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がん治療記x受験奮闘記

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コロナ禍でのがん治療をしながら地方国立大学薬学部に現役合格した大学生の書くがん闘病記x受験奮闘記 がん治療の中で経験した症状や精神疾患についてや 共通テスト元年の大学受験について…
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#抗がん剤の副作用

【がん治療記x受験奮闘記】抗がん剤治療(1)

 8月31日、抗がん剤治療が始まった。僕は少しワクワクしていた。白金が体の中に入るのだ。どうなるのかとても気になるに決まっている。副作用なんて簡単に乗り越えられるだろうと軽んじていた。ただ、点滴の針を入れるのはどうも慣れない。MRIの造影剤や手術の麻酔で点滴を使ってきたが、皮下注射、採血に比べると痛みが強いのだ。また、血管に管が入っている感覚も気持ちが悪い。さらに、邪魔である。右利きの僕はもちろん

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【がん治療記x受験奮闘記】治療前

 治療を受ける前、僕の頭の中に治療に対する不安はなかった。それよりも病室での受験勉強に対する不安の方が大きかったからである。まず、病室は大部屋のため他の患者の音が聞こえる。また、慣れない環境でなおかつベッドの上で勉強しなければならなかった。さらに、6時起床21時就寝であるため、健康な受験生に比べ勉強に集中できる時間が少なくなると思われる。受験生であるならば、1日10時間以上が普通だろう。しかし、僕

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【がん治療記x受験奮闘記】治療の説明(1)

 手術から9日後、8月22日、脳神経外科の医師から腫瘍とその治療についての説明があった。手術により僕の脳腫瘍は胚細胞腫瘍のジャーミノーマピュアであることが分かった。この腫瘍は人が胎児になる前の段階である胚の時の細胞が原因となって発生すると言われているそうだ。また、10~30歳代の日本人男性に多い腫瘍らしい。この腫瘍は治療が良く効くため10年生存率は90%以上、20年生存率は80%以上とがんの中では

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