイツに決まって嬉しいのは、まず授業料が無料であること。経済的に困ることなく暮らせる。
それにヨーロッパ各国を回るときにアクセスが良いことや、治安も(日本と比べたら悪いが)ヨーロッパでは比較的良い方であることも嬉しい。
またジェンダーギャップが小さいのも興味深い。Global Gender Gap Report 2020によると、ドイツは10位、北欧諸国には及ばずともかなり上位にいる。一例として、私が尊敬している元研究者のメルケル首相は、16年前の2005年からドイツの歴史上初の女性首相として国のトップを務めている。
一方、日本は世界153ヵ国中121位。
ドイツに行ったら、あらゆる場面で日本との違いに驚かされることだろう。追々、その驚きについても共有していきたい。
▼滞在するデュースブルクの位置
留学中に達成したい2つの目標
私は2つの目標を立てた。
1つ目は、研究者として一人前になること。
私の夢の1つは、宇宙開発・利用によって人々の暮らしをより快適に豊かに安全にすることである。
高校1年生の冬、母校の取り組みの一環で、JAXA (日本航空宇宙研究開発機構)の相模原キャンパスを見学したときに初めて研究や宇宙に興味を持った。
▼大学生になってから再び訪れたJAXA(今度は筑波宇宙センター)
したがってこの留学では、研究者としての未知の課題に取り組む力、未来を見据える力、コミュニケーション力などを言語や文化の壁に囚われず発揮できる力を身につけたい。そして、宇宙利用・開発に貢献するための知識や技術を獲得しておきたい。
2つ目は、コロナ禍を乗り越えた世界(特にヨーロッパ)の今を知ること。
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およそ1年間、コロナ禍という困難に直面した社会や現場の人々は、既存手法とは異なる新しいやり方への変化を求められてきた。そのとき必死に考えて生み出したアイデアは、きっとこれからの未来を創っていくのに役立つはず。
私も大学院生の1人として、授業や研究の進め方、コミュニケーションの取り方など、変化を求められ対応してきた。変遷を目の当たりにしてきた。
日本とヨーロッパのコロナ禍を実体験することで、これから創っていく未来へのヒントを自分なりの視点で見つけ、日本に持ち帰りたい。
行ってきます
もっと早くドイツ行きは決まっていたのに、お知らせするのが遅くなってしまったのは申し訳なく思います。出発1か月前になって報告することにしたのは、さすがに何も言わず3年間大阪を離れるのは友人やお世話になった人に悪く思うのと、先日大阪府の緊急事態宣言解除が決まり、今後は比較的会い易くなるからです。
緊急事態宣言下で食事をするのは、感染拡大を助長するようで控えたかったのもあります。
最後に
人間万事塞翁が馬。この故事成語はノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥先生がよく仰る言葉です。ヨーロッパでの暮らしはとても楽しみですが、博士号取得への道は険しいでしょう。強い意志を持って、3年間挑戦し続けていきたいです。応援していただけると嬉しいです。
行ってきます。