ポケモンSV 3種のトドロクツキ 構築メモ(S3シングル)
ランクバトル(シングル)のシーズン3で使用した構築を紹介します。今期はパラドックスポケモンが新たに使用可能になったということで、トドロクツキを軸とした構築を組んだのですが、なかなかしっくりくるパーティにすることができず、その過程で3種類のトドロクツキを使うことになりました。せっかくですので、最終的なパーティと合わせて、使った3種類のトドロクツキのそれぞれの使用感も記述します。
シーズン3のレギュレーション
今シーズンからミライドン、コライドンを除くパラドックスポケモンが解禁されました。パラドックスポケモンは高い種族値を持ち、特に素早さが高いポケモンが多く、環境に大きな影響を与えました。一方で特性の使い所は難しく、「ブーストエナジー」を持たせない場合は特性が死にやすいという弱点もあります。
構築の経緯と変遷
せっかくなので、解禁されたパラドックスポケモンを軸になるべくパラドックスポケモンを多めに入れてパーティを組もうと思いました。パラドックスポケモンを眺めていてまず気になったのはトドロクツキです。種族値配分に無駄がなく、590族なのに特攻は55しかないです。また、技範囲も広く、りゅうのまいも覚え、エースとして申し分ないです。よし、こいつを使おう。
まずは素直に展開役+トドロクツキの積みエース構築でパーティを組むことにしましたが、これが苦しみの始まりでした。
1. 積みエーストドロクツキ
展開役のサポートを受けて、ブーストエナジーのA上昇+竜の舞から飛行テラスアクロバットで全抜きを狙います。性格と努力値配分はとりあえずおくびょうAS極、技はじごくづき、アクロバット、スケイルショット、竜の舞としました。展開役としてはステロ役のキラフロル、置き土産搭載ハバタクカミなど、気になってたポケモンをいくつか試しましたが、壁もステロもできるサケブシッポにしました。
良かった点
AS極振りして、スケイルショットを持つことで、積まなくても戦えるような運用をしたため、展開役が仕事が出来なかった場合も十分な火力が出ます。積んだ場合はアクロバットを連打するだけで試合が終わるケースもしばしばありました。
良くなかった点
結論から言うと、防御面の弱さが目立ちました。まず、物理方面で脆く、現在の物理環境ではリフレクターがないと積むのが難しいです。また先制技に弱いため、せっかく積んでも引かざるをえない状況になりやすいです。そもそもブーストエナジーを消費して飛行テラスアクロバットするだけである程度十分な火力は出るため、積まない場合の方が多くなりました。
竜の舞を積んだり、ブーストエナジーを持たせたりするエース運用はかなり厳しいことがわかりました。どんな相手にもそれなりに対応できるポケモンというよりは、得意不得意がはっきり分かれるタイプのポケモンだと思います。例えば、竜の舞を持った型なら、くらいつく、羽休め、竜の舞、挑発のような構成にしてサポートポケモンを捕まえて処理するような型の方が強みを活かしやすそうです。しかし、トドロクツキを1ウェポンにするには抵抗感があったため、仮想敵を整理し、自分より遅いポケモンと展開役を対象にして、異なるコンセプトでトドロクツキを育成しました。
2. 先発ダイストドロクツキ
初手からトドロクツキは来ないだろうという相手のバイアスに期待して、主に先発で出し、いかさまダイススケイルショットで素早さ有利を取りつつ必要に応じて鋼テラスタルを切ることで初手対面で勝つトドロクツキです。技構成はスケイルショット、じごくづき、地震、挑発です。
良かった点
上から挑発できるため、クエスパトラやキラフロルなど、初手で展開してくる相手には強気に出られます。またテラスタイプを鋼にしたことで、フェアリー技持ちにも対応できます。じごくづき+挑発で大抵のHBラウドボーンに勝てるのも素晴らしいです。
良くなかった点
スケイルショットはただでさえ低い物理耐久がより低くなる上、外しが負けに直結しやすかったです。ドラゴン技のため、素早さで上を取られるハバタクカミに効かないのも痛いです。また、じごくづきは等倍の場合、1発で相手をもっていくほどの火力は出ないので、打ち合いになるケースも多く、テラスタルを切らされることが多かったです。
