ババ抜きは始まっている・港区

港区のオフィスビルの建設ラッシュは続いているが、現行価格における賃貸は既に頭打ちとなっている。
麻布台ヒルズでは森ビルの精鋭営業マン数名でプロジェクトチームが作られ、麻布台だけの営業に専念させているという話を聞いた。
虎ノ門ヒルズ駅、溜池の新築ビルのテナントはほとんど埋まらず、新虎通り沿いの一棟は未だひとつも契約に至っていないそうだ。
賃料の値下げに着手すれば、当然その波紋は周辺エリアに及ぶので、なんとしても避けたい。そのため、フリーレント、内装工事費、移転費用のサポートなどの特典は拡大を続け、ある物件では終夜業務のある業界のテナントの意向を汲んで空調設備の変更までをも呑んだという話である。
大型物件の開業は次々と控えている。
ババ抜きはもはや始まっており、最後に誰がババを引くかを想像すると、ブランド力と伝家の宝刀(値下げ)を持っている港区は負けるはずなく、郊外、地方へとカードは引き継がれながら、やがて手に負えない規模で爆発するような気がしてならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?