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無人島生活福袋【毎週SS】

コンテナの揺れが収まったのを見計らって私たちは外に出た。
見知らぬ浜辺だった。

サバイバル生活が始まった。

私たちは福袋だ。
こんなことでは狼狽えない。
まずやるべきことは、互いの手持ちの中身だった。

「君、何円だ」
「私は3,000円です」
「そういうあなたは見るからに大柄ですが」
「それでも5,000円だ。君と大差はないよ」
「せめて10,000円の方がいるとありがたいのですが」

「君たち、サバイバルに必要なものは値段ではない。実用性だよ」
鼻につく福袋は自分をさかさまにして揺すった。
しかし出てくるのは、
プラスチック製の水鉄砲や正体不明のぬいぐるみばかり。
「お前、なんだって?」
「何でもないっす。一生ついていくっす」

「すまんが、私のも見てくれないか?」
「お前はいくらなんだ?」
「分からないんだ」
「仕方ないな」

テープ止めの隙間から中をのぞく。
デジタル時計がカウントダウンをしていた。

「どうかね」
「……最高」
刹那、夜明けの島が赤く燃えた。
(410文字)


気が付いたらもう今年も1カ月ちょっとなんですね。
今年もいろいろあったけど、
はやかったなぁ……。

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Ganmo
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