癌告知以上の衝撃
「一津田さん、これねぇ、癌です。」
これが、2023年6月30日の朝8:50の出来事。
2人に1人は癌になると言われる現代。
癌の告知もライトになっているらしく(少なくとも僕の時はそうだった)。
本人には伝えず、家族だけを呼んで告知するなんて事は少なくなっているのかも知れない。
それだけ「癌=死」という時代ではなくなっているのかも知れない。
早期発見さえ出来れば、治る可能性も高い。
それでも自分が癌になったと聞いたら、やっぱり「ガーン😱」となる。
癌告知された人間が絶対に言っちゃいけないんだけど、やっぱり「ガーン😱」となる。
周りのがんサバイバーの皆さんに話を聞いてもやはり「ガーン😱」となるらしい。
自分の生き死にがかかった時に不謹慎だし、駄洒落だしなんで、絶対に言うべきじゃないんだけど「ガーン😱」となる笑。
今まで生きてきてこんな衝撃は無かったという程のショックだ。
「ガーン😱」となった後の記憶はおぼろげだ。
町のクリニックで癌告知をされ、某大学病院に行くまでもうろうとしていたが、本当の衝撃はここからだった。
予約しているのに3時間待たされた後の大学病院の外来の診察。
待たせた事の謝罪をされた後、診療は始まった。
「一津田さん、これは癌ですね。
大腸を全摘して、人工肛門になりますね。」
だ・・・大腸全摘!?
じ・・・人工肛門!?
癌を告知された時に手術は想像出来た。
術後に抗がん剤や化学療法等もやらないといけないのかも知れない、という事も想像出来た。
しかし、現実はそれらを遥かに上回ってきた。
よく聞く話だと癌の部分だけ取り除けば大丈夫なハズ。
それが大腸全摘。
その上、人工肛門である。
わずか3時間で予想をはるかに上回る不幸が襲いかかってくる。
言葉にならない絶望。
おそらく人生で最大の不幸。
泣きっ面にバックドロップ位の衝撃。
大腸全摘もよく分からないけど。
人工肛門という言葉が僕にはとんでもなくショックだった。
「マジで人生終わった。」
心底そう思った。
「手術が終われば癌は終わり、元通りの生活になる」そんな淡い希望も木っ端微塵に吹き飛んだ。
人工肛門?
そんなもん付けたら終わりじゃねーか。
命は救われても、ただそれだけだ。
日常生活も、旅も、運動も、恋愛も全てが大きく変わる。
一番の問題は、今後恋をしても一戦を超える時に立ちはだかる人工肛門だ。
癌よりも何よりも人工肛門だけはイヤだ!
僕は人工肛門にならない為の抵抗を始めた。
続く