あたおか家族ここにあり
突然ですが、読んでくださっている方の中に自分の家のことについて知らないことはどのくらいありますか?
両親がどのように育ってきたか、どうして自分がこの世に誕生したのか、両親の兄弟などetc…
僕のあまり多くはない交友関係の経験から導き出された答えは、意外と知らない人の方が多いような気がします。
僕は、昔から疑問に思ったりしたことをすぐに聞いて「へ~」となる瞬間が好きで、両親にはよく色んなことを尋ねていました。
その中で唯一といっていいほど、現在も解けない謎があります。
知ったところでどうということはないのですが、本当にそうだったとしたら、なんか嫌だなぁという話をしていきたいと思います。
それは過去を遡ること、25年以上前のことだと思います。
当時、家族で住んでいたのは特に大きなわけでもない普通のマンションでした。
場所も全く都会ではなく、山川海全てがあるような田舎で長らく生活をしていました。
記憶が間違いでなければ、僕が幼稚園の頃にはなかったものが、小学生に上がって少ししたぐらいの時から、玄関にあるモノが飾られていました。
それを見た時に、あまり見慣れないモノだったので「これは何?」と父に聞いたことを覚えています。
父は普通のテンションでこう言いました。
「○○組(某日本のトップ)のバッチや。」
僕はまだ小さい時だったので、
「そんなのあるんだー、金ピカでカッコイイー!」
としか思わなかったのですが、大人になって思い返してみると、なんでそんなもんが家にあったんや…
と疑問に思うようになっていました。
それをふと思い出した僕は、改めて父に再び尋ねることにしました。
「あの時、うちに何故○○組のバッチがあったん?うちはヤクザなん?」
と聞いたのですが、父の答えは
「ウチはヤクザではないし、ワシはヤクザになったことはない。ヤクザみたいな生活をしてただけ。」
お、、おう…
そんな半グレみたいなことは知ってたけど、改めて大人になって言われるとちょっとビビる(笑)
今でこそ父は声を荒らげたりすることもなければ、家庭の中で手を挙げるところは見たこともないので、本当にそんなんだったのかな?
と思うことはあるのですが、昔は本当に凄かった。
凄いというのは語弊があるので、怖かったに変えます。
それこそ、車を運転していて後ろから煽られようなもんなら、一般道だろうが高速道路だろうが即座に車を停め、後ろの車の運転手に「降りてこい!」と言ってみたり、自分の会社で雇っている若い子達がケンカをしたりすると、殴って正座させて話をしていたりと、他にも言い出すとキリがないほどたくさんの話があります。
父は色んな人から慕われ、「オヤジ!」とか「アニキ!」と呼ばれていたこともあり、生まれた頃からそんな生活だったので違和感があることに気づかなかったのですが、普通の世界ではそうはならないということを後になって知りました。
しかし、どれだけ父を尋問しても「絶対に違う」としか言わないので、一応信じてはいます。
その後の話にはなるのですが
ある日の夜、母の怒号が聞こえてきました。
何事かと思い覗きに行ってみると、
「あんた!なんねこの臭いは!クスリやっとるやろ!子供もおるのにええ加減にし!」
と怒っている所でした。
父も父で、
「昔にやったことはあっても今は絶対にしとらん!絶対や!やっとるのはこいつや!」
と指さした先にいたのは、後に3度も覚せい剤で逮捕をされることになる、父の後輩でした。
僕はその時ふと疑問に思ったことがあり、この騒動が起きた数日後に両親に尋ねてみました。
「親父は昔にクスリしたことがあるんよね?それはわかったけど、なんで匂いでオカンもわかったん?」
2人は続けて言いました。
「そりゃ昔はめちゃくちゃしとったからよ。」
……
なんやこの家は(笑)
僕も僕で、別に怒る、責める、悲しいとかも何も思わないのもどうかしてると思うのですが、何故か納得をしてしまいました。
多分両親共に、昔は本当にめちゃくちゃな生活をしていたのに、今ではまともな親(ある程度)として普通に生活をしている。
人は間違いを起こしても更生することが出来るし、そのチャンスは必ずある。
それはとても難しいことで、生半可な気持ちでは変わることは出来ないとも思うのですが、こうやっていい見本としても悪い見本としても、両親は僕に正直に話をしてくれている。
と感じることが多くありました。
僕も現在、大失敗の最中にいるので今こそ変わる時だと思っています。
必ず変われるし、ここから這い上がっていきます。
以上、変わった家族の話でした。