『放射線治療』は原爆被爆したのと同じ #18 ココロとコトバ
大切にするのは、
○匿名性
○だれも傷つかないこと
○考えを押し付けないこと
○自分たちのなかにある、『患者さん』や『患者さんを支える人』のイメージに囚われないこと
……………
今回お話をしてくださったのは、乳がんを経験された「わたし」さん。
当時、30歳だった「わたし」の『ココロとコトバ』をご紹介します。
Q.あなたが言われて救われた(嬉しかった)、または自分にかけてあげたい言葉はありますか?
誰が言った?
母
実際の言葉
「人間は死ぬまで生きられる」
乳がん告知を受けて間もない頃、「わたし、もうすぐ死ぬんだ。」という考えが強くよぎってきました。
「あと、どれくらい生きられるのかな…?」
家の台所でつぶやきます。
わたしのコトバを耳にした母から真顔で言われました。
単純ですが、「まあ、確かにね…。」と思いました。
そして同時に、この人(母)はすごい感性の持ち主だなあ…と。
少し天然というか、独特な視点で物事を捉える人です。
本人はいたって真面目で、自分は優等生タイプだと思っているようですが…。笑
わたしにはない視点から与えられたコトバは、まさに目からウロコ。
ちなみに、後で父に話をすると大爆笑していました。。
Q.言われたらショックだったと思う言葉はありますか?(その1)
誰が言った?
職場の同僚(年下)
実際の言葉
「仕事辞めるとか?」
乳がんになり、まだ日も浅い頃の話です。
体調が悪い日々が続いていました。しかし、高額な医療費のためにお金も必要。
治療を受けるためにも仕事を続けなければいけません。
そんなとき、このコトバを言われました。
自分の人格を否定されている。
そう思いました。
わたしにとって仕事は【人生の軸】となる、強く影響のあるもの。
加えて、医療費を払うためにお金が必要です。
仕事を続けたい。続けないといけない。
なのに、そこを取り上げられるようなコトバ。
わたしにとって「死ね」と同義でした。
Q.言われたらショックだったと思う言葉はありますか?(その2)
誰が言った?
病院の放射線科の若い男性の先生
実際の言葉
「『放射線治療』は原爆被爆したのと同じですから。(笑)」
2回の手術終了後、左胸の表面の皮膚を残したため、再発のリスクを下げるべく「放射線治療」を受けることになりました。
放射線治療は、がんの治療を受けている科(わたしの場合、乳腺科)ではなく「放射線科」にお世話になります。
治療を受ける前に、これから受ける治療内容について説明をしてもらうのですが、その際担当の若い男性の先生にすごい笑顔で言われました。
おそらく、その先生は患者さんへのわかりやすい説明を心がけたのだと思います。
しかし、わたしにとっては裏目にでました。
ただでさえ「乳がんの告知」を受けて、精神的ショックを受けていた。
そのうえ原爆被曝だなんて言われ…。
あまりのショックで1週間部屋に閉じこもったまま、外に出られませんでした。
後日、治療が始まり放射線科の待合室で待っていたときのことです。
たまたま、ご家族で治療説明を受けられていた方と一緒になりました。
説明を受け終えたばかりのご家族。
待合室の席に着くと、お父さんらしき人がぼそっと「『放射線治療』ってレントゲンの強いやつ当てるんだな。」と、言っていたんです。
心の中で「そう!それ‼(爆笑)」の大合唱!
目を丸くして、その説明にすごく納得してしまいました。
後日、父と話したとき、
「あの(放射線科の)先生、すごく患者想いの先生だと思うけれど、彼女いたら不用意に相手傷つけそうだね。(苦笑)」という話になりました…。笑
\ 声を大にして言いたい!/
「放射線治療」とは?
○「レントゲンを強くしたものを当てる」
✖ 「原爆を被爆したのと同じ」
これは、実際に治療を受けない人にも知っていてほしいです。
同じじゃん…。と思うかもしれませんが、
同じだからこそ「コトバ選び」で簡単に人を傷つけることができる。ということをわかっていて欲しいなぁと思います。
Q.あなたが言ってしまって後悔した言葉はありますか?
誰に言った?
母
実際の言葉
「あんたのせいで乳がんになったのよ!」
乳がんの告知を受けてから病気の自分を受け入れるまでの間の出来事。
家でも病室でも、母に当たり散らしていたんです。
このときは病室でキツく当たっていました。
気がついたときにはもうコトバを吐き出し終わってた。という感じです。
病気になったストレスで、どうしようもありませんでした。
自分で自分の感情をコントロールできず、当たり散らしていたのですが、病室にいた他の患者さんから止められます。
「あなたそんなこと言ったらいけない。」と諭され、その後、励ましてもらいました。
……
今回の「わたし」さんは、ココロを支えた芸術についてもお話ししてくださいました。
ぜひご覧ください。
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