「癒ドラ」
癒ドラ(造語)[→いやどら]
観ているだけで癒やされるドラマ
「疲れた時は-に限る」
気づいたら、何も考えないで済むテレビ番組ばかり観ている。難しいことを考えがちなドキュメンタリーは避けてしまう。NetflixやAmazonプライムビデオでは、少し難しいドラマや映画やドキュメンタリーばかり観ているので、テレビでは色々な番組を録画している中で、緩い番組を優先して観てしまう。最たる例がお笑い番組で、「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「有吉の壁」などは真っ先に観てしまう。ただ観て、笑ってれば良い。深読みしようと思えば、いくらでも出来るのだけれど、番組制作サイドも、まず笑ってくれれば良いと思っているはずだ。だから、安心して笑ってられる。
ドラマもかなりの数を録画しているが、その中でも優先して観てしまうドラマがある。まずは2時間ドラマより1時間ドラマより30分ドラマより15分ドラマより5分ドラマ(!猫村さんですね)という、時間の短さによる優先順位もあるし、リアルタイムに近い時間に観て、Twitterのハッシュタグと合わせてのライブ感を味わいたい『MIU404』『半沢直樹』などもあるのだけれど、それ以外の中で優先して観てしまうのも、緩いドラマだ。
その緩さを紐解いてみると、やはり何も考えなくても観られることだろうか。何かしながら、たまに目をやるだけで良い。見逃しても構わない。伏線なんて有って無いようなものだから、巻き戻すことも無い。積み重ねて感動するものでもない。一回くらい見逃しても話の流れは理解できる。
でも、ただ、つまらないドラマは観る気がしない。観なくても良いドラマは、そもそも録画しない。録画したくなるけれど、必死に観ようとはしない。そんな絶妙なバランスのドラマを癒やし系ドラマ「癒ドラ」と呼ぼう。「癒やし系」という言葉自体がかなり古く、使われ方としても、かなり中年男性的な思想による呼び名になりつつあるので、気が引けるが、他に言葉が浮かばなかった。「萌え系」というのも考えたが、何か違う。なぜ観るのかと言えば、癒やしを求めて観ている気がする。
今、放送中の2020年夏クールで言えば、以下が代表的な「癒ドラ」だ。
ドラマ25 女子グルメバーガー部|テレビ東京
若い女性が、実際のグルメバーガーで食事をするだけのドラマだ。一応、グルメバーガー店側の店員さんも役者さんが演じていて、客側と双方の人間ドラマと空想上の会話が行われるが、基本的に有って無いようなものだ。店側にも取材しているのかもしれないが、どうでも良いと思えるほどテンプレ的な人生模様が描かれるだけ。多くの役者さんは今までに観たことが無い方々で、演技も上手でも下手でも無い。ピークポイントは、やはりグルメバーガーにかぶりつくシーンだが、それ自体で感動するというものでもない。
でも、観てしまう。もちろん、単にグルメバーガー美味しそう!行ってみたい!というのもあるが、別にグルメバーガーを特集した番組を録画してチェックしている訳でも無い。ドラマという形だから録画してしまっている面もあるが、録画し続けているということは観たいのだ。
若い女優さんが出ているドラマを常にチェックしているという訳でも無い。むしろTBSやフジテレビを中心とした深夜帯における若い俳優さんを起用したドラマは忌避する傾向が高い。初回だけ録画しても、観ているのが嫌になって止めてしまうことが多い。
なのに、こうしたドラマはつい観続けてしまう。
「癒ドラ」はテレビ東京の深夜ドラマに多い。
最近で言えば「ゆるキャン△」がそうだ。
【木ドラ25】ゆるキャン△|テレビ東京
ドラマの作り自体は、それこそ、マンガ→アニメ原作なので、いわゆる"萌え系"的なもので、会話を聴いていると時々、ゾワッと鳥肌が立つこともある。というか、ドラマ的には、かなり酷い演出の連続だ。それでも全話、観てしまった。
共通点を探ってみると以下のようなことが挙げられる。
①脚本にも演出にも力を入れていない(ように見える)。
②何かしら特定の趣味(グルメバーガー、キャンプなど)との掛け算。
