「出会って4光年で合体」感想
2023年7月8日
「出会って4光年で合体」を読了した。
以下乱文感想。
綺麗な物語だった。
ヒロインであるくえん様の魅了さが成り立つ、というのは相当な画力と構成が織り成すものだなと。
因習渦巻く物語からSFとの絡み合い。後押しする背景力。感服した。
して本編。
読むのに非常に集中力と体力がいる。普段読書をしないのがR18同人漫画で祟るとは誰が想像出来ようか。
しかし長文を読む進めていくと、ご褒美のごとく現れる伏線回収。読んでいて声を出すギミックがそこかしこに偏在しているので、ストーリーの続きが気になって仕方が無かった。
また本書には少なくないキャラクターが登場するが、彼ら彼女らが出来事を通じて線で結ばれていくというのも心地よかった。オムニバスのように場面が急転換したかと思えば、本筋に追いついてくる流れには置いていかれそうにもなったが、追いついてしまえばこっちのもの。とめどない情報の渦も楽しく摂取出来た。
情緒的な部分も良かったが、間に子気味良く挟まるギャグも楽しかった。
腹切り切腹の娘に豪快な母。徐々に増えてる登録者に、おばあちゃんのあだ名と表記ゆれ等、上げればキリが無いが、これらもエッセンスとして必要不可欠な部分でもあった。
良かった点をあげればキリが無いが、選別するならば最初に拾ったシーンと列車のシーンだろうか。祝福された生まれで無かったところから、本当に遠くへ来たのだなあというコントラストが脳を揺らす。
これまでの出会いと別れと育んだものは、決して無駄では無かったというご褒美のようなものに、少し涙腺が緩んだ。
後、満を持した行為でのワンシーンにて液にも斜線を入れていたのだが、それが線路のように見えて、メタ的な部分をコントロールしている本著ならば意図しているのか?と戦々恐々としたり。流石に考えすぎか。
最後に。長曽我部真男。
ニヒルなやつかと思えば優しく友達をやってくれるし、ドSな片鱗を見せたかと思えば年相応のスケボーをやってみせたり。爺さんの謎解きを丁寧にかみ砕いて説明したと思えば、一つの借りに世界を巻き込んでみたり。
そして世界的な人物と化した彼に対し、あの焦った連絡はあまりに人間味があり過ぎる。
とても魅力的で素敵な人間だった。
そんな彼と友達だった橘はやとという人物は、くえん様とはまた違った魅力と魅了があるのだと思う。
魅了し、魅せられた人達の話。
愛は繋がっているのだと思う。
終わり
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