シンプルに今の日本共産党を考えてみた
近しい人が共産党系の大手労働組合に勤めており、その活動内容を耳にしていると、とてもシンプルに日本共産党という組織が理解できるようになった。
まず、はっきりと言えるのは、彼らに政権を担うつもりなど毛頭ないし、そもそも選挙に(大きく)勝つことすら望んでいない、ということ。
仮に自民党支配への批判が最高潮に達し、性懲りもなく再び連立政権への気運が高まったとする。日本共産党の動きとして想定できるのは、選挙協力において非常に前のめりな姿勢を示す一方で、いざ政権奪取を目前にすると、パートナーの些細な不一致に難癖をつけて参加を取りやめるシナリオだ。
前述の労組は共産党系と記したが、表向きには組合員、いや専従職員にすら政治信条を押し付けることはしていない。選挙における政党の選択についても一切言及はない。ただ、上層はがっちり日本共産党が押さえ、その細胞を各支部に散らしながらステルス的に党の方針から道を外さないような組織が構築されている。つまるところ、名を捨てて実を、選挙の票より、確実に金が共産党傘下の組織に流れる仕組み作りを肝要としている。
赤旗の部数が100万を切ろうと、政党助成金を受け取らないとしても、この労働組合みたいに政治信条とは無縁な人たちから集める豊富な資金力のある組織が陰ながら党を支え、青春時代の理想や理念など何処へやら、今や経済的拠り所にしがみつくほか術がない、高齢、高学歴の党員たちの生活を維持させているのである。
恐らく現在の体系は、党の存続という方向性においては盤石であり、政権を担ったことで急速に弱体化した社会党の二の舞いを演じるリスクを彼らは取るわけにはいかないのである。言葉を変えれば、彼らはハナから表舞台に立つつもりはなく、隠花植物としての存在価値を訴えることだけにすべての行動が収斂している。
政治活動という面においてはどの野党より真摯に取り組んでいることは疑いようはないものの、実現させるつもりのない理念や政策は欺瞞であり、政治に参加する資格自体を欠いているのだと言わざるをえない。