住居費と可処分所得
マネー系のネット記事などを見ていつも驚くのが家賃や住宅ローンの高さだ。
人口カバー率からして首都圏を想定しているにしても、月十数万円とかの設定になっていることが多い。
収入の30%が適正と言われるようだが、年収600万円に対して月15万円の住居費ということになる。額面年収か手取り年収かによっても変わるとはいえ、高くね?
家賃は安かった
自分の場合はほどよく田舎、かつあまりこだわりを持たずに暮らしてきたせいもあってか比較的安い。
近場でも人気のエリアや築浅物件はもちろん高いが、独身の頃に住んでいた会社の寮は1Kで月2万円くらいだった。
結婚して住むようになった賃貸マンションは60平米くらいの2LDKで駐車場2台付けて6.5万円くらいだった。その頃は手取り年収で500万円くらいだったので家賃6.5万円というと15%くらいという計算になる。
仕事や生活に車が必須なので、家賃が安い分車の維持費がかかるという考え方もあるだろうが、じゃあ交通の便の良いところで車無しで生活するかというとそれも微妙な話だ。
住宅ローンも安い
今は持ち家に住んでいる。といっても中古の戸建だ。
土地と上物で2000万円くらいの物件を買って頭金をぶっ込み、月々の返済は賃貸マンションの家賃よりも安く、ボーナス払いも無い。それももう折り返し地点を過ぎた。長子が大学に行くまでに完済予定だ。
中古戸建という選択肢は自分にはかなり合った選択だったと思う。
4LDKで延床100平米くらい、駐車場も3台停められる。
90年代の築なので少し古臭いところはあるが、リフォーム済みなので大きく生活に困ることもない。
家へのこだわりと可処分所得の天秤
これだけ住居費を抑えられていると固定費削減効果は大きい。
こまごまとした家の補修、それなりに将来に備えた積立などを加味してもだいぶ余裕のある生活ができていると思う。
中古住宅にしばらく住んでみて感じるのが、いきなり新築で家を建てることの難しさだ。
金銭的な面をさておいても一発で理想の家を建てるのは我々素人にはそうそうできない。戸建ては戸建てで住んでみて分かる不満点が多い。
子供の将来に備えて部屋数を増やすのか、家具を増やしていくときにコンセントや窓の位置はどこが良いのか、リモートワークも始まった…といった具合だ。結婚式と同じでこだわりだすと予算は青天井になる。
そうして建てた家も住んだ途端に資産価値が目減りする。子供が小さいうちは汚れる、傷もつく。うちの子供たちが新築の家で今のような生活をすると想像するだけでも恐ろしい。
その点リフォーム済みの中古戸建というのは基本的に手を入れるところが少ない。網戸が破れれば補修し、引き戸の滑りが悪くなれば戸車を交換し、子供が付けたフローリングの傷や壁紙の破れにも寛容になれる。
そうして生活していると細かな改善点も見えてくる。
家具の配置、水回り、収納、もし今度新築で家を建てるなら…という妄想が蓄積されていく。果たして将来家を建てるかどうかは分からないが、いきなり注文住宅を建てるよりは理想に近い家になりそうな気がする。
そういう家関連の知識やスキルを身に着けつつ、住居費を抑えて可処分所得を増やすことで余裕ある生活を送るのは今の時代結構おすすめなんじゃないかなと思う。