ホールドオーバーズ The Holdovers (2023 USA) Alexander Payne
昨晩はこちらでした。
ホールドオーバーズ The Holdovers (2023 USA) Alexander Payne
@ 神楽座 (KADOKAWA試写室), 飯田橋
とてもビターな、映画の終わりのその先を考えると、痛たまれなさしかないストーリー。
主人公の3人、ハナム/アンガス/メアリーがこの先、けっして順風満帆なはずはなく、心温まるいい話などとは言っていられない。
ホールドオーバーズがホールドオーバードーズになってしまわないことを祈るばかりだ。
いや、笑い事じゃなく、マジで。
うまいこと言おうとしてしまった。申し訳ない。
まあ、3人ともイラッとさせることにかけては、なかなかのツワモノだ。
一言多いし、やさしさもない。
ハナムは融通がきかないし、アンガスは斜に構えている。
慈愛に満ちたミスクラインのクリスマスパーティをきっかけに、彼らの人生は少し交差するが、たとえば数年後、何かの機会に3人が再会したとして、立場がどうあれ、旧交を温めるなんてなさそうだ。
せいぜい嘘の上塗りをしてその場を強がるだけだろう。
社交的になれないとはそういうことだ。
〈その先〉を想像し、今の後ろめたさに自ら恥入る。
今が嘘・偽り・見栄。しかも意識的にかなり無理をしている。
自己分析をしてるみたいで書くのが辛くなってきた。
友情のリトマス試験紙みたいな映画だ。
この映画をどう感じるのか。
ともだちはどういう感想を持つのか。
ともだちといっしょに観るかどうか、よく考えたほうがいい。
〈私は〉という条件付きでだが、この映画で心温まる方々との親交はご遠慮させていただく。ご遠慮していると、孤立するけどね。
あいたたた。心臓がギュって縮むわ。