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Ninngenn

人間
にんげん
Ninngenn…
人間ってなんだろう。


みんな動いてて私は止まっているみたい。

みんな動きまわり、やりたい事をやり、友達と遊びにいく。

行動している。

そして成長していく。

ほら、2.3年前までみんな言いたい事を言っていたのに、今は控えめになってるよ。

態度や顔に出さなくなっているし、発現も穏やかになってってる。

ぎゃーぎゃーうるさかったのに、落ち着きが出てきてるよ。

私は?
私は子供の頃からあまり動かない。

大人っぽいねと言われた子ども時代。

子供っぽいと言われる今。

周りは変わっていって、時代も変わっていって、自分はずっとうごかず見下ろしてた気みたい。

変化がわかるのは自分が動かないからだ。

私は人間なの?


人間の形をしたほかの生物なの?

そう思えたくらい。

明らかに人とちがった。

人の群れが怖かった。

何かが変だとわかっていた。

みんなが動いている。

当たり前だ。

だって生き物なんだから。

まるで私は死んでるみたいだった。

そのくらい動けなかった。

動くのがとってもかったるくて億劫で、明らかになにかが違う。

でも周りからは見た目で見抜けないんだ。

だって問題ない元気な人間の形してるから。

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当事者しか描けない必死で自閉症を生き抜いて、大学まで卒業した人生を追体験できます。社会からの迫害の有様、当事者の身に起こる不可解な症状。誰にも信じてもらえない孤独。誰にも言語化できなかった当事者の感覚から、最新の脳の医学知識まで知る事ができ、物語としての迫力と感動満載のマガジンです。

当時世間にまだ知られていなかった、重度の発達障害を抱えて生まれてきた「私」の半生を描いた自伝小説。 社会から迫害されないように「普通」でい…

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