仮に対面勝負で勝って、後続にも1発入れて役割を終えたとしても、こちらはテラスタルなしで2体、相手はテラスタルありで1体と削れた1体という構図になり、これが果たして有利と言えるのかという疑問もあります。結局、役割対象を欲張って中途半端な性能になっていた気がします。これまで、対面性能を重視して竜の舞やスケイルショットで素早さを上げることに重きを置いていましたが、道具で素早さを上げるシンプルなトドロクツキでいい気がしてきました。素早さを上昇させる手段としては、ブーストエナジーとこだわりスカーフがありますが、居座りにくいトドロクツキとブーストエナジーの相性が悪いことは1体目のトドロクツキでわかっていたので、スカーフでサイクル運用をする方針に切り替えて構築を練り直しました。
3. 先発スカーフトドロクツキ
個人的にはこの最後のトドロクツキが最もしっくりきていて、勝率的にもこのトドロクツキを軸に組んだ最後のパーティが最も良かったため、備忘録的に本稿で紹介します。ただし、後述しますがこの構築にはまだ弱点があり、改善の余地があることをご承知おきください。
使用ポケモン
トドロクツキ
上記の経緯でスカーフになりました。基本的には先発で出し、不利対面ならテラスタルを切るorとんぼがえりで受けに交代、という動きをします。トドロクツキの悪いところは交代先が受け止めてくれるため、トドロクツキが強く出れる場面で戦うことができました。配分は最速Sブーストテツノドクガ抜きにしています。ハバタクカミはテラスタルを切ればどんな持ち物でも勝てます。交代した後は終盤にスイーパーになるか、特殊耐久はそれなりにあるので有利対面を作るために受け出ししてもいいです。
アーマーガア
トドロクツキの交代先となり、物理アタッカーを一手に引き受けます。トドロクツキとの相性補完に優れるので採用しました。アイアンヘッドはボディプレスが通らないハバタクカミへ交代読みやミミッキュに使います。テラスタルはいざという時のためにタイプ相性をがっつり変えるものにしておきたいのですが、パーティに地面の一貫を作りたくないというのもあって炎抜群を消す飛行としています。
テツノドクガ
カバルドンなど、一部のポケモンは初手トドロクツキだと厳しいため、それらのポケモンに対して初手で選出できる草テラステツノドクガを採用しました。それ以外のケースでもほのおのまいで全抜きを狙うエースとして使いたいため、ブーストエナジーS上昇調整にしています。
ハラバリー
トドロクツキの交代先その2、特殊アタッカーを一手に引き受けます。パラボラチャージが本当に偉くて、チョッキを持って耐久を上げながら、攻撃と回復の両立ができます。特性も噛み合ってて、こういう設計が美しいポケモンはかなり好きです。チョッキ込みの特殊耐久はかなりのもので使っていて自分でも驚くシーンが何度もありました。テラスタイプは地面を等倍にして、ドラゴン物理ごり押しを防ぐフェアリーです。
ハバタクカミ
タスキで行動保証を持たせて、主に終盤のスイーパーをさせます。サイコショックはテツノドクガ意識です。正直どの場面でもある程度の仕事はしてくれるので迷ったら出してます。
ハッサム
最後はこれまでの補完になるように考えています。物理アタッカーで先制技持ちであること、地面が抜群でないこと、トドロクツキと弱点が被らないこと等の条件を挙げて候補を絞った中で、先制技性能を重視してハッサムにしました。ごく普通のHA鉢巻型ですが、HB剣舞型の方がいい気もしています。このあたりは考察不足です。テラスタルは飛行になってますが、これはテラレイド個体を急いで育成したのでこうなっているだけで、本当は鋼とかの方がいいです。ただ、そうだったとしても、他のポケモンで切りたい場面が多いので、テラスタルはあまり使わない気がしています。
選出
トドロクツキ+アーマーガア+ハラバリーを基本とします。アーマーガアやハラバリーで受けられない相手がいる場合や相手の特殊対策が甘いと感じた場合はテツノドクガ、ハバタクカミと入れ替えて対面勝負を仕掛けます。対面的運用もサイクル戦もできるのが鋼テラススカーフトドロクツキの強みだと思います。トドロクツキが活かせそうにない場合は物理アタッカーとしてハッサムを選出します。
改善点
アーマーガアで受けきれない電気物理がかなりキツイです。具体的にいうと、テツノカイナや電気テラスセグレイブです。特にセグレイブはテラスタルを読み間違えると一気に負けに直結します。そもそも電気テラスセグレイブは受けループを使ってたら大抵キツそうですよね。受けられるポケモン、ミミズズくらいしかいないのでは?テラスタルが絡むと、構築で対応しきるのは難しく、ある程度読みの練度が求められるところではあると思いますが、もう少し構築でなんとかなったんじゃないかなとも思ってます。
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