見出し画像

夏休みの思い出 

私の小学生時代の夏休みといえば、母の実家である山形のおばあちゃん家に泊まりにいくのが恒例でした。初めておばあちゃん家に行ったときのことは良く覚えています。おばあちゃん家はど田舎にあり、藁葺き屋根の広い平家でした。藁葺き屋根の家なんて、当時でも私の住んでるところでは指定文化財になるくらいなもので、まさかおばあちゃん家が藁葺き屋根のお家なんて!っとビックリしました。さらに中に入ると、玄関の中に昔馬を飼っていた小さな馬房があり、黒く太い柱と、そして、部屋の中には囲炉裏がありました。姉と囲炉裏を見て、日本昔話みたい!!とはしゃいだのを覚えてます。
なんだか非日常の物語の世界に入ったみたいでした。
おばあちゃんは、農作業で既に腰は曲がっていて、いわゆる田舎のおばあちゃんでしたが、優しくていろいろ出してきてくれました。でも方言がきつくて、ほとんど言ってることがわからず、最初はお母さんに聞き直したりしてましたが、子ども心にもなんだか何度も聞き直すのは、悪い気がして、笑ってうんうんと頷くと、おばあちゃんも笑顔になるので、言葉は通じてなくてもなんとなく通じ合ってるような気がしてました。

おばあちゃん家で1番ビックリして楽しかったのは五右衛門風呂です!当時はガスでお湯を沸かす家が主流で今とはだいぶ違いますがバスタブしか知らなかったので、本当にビックリしました。
本当のドラム缶みたいな🛢の中に、すのこのようなものを踏んで沈めながら入るもので、気をつけないとやけどするって言われて、姉とおっかなびっくり入りました。
さすがに危険だったのか、数年後、お風呂だけはシャワー付きの(当時家はまだシャワーなしだったのですが)当時の最新式に変わり、嬉しいような複雑な気分になりました。お風呂は最新式になりましたが、トイレは最初ボットン便所から、洋式トイレにかわりましたが、大人になってもずっとなぜか、水ではなく泡が流れてくるタイプでした。私はおばあちゃん家意外で泡タイプのトイレに出会ったことはありません。なのでなんだか自慢で、話のネタにしたりしてました。

姉と近所を散歩してると、近所の子ども達に話しかけられたことがありましたが、「どこのもんだ?」と聞かれ「おばあちゃん家に遊びにきた」というと「ふーん、どうせ東京もんだろ」と言われて去っていきました。よそものなんだなぁとちょっとだけ寂しく思いました。

近所のおばさんやおばあちゃんに、おばあちゃん家を指して遊びにきたことをつげると、「かんべさんとこのお孫さんかい」って言われて、おばあちゃんの苗字は田中なのに、なんで?と思って聞いたら、ここら辺では先祖の呼び名?で今でも呼ぶらしく、先祖の官兵衛さんからきてると知りました。

おばあちゃんの住んでいた家は雪深いところにあったため敷地内に坂がありそこを登ったところに家が建っていました。
廊下には鍵のない大きな木枠の窓が続いていてぎしぎしと軋む窓をあけると、少し奥に山の緑が青空に映えてすごく気持ちのいい景色が広がっていました。
そこに座って足を外に出してぶらぶらさせながらぼんやりするのが好きでした。

家には蛇口が2つあり、水道水と別に山の水をひいたミネラルたっぷりの水がひかれていて、夏でも冷たい山の水に冷やしたスイカを並んで座ってたべるのが楽しみでした。姉とときにはいとこと種の飛ばし合いをしたものです。

大人になっても忘れない夏休みの思い出です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?