日向坂46「飛行機雲ができる理由」を苦しみながら考察する
こんにちは。おふとんと申します。
今回は、日向坂46 7thシングル「僕なんか」のカップリング曲
「飛行機雲ができる理由」
について、苦しみながら考察していきたいと思います。
「苦しみながら」というのは、
「なんかいい曲、なぜかいい曲、だけど説明できない」
と感じていた自分の考えを何とかして言語化しようとしていたからです。
画期的な解釈がこのnoteで生まれているわけではなく、
一つ一つ歌詞を分解・結合して、自分なりにではありますが分かりやすく組み立てていくような記事になっているかと思います。
もし読んでいただいた皆さんの考えがあれば、
コメントやツイッターなどで教えていただけると嬉しいです。
1番
はじめに、
この歌詞の物語をひとおおり読んでいくと、具体的なイメージはできなくとも、
「君と僕が飛行機に例えられていること」
はおおよそ掴めるのではないかと思います。
ここだけ一つ前提に立って、読み進めていければと思います。
「指で描くような」雲とは、フリーハンドで自由に描いた様を例えているのだと思います。
飛行機は僕たちのことですので、ここでは
「何物にも邪魔されることなく自由に生きていくこと」
を例えているように思われます。
そして君は僕に、タイトルでもある「飛行機雲ができる理由」を問います。
僕は答えられずにいたのですが、君の中には既に答えがあって、
「それ(飛行機雲)は飛行機の涙だと思う」
と僕に伝えます。
これを主人公たちに当てはめると、
君は僕に
「どうすれば自由に生きていけるのか」
を問うているように思います。
僕はその答えがわからず回答に苦慮しますが、
君は既に自分なりの答えを持っていて
僕たちが過去に流した涙(=悲しい過去・経験)が飛行機雲として尾を引く。
つまり、
「自由に生きるにはそれなりの代償が必要になる」
と捉えているのだと思います。
(※「指で描くような」を少し深堀りしたのでこのような解釈になっていますが、単なる情景描写であってもおかしくないと思います。飛行機雲って基本的には真っすぐだと思うので、ここに意味があると思いました)
この部分では君の問いに答えられなかった僕の気持ちが歌われます。
僕は、僕と君の未来、そして 二人の関係には何の曇りや障壁がないと思っていました。
ここで僕は「悲しみの雨雲」がどこにもない、と考えていますが、
僕は君の問いの意図がよく分かっておらず、涙を雨雲と捉えてしまっているのかなというようにも感じ取れます。
このあたりの描写は捉えようによってはいろんな解釈ができそうですが、
少なくとも、「僕と君の見ている景色のズレ」は表現されているのではないかと思います。
ただ、サビで僕は少し気づき始めます。
微笑みながら一緒に並んで過ごしていた君。
よくわからなかった君の問いのことを、僕は改めて考えてみます。
ふと振り返るとそこには涙の跡(飛行機雲)があるかもしれないなんて。
まさかそんなことがあるわけないと思いつつも、
飛行機は振り返ることなく、雲だけは後ろに残っていて。
美しく伸びる飛行機雲のはずなのに切なさを感じるのは、
不安になってふと想像した君の涙や悲しみやが、空のキャンバスに描かれているからなのかもしれない。
そんなことを「僕」は考えたのかなと思いました。
また、「気づかないうちに」というのは
「僕が」気付かないうちに「君が」 であり、もしかしたら
「君が」気づかないうちに「君が」
と捉えることもできるのかなと考えます。
2番
ここまでは空の上を舞台にしたストーリーでしたが、
2番は一転、地上を舞台にした内容になります。
1番の歌詞は「僕」の心の中の逡巡が中心でしたが、2番で現実に引き戻されます。
「風が吹き抜けた」は僕を現実に引き戻す力のことでもあり、
何かしら環境の変化があったことも示しているのだと思います。
ひらめいた髪を手で押さえる君を見て、僕は君の気持ちを少し理解します。
環境の変化が何かは明示されていませんが、「飛行機雲ができる理由」となる出来事なのかもしれません。
僕はその様子を見て、
僕と君の間に存在する愛しさが脅かされることに恐れを感じ始めます。
2サビの歌詞は一番分からないのですが、
この歌詞が好きという方は多いと思います。私も好きです。
落とし物をしていない、というのはどういうことなのでしょうか。
大雑把にニュアンスを掴むと、
「過去においてきた後悔がない」
それはつまり、
「僕には飛行機雲は伸びていない」
ということなのかなと考えます。
僕はそう自惚れて「愛しさを永遠」だと思っていたのですが、
君にそれを聞いても答えられないだろうことを自覚します。
それは単に君にフラれるといったことではなくて、
何か悲しい出来事が僕たちを分かつイメージです。
そういった不安に苛まれる僕ですが、
たとえどんな困難があろうとも、君を愛する気持ちは揺るがないと確信します。
Cメロ~ラスト
Cメロはこれまでの前提を覆します。
空を飛ぶ飛行機は、飛行機雲を残していることは地上から見えても、
その音は何も聞こえてきません。
考察の最初に
「君と僕が飛行機に例えられている」
という認識を共有しましたが、
本当は、
空を飛ぶ飛行機である君
と
地上でそれを眺めている僕
だったことが分かります。
そして君は思ったよりもずっと遠くにいて、
僕は君の悲しみに全く寄り添えていなかったことを自覚します。
僕が「落とし物がない」と思い込んでいたのも、
実は地上を歩いていて、飛行機雲が伸びようになかったからなのかもしれません。
(もしくは、僕が地上を歩いていることの示唆として、「飛行機雲」ではなく「落とし物」という表現をしたのかもしれません)
僕は君との距離を知ることとなり、これまでの自分の自惚れを反省します。
この後は1サビをもう一度繰り返すだけなので、物語としてはここで終了となります。
現実世界でも、どれだけ仲が良かったり、共に生活していても話せない秘密があると思います。
相手のことを信頼していないわけではなくて、
心配を掛けたくないという理由であることも多いかもしれません。
君のことを分かっているつもりだった僕は、今後どう動くでしょうか。
もちろんどう頑張ってもこの物語はここで終了なのですが、
聴き手のこれまでの人生や経験によって思い起こされるものが変化してくる、良い歌詞だなと思います。
考察とか関係ない超個人的感想、でもこういうことだと私は思う
「僕」の気持ち、とても分かります。
私は自分のことをベラベラとしゃべってしまうタイプで、
それでいて深みのある人生を送ってきたわけではないんですよね。
君からふとした「カウンターパンチ」みたいなものを食らって、
帰り道に自分の情けなさを実感することが多いです。
(もちろん動揺は隠しているつもりですが… )
そうした経験が何度かあるので、
人を分かったつもりになるのをやめました。
でも、少なくとも分かったつもり(自惚れた状態)にはならないと、
深いところにある話はできないもので。
最初に「苦しみながら」としたのは私が「僕」と重なる部分があるからでもあり、今でもなかなか難しいです。
最後に
文中でも申し上げた通り、私もまだ解釈が定まっていません。
むしろ、聴く人によって全然バラバラの気持ちになってもおかしくない歌詞だと思います。
でも、ここまで分解した考察のようなものは見かけなかったので、
もしこのnoteがきっかけで歌詞の意味を考察してくださる方がいたら嬉しいです。
ぜひコメントやブログなどで共有して欲しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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