【学級通信】商売道具を大切に
昨日の続きです。
私立時代に書いた通信ですので、後半部分は学校や学級によって異なるかと思います。
「商売道具を大事にしろ」
だから、新庄はこのグローブを常に大事にしてきた。
メジャーリーグから日本球界に復帰する時も、これだけは自分のバッグに入れて大切にアメリカから持って帰ってきたと言われている。
グローブは革でできているから、遠征先でも湿らさないようにとテレビの上に置いたりした。
感覚が変わるからと他の選手に使わせることも絶対にしなかった。
では、小学生にとっての『商売道具』とは。
えんぴつ、消しゴム、教科書、ノート、したじき、ランドセル、なわとび、体操服、はさみ、のり、絵の具、鍵盤ハーモニカ、つくえ、いす、・・・。
挙げればキリがない。
そんな商売道具をみんなはどう使っているだろうか。
えんぴつや消しゴムを最後まで使い切っているだろうか。
家に帰った時、ランドセルをそっと床に置いているだろうか。
絵の具がついた筆やパレットは使い終わった後にきれいに洗っているだろうか。
つくえやいすを運ぶとき丁寧に運んでいるだろうか。
壊れたり、無くしたりしたら、お金を出せば新しいものが手に入る。
けれどもそれで本当にいいのだろうか。
新庄選手は別にお金がなくて、同じグローブを使っていたわけではない。
「道具を大切にする」
という思いだけで、17年間1つのグローブを使い続けた。
派手なもの好きで、目立ちたがり屋と言われている新庄が、ボロボロのグローブを修理しながら使い続けた。
そんな姿は、尊敬に値するし、お手本になる姿だと思っている。
あと一ヶ月ほどで、君たちは3年生になる。
教科書やノートは新しいものになるだろう。
えんぴつや消しゴムは使えば無くなっていくものだ。
体操服や制服、靴は体の成長とともに変えていかなければならない。
鍵盤ハーモニカも使わなくなっていくし、つくえやいすも違うものになる。
7500円のグローブのように、使い続けることができるものは多くない。
けれども、3年生から6年生までの4年間、使い続けることができるものがある。
それは、ランドセルと筆箱だ。
これは、6年間使い続けることができるものだと思っている。
ランドセルは、高価なものでもあるし、ある程度丈夫に作られている。
壊れることも少ないし(おさがりで頂いたものは6年生くらいになるとよく壊れるが)、どんどん買い替えるようなものでもない。
多くの小学生が、6年間同じランドセルを使うのではないだろうか。
では、筆箱はどうか。
筆箱は、学年が上がるごとに買い替える子が増える。
小学校に入学する時に買ってもらったキャラクターは学年が上がると恥ずかしく感じる子もいる。
よくわかる。
流行のキャラクターのものが欲しくなることもあるだろう。
よくわかる。
高学年になると、スタイリッシュな(シンプルな?表現が分からないが)ものがカッコイイと思うこともあるだろう。
よくわかる。
長年使っていたら、壊れることもあるだろう。
だから、絶対に買い替えるなとは言えない。
けれども、大切に使い続けて欲しいという思いもある。
〇〇小学校の6年生に卒業前に「入学した時から6年間、同じ筆箱を使い続けた人がいるか」尋ねると、毎年数人の子が使い続けたと答える。
年によって違いはあるが、3~5人くらいはいる印象だ。
新庄選手のグローブのように、筆箱を大切に使って卒業の日を迎えることができる人が一人でも多くいると嬉しい。
そして、その他の「商売道具」も大切にしていこう。
それがきっと一流への近道だから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!