![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/172691076/rectangle_large_type_2_6a080797e05b19d4721c50bfbce55084.jpeg?width=1200)
3DCTによる寛骨臼骨折の保存療法の予後予測 (Trouwborst NM, Bone Joint J. 2025)
寛骨臼骨折は以前は若年者の高エネルギー外傷でしたが、最近は高齢者の店頭のような低エネルギー外傷でも見かけるようになり、やや頻度が高くなっている印象を受けます
若年者の寛骨臼骨折は、よし手術しよう!という強い気持ちがわいてきますが、高齢者の場合には手術難易度および予後などを考えて保存治療で行けるのであれば。。。と考えてしまいます。
いままでの寛骨臼骨折は Judet and Letaunel 分類にて行われていましたがいかんせん40年前の評価方法ですので新しい分類方法が求められていました。
本研究はその部分にアプローチする研究です
概要
寛骨臼骨折に対する保存治療において、骨折転位の3D測定を適用し、長期的な人工股関節全置換術(THA)への移行可能性を評価することを目的としました。
2000年1月から2020年12月の間に4つのレベル1外傷センターで寛骨臼骨折に対して保存治療を受けた144人の患者を対象とした多施設横断研究を実施しました。各患者のCTベースの3Dモデルで骨折転位を測定し、3D gap areaは全骨折片間の骨折転位(mm²)を表しています。THAへの移行を予測する最適な感度と特異度を示す3D gap areaの閾値を決定するためにROC曲線を作成しました。Kaplan-Meier曲線を用いて自前の股関節の生存率を報告し、Cox回帰分析を用いてTHAへの移行予測因子を決定しました。
144人の患者のうち18人(12%)がTHAを受けました。研究コホート全体の3D gap areaの中央値は692mm²(IQR 216-1,400)でした。3D gap areaの閾値が1,171mm²以下または1,171mm²超の患者の自前の股関節生存率は、1年(98% vs 85%)、2年(96% vs 77%)、5年フォローアップ(92% vs 73%)で差がありました。3D gap area 1,171mm²超(HR 4.3; 95% CI 1.7-11.0)とgrade 2以上の変形性関節症の存在(HR 3.1; 95% CI 1.2-7.8)が、フォローアップ期間中のTHAへの移行可能性を独立して予測しました。
保存治療された寛骨臼骨折において、骨折転位の評価に3D gap area測定を導入することは、THAへの移行リスクを評価する有望なアプローチを提供します。半自動または自動セグメンテーションと測定技術の導入、あるいは市販のソフトウェアへの実装により、この3D gap area測定は従来の2D gap・step-off測定に代わる方法となり、臨床判断における精度、再現性、適用可能性を向上させることができます。
論文の詳細と管理人のコメント
どうやって測定するの?
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?