[ポケモンSM]乱数調整を駆使して春祭り色ヌメラを孵化する
ポケモンSMでは「ピカピカ春祭り」というイベントでプレシャスボール入りのポケモンのタマゴが限定配布された事があり、その中にはヌメラのタマゴも存在します。
この個体は色違いを孵化することも可能となっています。
1年ほど前に買った中古ロムで新たにこのヌメラのタマゴを見つけたので、今回は乱数調整を駆使して色違いヌメラを孵してみようと思います。
●目的
まず、今回春祭りヌメラのタマゴを見つけたのは中古のロムなので、このまま孵化しても親名は望んだ名前ではありません。
これを解消するためには他のロムで任意のTNでデータを作り、そこへタマゴを移して孵化する必要があります。
なので乱数調整を駆使して色違いを孵化できるデータを作り、TNを自分にして色違いのヌメラを孵化することが目的です。
●色違いを孵化する仕組みと乱数調整
7世代では、色違いのポケモンは遭遇、孵化した時に決定され、これはトレーナーとポケモンが持つ内部データが一致するときに色違いとなります。
もう少し詳しく書くと、トレーナー側が持つTSV(TrainerShinyValue)という値と、ポケモン各個体が持つPSV(PokemonShinyValue)が一致する時に色違いになります。この値はそれぞれ0〜4095の4096通りあり、ポケモン7世代の「色違いのポケモンが出現する確率は約1/4000」という通説の所以はここにあります。
今回はこの値を一致させるため、PSVの特定とTSV調整が必要になるわけです。
◯[余談]ヌメラファーストな乱数調整
これは余談ですが、自分はこの乱数調整をポケモンファースト、強いてはヌメラファーストな乱数調整だと思っています。
よくある色違い厳選や乱数調整は「トレーナーが持つTSVと一致するPSVを持つポケモンが出るまで繰り返し遭遇する」というトレーナー側がポケモンを選ぶ方法です。
しかし今回は既にヌメラ(タマゴ)側のPSVが決定しているので、「ヌメラのPSVと一致するTSVを持つトレーナーを選ぶ」という、なんともヌメラくんファーストな乱数調整になります。
まあ何が言いたいかというと、基本的な「乱数調整で色違いを出す」という方法と真逆の事をしているので、少し特殊な考え方であることをご承知おきください、という事です。
●概要
今回やりたい事を簡単に書くと次の通り。
1.春まつりヌメラのタマゴを持つロム(以降、「タマゴロム」と表記)でタマゴを受取り、レポートを書く。
※タマゴから孵る個体値や性格等にこだわりが有るならここも配達員乱数が必要です。今回はどんなヌメラでも愛しいため、特に個体にはこだわりはありません。
2.KeySAVe(ツール)を使ってヌメラのPSVを特定する
3.孵化用に乱数調整するロム(以降、「孵化ロム」と表記)のTSVを、特定したPSVと同じ値に調整する。
4.ヌメラのタマゴをタマゴロムから孵化ロムへ移動して孵化し、色違いとなることを確認する。
●準備(使用ツール等)
今回使った機材やツールです。
・2DSLL(3DSシリーズなら何でも可)2台
※SDカードにバトルビデオが保存できるもの。
・SMロム3個(タマゴロム含め、最低限2つあれば良い)
・PC(Windows10)
・KeySAVe(PC上で動かすツール)
・3DS RNG Tool(PC上で動かすツール)
・シンプルタイマー (WEB上のタイマーツール)
・ポケモンバンク(無くても可)
●挑戦前に考慮したい事
ここから先はいよいよ本題のPSV特定とTSV調整をしていきますが、挑戦する前に次の内容をご確認ください。
◯バージョンにより選択できる孵化場所が異なる
7世代のポケモンはSM、USUMの4種類のバージョンがあります。
バージョンにより選べる孵化場所が異なるので、孵った地名にこだわる場合は事前に確認してください。
参考までに出会った場所として登録される地名のwikiがあったので貼らせていただきます。
◯言語
タマゴから生まれたポケモンの名前は、ゲーム開始時の言語設定に依存します。外国語のヌメラを孵化したい場合は、後述するTSV調整の際に言語設定で好きな言語を選んでください。
また、出身言語(ステータス画面に出る「ENG」等のマーク)は最初にタマゴを受け取ったロムの言語に依存します。
①PSV特定
ここからツールを使った実践内容です。
初めに今回色違いにしたいヌメラのPSVを特定します。
この作業に使うツールが前述のKeySAVeというツールです。
使い方は上記の記事で丁寧に解説されています。今回はこちらを参考にさせて頂きました。
参考記事を読んだ前提で軽く流れを説明すると
正しく特定できると上のような画面になります。
今回は「0740」というPSVでした。
これでタマゴを孵していない状態で中のポケモンのPSVを特定出来ました。
以下にPSV特定までで自分の失敗した要素などを紹介します。
○PSVが求まらない
