【小説】4年ぶりの1日

よっつ、トシをかぞえて、その日がくる。

深くは考えないことにした。

きっと妻はあちらの空の上でもげんきにやっている。うるう年に別れた妻と、私の時間は、4つの隔たりを経て、4つごとに再会する。

うるう年にこれほど救われるとは。
うるう年など、気にしたこともなかった。今は今年は妻の死は無いものと安堵ができる。

花束は、4つごとに持ってゆく。
墓のなかにいる妻、いいや空の上で過ごしている妻、きっと私達はまた会える。

生きることを今は楽しむ事にした。

妻も、空の上から、そんな私を見ては楽しんでいる。きっとそう、織姫と彦星の話があるが彼と彼女もそれを不幸とは想わぬはずだ。まいにちが、むしろ楽しくなる。

私達は、再会を目指して、トシを重ねる。

妻に会う日も、それまでの過程でいかに彼女を楽しませたかも、どちらも楽しみだ。

私達は決して不幸ではなかった。


END.

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