【Chromium】ブラウザ難民が増えそうだという話①
2021年3月15日以降、Google Chrome以外からのGoogle APIへのアクセスが遮断されました。これにより他のChromiumベースのブラウザで今まで当たり前に出来ていたGoogleアカウントを用いた同期機能が使用できなくなったのですがこれ、皆さんはご存知だったでしょうか。私は最近知りました。
つい先日PCが故障しマザボを張り替えまた故障してという地獄のような流れを経てついに買い替えを決めたのですが、そのクリーンインストールの際ブラウザの同期が出来なくなっていることに気付いた次第です。
これには少々頭を抱えました。このご時世に同期のひとつも出来ないブラウザなど話になりません。
Chromeに移行すればいいじゃんという話ではあるんですが、元々どんぐりの背比べで操作性に難のあるAndroid/iPhone版のブラウザならともかく、WIndows版の場合使い慣れたブラウザとそれ以外とではユーザビリティに圧倒的な差が出るので言うほど簡単な問題ではありません。
1. 移住先を探したときの話(Google Chrome編)
現在私が使用しているのはKinzaというChromiumベースのブラウザで、標準でスーパードラッグ・ホイール操作対応のマウスジェスチャ、サイドバーを備えているのが特徴となっています。
元々はCoolNovo(ChromePlus)というKinza同様マウスジェスチャ機能に秀でたサイドバー付きのブラウザを使っていたんですが、ちょうど開発停止のタイミングで登場したKinzaに乗り換えて以降ずっと愛用しています。
で、まず今回最初に移住先として候補に上がったのはやはりGoogle Chromeだったんですが案の定というか私には合いませんでした。アドオンのマウスジェスチャが終わってます。
現在入手できるものの中では「crxMouse Chrome Gestures」というアドオンが一応最も高性能らしいんですが、品質的にKinzaのマウスジェスチャには遠く及びません。
ビルトインページをはじめマウスジェスチャが効かないページが多すぎ(これはアドオン全般の仕様っぽいですが)ますし、何よりこのcrxMouseには製作者が意図的にアドウェアを仕込んだという前科があります。
使う使わないは個人の自由ですが、個人的にはこんな怪しいもん使い続ける人の気がしれないです。
一応これ以外にもいくつかの代表的なアドオンは試しましたが結果は変わらず。カスタマイズ性が低すぎてお話になりませんでした。
残念ながらChromeは無し、ということで次に進みます。
2. 移住先を探したときの話(Vivaldi編)
Google Chromeでアドオンのマウスジェスチャの低品質っぷりを思い知らされたため、移住先のブラウザの選定にはまず
標準でマウスジェスチャ機能を備えている
ということが私の場合必須条件であるということが分かりました。
で、次に試したのがこのVivaldi。Kinzaと同様Chromiumベースのブラウザでありながら独自仕様により現在もChromeからの同期が可能(相互同期はたぶん無理)で、モバイル版もあるらしいということで中々期待が持てそうです。
実際触ってみた感想としてはマウスジェスチャに関しては60点というところでしょうか。とりあえずアドオンの時のようにそもそも必要な割当が欠けているというようなことはなかったのですが、スーパードラッグとホイール操作にデフォルトで非対応なあたりが減点対象です。
また、マウスジェスチャとは別の話ですがタブ上ホイールでタブ移動が出来ないのもKinzaの操作性に慣れた身には地味にストレスを感じるところ。
しかしながら現状はこのVivaldiが最もベターな選択肢ではありそうです。OperaやYandex、Sleipnirなど他にも色々試しましたがその中では一番マシな感じでした。モバイル版とも同期できるので併せて乗り換えておけば今後Chromeとの同期が完全に不可能となったとしても(開発が続いている限りは)困ることはないでしょう。
3. Chromiumの延命を図る
ひとまず万が一の移住先の方針に関してはこれで一応定まったので、今度は目先の問題に取り掛かろうと思います。ずばりKinzaの延命です。
そもそもKinzaをはじめChromiumベースのブラウザはGoogle APIによる同期が制限されただけで開発が停止したわけではありません。つまりセキュリティ的にはなんら問題が起きていませんから、手動で同期さえ出来ればこれまで通り特に問題なく使っていけるわけです。
さっそくChromeのUserdataフォルダからそれっぽいファイルのコピーを手動で試しながら自分用に覚書を作成してたんですが、もっと簡単な方法がIronのフォーラムに書いてありました。以下のURLから「グループに参加する」を押してログインすることで今まで通り同期することが可能になります。
https://groups.google.com/a/chromium.org/g/google-browser-signin-testaccounts
ただ、あくまでもこれは一時的な措置なので注意が必要です。というのも、最新版のChromiumからは同期機能がブラウザ側で無効にされているからです。私もこれを試したときは一つ前のVerのKinzaを使用していますし、この方法自体今後Googleが規制してくる可能性もあります。
一応あと1ヶ月ぐらいは私はこのままバージョンアップせずに様子を見る構えですが、ブラウザ側で何らかの措置が取られない限りいずれ手動同期が必要になる事態は避けられません。
面倒が嫌いな人やIronのように追加機能の少ないChromiumを使用している人などはもうこのタイミングで別のブラウザに移行してしまうのがたぶん正解でしょうね。環境を変えることに頓着のない人がこういう時ばかりは羨ましくなります。
※続きます