歌に必要なのは? 考える子どもと、考えない子どもの差
私は歌のレッスンをしている訳ですが「どういう子が一番伸びますか?」という質問を親御さんから受ける事があります。
「疑問を持つ子です」と私は即答します。
「どうしたら?」や「どうやれば?」などを頭の中で考えてレッスンに取り組んでいるお子さんは、明らかに成長と吸収が早いです。
まず、考えない子は教えた事しかできません。
その歌で教えたテクニックは、教わったその曲でしか活かせないのです。
たとえば「感動する歌い方はブレスを多く入れて歌う」と教えても、次の曲になると、それが出来ていない。
「この歌のこの部分は、教えてもらったあのテクニックが使えるな」という発想が出てこないんです。
なので、また1から教えなくてはいけない。
結果、成長の速度も遅く、同じ事の繰り返しになってしまう。
レッスン中にメモを取ろうとする子は、そうなってしまう事が多いですね。
結局メモを取るって事は、そのレッスン時間内で教えてもらった事を吸収できないと、初めから諦めてしまっている訳です。
書いてある事を読んで歌がうまくなるなら、対面レッスンはいりません。
書籍を読んで歌がうまくなるなら、苦労は無いわけです。
歌は、基本が出来てしまえば、あとはアドリブやアレンジ勝負です。
どこのどのタイミングで息を抜くのか。
どれだけの長さ声を伸ばすのか。
そうしてそれは、歌が進行しながら実施する発想の瞬発力が必要なんです。
良いパン職人は、気温や湿度で材料の分量を決めていると言います。
同じように、お客様の雰囲気や会場の状態でそれがコントロールできれば、常に最高の歌を提供できるわけです。
マニュアル的な歌で多くの人を感動させるには、限界があります。
どうやったらそれ以上の世界に行けるのか。
私のレッスンはそういうレッスンです。
ちなみに、私はボイストレーナーではありません。
歌の演出指導をしているだけです。