みんな大好き舞台専門用語。
舞台演劇って、本来意識高いと思うんですよ。
上流階級(最近はいい意味で聞いたことが無いな…)の嗜みとしての存在であり、芸術的価値も高い。世界の文化創造の一端を担う上に諸外国では様々な教育現場でも取り入れています。
本来なら意識高い系の言葉がとびかいそうじゃないですか?
いいえ、少なくとも舞台は逆です。
制作という営業の立場ですが、ミーティングの現場で『ジャストアイディア』とか『FYI』とか『ブルーオーシャン戦略』とか聞いたことも無いです。
私の意識が低かったらすみません。個人的には大好きです。意識高い系のビジネス用語。
基本的にわかりやすい言葉しか使いません。わからないんで。自分芸術好きっすからビジネスなんてクソくらえなんで!!(制作的に禁句)
ただ、独自に現場特化した世界ゆえの専門用語は数多く存在します。
これから板上に立つ(主に舞台に役者として出演するという意味)皆さんのために、私の極々個人的な選別で超面白い余分な注釈を添えてお伝えします。ネタ的に書きますが意味は全部ガチです。冷笑しながら読んでください。
イイ感じに勘違いしやすいものとかキナクセー用語がいっぱいあります。
笑う(ワラウ)
↓
舞台の上から物を片付ける事。「その机、板から笑っといて~」
元は道具のクギ等が緩んでいる事を「笑ってんな…」と表現していたところからの名残という説が濃厚。
笑顔になれ!というマクdナルD的な指示(商品)ではない。
はける(ハケル)
↓
その場から居なくなる事。人に対して使う。物の場合は『笑う』が多い。
出番が終わりシーンから退場するときや、どいてほしい時に使う。
「役者さんは一旦全員ハケてくださーい」
上手・下手(カミテ・シモテ)
↓
カミテは客席から見て右側、シモテは客席から見て左側。
単純に右に動いて!左に動いて!だと、指示している演出側からの左右なのか、対面している役者の左右なのかわからないので、使用する。カミ・シモと略すこともある。
「カミからシモに颯爽と走り抜けて!」
※上手をジョウズ・下手をヘタと読むのは舞台用語としては誤り。
「上手に上手へハケてね!」とか、文面にするとゲシュタルト崩壊する。
ミザンス
↓
役者の立ち位置の事。
「もっとミザンスを番号しっかり見て合わせて!」
※番号…ステージのツラにセンターから両袖に向かって番号がふってある。
袖 | 4 3 2 1 0 1 2 3 4 | 袖 という感じ
※ザンスと入っているが『おそ松さん』とは何の関係もない。『おそ松くん』も同様。決して例のポーズをとってはいけない。タブーである。
マチネ・ソワレ
↓
マチネは昼公演、ソワレは夜公演を指す。
フランス語でそれぞれ「朝(午前)」「夕方」の意味。両公演あわせてマチソワと表現することもある。
「マチソワの間に二郎行こうぜ!」
※オリンピックの香りがするが気のせい。
トランポ
↓
トランスポートの略。劇場に道具を運ぶ際に、音響機材・照明機材・衣装・大道具・小道具・制作物・その他などを運び込む際、どの順番で誰のところの荷物を車で取りに回るかを指すことが多い。
「トランポ、最初はマー君ちに行きます。」
※歴戦の勇者は『シャリン』『アシ』なども同様の意味で使う事がある。『アシ』は経費・食費の事を指すこともあるので注意。
嫌う
↓
避ける事。照明スタッフが使う事が多い。
「その幕、嫌って!(その幕に照明の光をあてないで!)」
だから精神的ショックを受けなくてもいい。大丈夫。みんなあなたの事がスキだよ。
ロミオメール
↓
舞台用語ではないので割愛。ネットスラング。
ツラ
↓
端の事。舞台の前方、舞台面(ブタイツラ)を指す時によく使う。
「ツラから落ちないように一歩下がってー」
※「ちょっとツラかせよ…」の場合は、ある程度覚悟を決めたほうが吉。
ホリ
↓
ホリゾント幕の事。舞台奥の白い幕。照明をあてて効果を出す。ホリ幕。
「ホリのアッパー(上部)の色、もっと白くして。もっと空にしたい!」
※ホリっつったらネプチューンのホリケンに決まってんだろ!ものまね芸人のほうじゃねえよ!…あれ、お前そっち派?
おす(オス)
↓
スケジュールが予定より遅れること。
「おしてるので、マキでいくよ!(急ぐよ!)」
カイジの鉄骨渡りの必殺技とは別物。あちらは命にかかわるので注意。
壊れ物(コワレモノ)
↓
壊れやすい小道具等。あえて壊すものも含む。ガラスでできたコップ、プロレスのビール瓶等があげられる。
「壊れ物ちゃんと仕込んどけよ(準備しとけよ)」
飼い殺し(カイゴロシ)
↓
基本的には『動きたくても動けない』様子を指す。
状況が様々で、例えばスタッフがセット転換のためにスタンバイするが、動くとお客様から見えてしまうのでその場を動けない場合に「飼い殺しになるからきをつけて」と使う。役者がなんらかのトラブルで舞台上のセット裏に取り残され「飼い殺し」になるケースもある。割とよくある。
ばらす(バラス)
↓
2パターンあります。
1、スケジュールをキャンセルする事。聞くと死にたくなる。
2、機材や装置を片付ける事。
「早くバラして飲みに行こうぜ!」
ナグリ
↓
かなづち。舞台用のものは持ち手が長かったりする。
ちなみに私は駆け出しのころ、舞台で準備中にマゴマゴしてたら、サボってると勘違いした大道具さんからナグリを投げつけられた。「(切れ気味に)当たらなくてよかったなー!」と言われた。まさにロケットパンチ。
死ぬ(シヌ)
↓
機能していない事。「カミテのスピーカー、死んでない?(音が出ていないのではないか?)」
コロス
↓
2パあります。
1、動きを封じる事。「そこのインゴ(一寸五部の長さのクギ)コロシといてー」
2、主に脇役の事。感情のない生きた風景。「そこのコロス達油断しないように!」
※音響・照明機材が床に置いてある事を「コロガス(転がす)」というが、混同しないよう注意が必要。「コロガシあるからツラに出過ぎないようにねー」
もちろんスタッフがブチきれてアレな時にも使う。この場面を見るたびに私はいつもジョジョ第五部を思い出します。
プロシュート兄貴ィィィィィィ!!
こんなところです。もう思いつきません。わかりやすいものからお伝えしていったつもりですが、いかがでしょうか。
途中から893さんの大切なお仕事のようになってますが、全部本当です。
信じられないならググれ。
舞台だけでなく、世の中には信じられないくらいに整った宇宙の法則が多々利用されていて、尺貫法なども元のイメージは超銀河のベルヌ惑星kkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkあれキーボードが勝kkkkkkkkkkkkkkkkk