わがまま言っていいとき #28 ココロとコトバ
大切にするのは、
○匿名性
○だれも傷つかないこと
○考えを押し付けないこと
○自分たちのなかにある、『患者さん』や『患者さんを支える人』のイメージに囚われないこと
……………
今回お話をしてくださったのは、子宮頚がんを経験された「わたし」さん。
当時、35歳だった「わたし」の『ココロとコトバ』をご紹介します。
Q.あなたが言われて救われた(嬉しかった)、または自分にかけてあげたい言葉はありますか?
誰か言った?
友人
実際の言葉
「今はわがまま言って良い時なんだよ。
気を遣わず 痛いなら痛い、辛いなら辛いって言うのが仕事!」
追加治療による抗がん剤投薬のために入院をしているとき、友人がお見舞いに来てくれました。
そのときかけてくれたコトバです。
追加治療をおこなうまでの日々はとにかくドタバタ。
放射線科で説明受けたり、再入院のためにいろんなところへ連絡したり。
自分自身の体力的、精神的なツラさあるものの、治療に備えた準備をしなければならないため無意識に自分を奮い立たせていました。
友人に声をかけてもらうまでは、「とにかく頑張らないと、弱音なんて吐いたらダメだ。」と自分自身を厳しいコトバを投げかけていたんです。
そんなわたしのココロを、救いあげてくれた。
「あ、言っていいんだ」って、
気持ちがラクになりましたね。
Q.あなたが言われて傷ついた、
言われたらショックだったと思う言葉はありますか?
誰が言った?
知り合い
実際の言葉
「もう治ったの?」
治療経験後、数年経ち、知人に会う機会がありました。
数年会ってない者同士が会えば、自然と「会ってなかった時期の話題」になりますよね。
もちろん、わたしたちも。
『実は、ガンだった』と伝えたら、返ってきた返事が「もう治ったの?」でした。
無神経にそんなこと言ってくる人がいるんだ?って驚きました。
がんに詳しくない人はわからないかもしれませんが、「がん完治」ってカンタンに言えるものではありません。
いくら治療で取り除いたとしても、身体のどこかに、微小ながんが残っている可能性はゼロじゃないです。
それが知らないうちに成長して、また病気になる(再発する)ケースだってあります。
興味関心がない人でも、「再発率」とか、「生存率」というコトバくらいは聞いたことがあるはずです。
一生つき合っていかなければならない病気だからこそ使われるコトバじゃないでしょうか?
だからこそ、知り合いからかけられたコトバに対して、「治ったか⁈私が知りたいくらいだよ!」って思いました。
Q.あなたが言ってしまって後悔した言葉はありますか?
誰に言った?
夫
実際の言葉
「(がんに)なってない人にわかるわけがない!」
手術後の病理検査によって、追加治療(抗がん剤治療)も受けなければならないことを伝えられました。
本当にショックでしたね。経験はなくとも、抗がん剤治療はめちゃくちゃキツいものだと知っていましたから。
実際の治療に突入してみると、やっぱり副作用がスゴくて…。
つらかったとき、このコトバを言ってしまいました。
抗がん剤を受けなくていい=身体のなかにあったがん細胞を手術でキレイに取り除けたという意味です。
つまり抗がん剤治療が必要とは、身体のどこかにがん細胞が飛んでしまっている可能性がゼロではないということですよね。
ものすごくショックでした。
しかも、わかっていたけど副作用がツラい。
わたしの場合、臭いに敏感になりました。
同室の人の歯磨きの匂い、食事の匂い、化粧品の匂いなどを異常に感じてしまいキツかったです。
加えて、頭頂部の脱毛、下痢、嘔吐などもありました。
そんなわたしのことを、夫は精一杯支えてくれます。
それなのにヒドいことを言ってしまった…。
ものすごく申し訳ない気持ちになって、後悔しました。
……
今回の「わたし」さんは、ココロを支えてくれた芸術についてもお話ししてくださいました。
ぜひ、ご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?