③主な登場人物が若い女性。
①については先述の通りで、製作者サイドは①以上に②③を重視しているように思う。
②について、更にテレビ東京の深夜ドラマの歴史を遡ってみると『孤独のグルメ』に行き着く。『孤独のグルメ』のヒット以降、テレビ東京では、銭湯(『昼のセント酒』)、ボロ宿(『日本ボロ宿紀行』)、キャンプ(『ひとりキャンプで食って寝る』)、サウナ(『サ道』)、絶メシ(『絶メシロード』)、廃墟(『廃墟の休日』)など、様々な趣味との掛け算を行ってきた。そもそも『孤独のグルメ』自体は、マンガ原作の実写化で、そもそも何かの掛け算をしようと思って企画したものでは無いだろう。それが、たまたまヒットして、シリーズ化につながり、他にも様々な趣味と掛け算するドラマを生み出してきた。
なるほど、確かに『孤独のグルメ』は「癒ドラ」の元祖と言えるかもしれない。しかし③については、どうだろうか。『孤独のグルメ』はご存知の通り、松重豊さん演じる井之頭五郎が、様々な飲食店に行き、1人、心の中でつぶやきながら食事するだけのドラマだ。そこに若い女性は介さない。しかし、そこには確かな癒やしがあった。優先順位的にも、かなり高かった。
そう考えると③については「癒ドラ」の必須事項では無いのかもしれない。あくまで①②が重要で、③については、様々なパターンのキャストが試されるべきなのかもしれない。
しかし、ここ数回のテレ東の深夜ドラマに、③以外のパターンのキャストによる「癒ドラ」は見当たらなかった。もしかすると、今までに実験してきた『孤独のグルメ』インスパイアの各作品が、思ったほど成果(視聴率など)を挙げなかったのかもしれない。
しかし、それでも「癒ドラ」については、僕のような固定層もある程度は居る気がする。なのでテレビ東京さんには、是非、様々なキャストのパターンを試して欲しい。望むらくは、他のテレビ局にもチャレンジして欲しい。それぞれの局の色が出てきたら、ドラマファンとしては嬉しい限りだ。
みたいな話を、この前のタネラジでも語った。
1062◆テレ東深夜の得意技「癒ドラ」って何?~『女子グルメバーガー部』『ふろがーる!』『ゆるキャン△』など~ #週刊ドラマ語り |岩嵜 修平|note
1週間くらい、日記が書けていなかった。
この日記については、7/18(土)くらいに書き始めていたが、何となく止まってしまっていた。
このツイートに書いてある通り、色々な事情があり、そろそろコロナ禍疲れが限界に来ていた(意識的ではない)のかもしれないが、なぜ7/18(土)に止まったかと言うと、特別に意識はしていなかった(好きな俳優という訳でもないつもりだった)が、彼が亡くなったというのが、今から考えると大きいような気がする。彼自身が亡くなったことよりは、当たり前のように様々な映画やドラマで目にしてきた、自分と近い年代で且つ自分より若く、様々な才能を持つ人が(恐らく自らの意思で)亡くなったという事実に衝撃を受け、ニュースを観た時には時間が止まったような感覚がした。別に泣いたりした訳でも、何も手につかなくなった訳でも無いが、書いている今でも、その事実を上手く消化できていない(ただの一観客でそうなのだから、ファンの方や身近な方は相当なはずだ……)。直接的にコロナに関係している訳でも、自らの意思で亡くなった訳でも無いが、僕自身と同じ年の大切な友人を、このコロナ禍で亡くしていることも大きいかもしれない。そういった、いくつものことが積み重なって、この一週間くらいはボンヤリとした感じが続いていた(他の人も関わる仕事やラジオ収録は、しっかりとON/OFFを切り替えることが出来るから有り難い)。この数日で、またしても別の衝撃的な死(殺人とも言えるかもしれない)についてのニュースが流れ、まだ、ボンヤリとした感じは続いているが、一回、書き始めてみたら、意外と言葉が次々に浮かんできたので、この調子で、止まった1週間分の日記を書き続けていきたい。
しっかりと自分の日常を取り戻していきたい。
そうそう、この日は、予約録音できるラジオが届いたんだった。早速、様々な番組を録音している。観るもの、聴くもの大量過ぎて困る。