1回目に特定した際、タマゴロム側で他人産のヒノヤコマとヌメラを使ってBVを撮りました。結果、何故かヒノヤコマの内部データしか取得できず、2回目に同ロム産のモクローで撮ったところうまく特定できました。
根本原因かは分かりませんが、BV撮影はできるだけシンプルな条件で撮った方が良いかもしれません。
○間違ったBVを読み込んで作ったキーファイルの削除
上記の通り一回目でPSV特定に失敗したので、改めてBVを作って特定し直したのですが、既にキーファイルが作成されているというメッセージが出てきてしまいます。
これを解消するために、Cドライブ上に作られるキーファイルとキャッシュファイルを削除しました。
--キーファイル
\user\AppData\Roaming\KeySAVe\keys
--キャッシュファイル
user\AppData\Roaming\KeySAVe\GPUCache
自分の環境ではCドライブのここのファイルを削除して再度キー作成できました。
不安であればバックアップを取って削除してください。
②任意のTSVへ調整する
①でPSVの特定ができたら、次に一致するTSVを持つデータを作ります。この作業で使うツールが3DS RNG Toolとシンプルタイマーになります。
今回は以下のサイトを参考にさせて頂きました。
こちらも参考記事をしっかりと読んだ前提で、軽く流れを説明すると次の通り。
以下、失敗や躓いた点など。
○「TSV調整」の記事が見つからない
そもそも参考サイトの探し方が悪かったのでここで少し躓きました。
「TSV調整」について検索すると大体「TSV特定」に流れ着いてしまい欲しい情報が得られなかったので、これから情報を収集したい方は「ID調整」について検索するとよいかもしれません。
ID調整に使用しているツールも殆どの場合「3DSRNGTool」であるため、ツールの使い方や消費による調整方法も根本的に同じであり、前述したID調整の記事で問題なく理解できました。
YouTubeで動画も探しましたが、こちらは適当なものが見つかりませんでした。
○再起動による設定初期化
単純なミスですが、ツールを再起動した際に設定初期化されていることを失念していました…。
特にバージョンは3DS RNG Tool(Gen7 Main RNG Toolの起動元画面)側で設定が必要なので気を付けましょう。
○針がうまく読めずに初期シードが特定できない
今回自分は録画機材なしで作業していたこともあり、針がうまく読めずに初期シードの特定にかなり苦労しました。
最終的に自分が特定を安定させられた時に行った事は「終わりの位置を見ること」と、「微妙な位置で観測した際に+1の針で見るか、-1で見るかを固定する」ことです。
「終わりの位置を見ること」に関しては針の見逃しを減らせることや、ボタン押下直前までシンプルタイマーを見る余裕が生まれるので470Fでの押下を安定させることができるメリットがあります。
「微妙な位置で観測した際に+1の針で見るか、-1で見るかを固定する」については針の位置が1か2などのどちらの位置として入力するか迷った際に、どっちに傾けた結果とするかを決めることです。意識的なことですが、当然これがブレると結果も安定しません。
○現在位置検索の結果が出ない
初期シードを特定後に現在位置の特定をする場合、Gen7 Main RNG Tool側で初期シードを特定した際に使用した針とリストのずれを補正してリスト化されているのですが、
この値が現在位置特定の場合反映されません。
これを解消するためには補正を手で修正して現在位置検索する必要があります。上の画像だと針の補正が2で入力した針リストが4,3,7なので、補正分を差し引いた2,1,5を入力し再検索します。
すると上画像の様に正しく結果表示されました。
補正する際は0~16の値であることに注意してください。(例えば0から補正分の2を引くとすると15という事になります。)
③タマゴ移動、孵化
最後に②で作ったデータに①でPSV特定したタマゴを移動し、実際に孵化してみます。
色違いが孵化すればPSV特定、TSV調整の両方が成功しているということになります。
ここでレポートを書いても構いませんが、後述の通り孵化場所等にこだわりたい場合は一度リセットして孵化前に戻します。
また当然ですが、もし失敗していれば絶対にレポートせずにリセットし、タマゴの状態でタマゴロムに避難させて新たにPSV特定とTSV調整に挑戦してください。
★[おまけ]孵化する個体に色々こだわる
色ヌメラについて色々こだわってみました。
◯孵化場所
前述の通りバージョンで選べる地名が変わります。
昔、同じイベントの色ヌメラを孵化した時はシェードジャングルで孵化していました。これは7世代ヌメラの出現するマップの一つであったため選んだのですが、今回は文字的な可愛さを重視して「きのみ畑」を選んでみました。
(o・~・o)✨🍑🍅🍎🍌
〇交換日時、孵化日時
人からもらったポケモンのタマゴは交換した日付と孵化した日付が別々で登録されます。今回は交換した日付を自分が初めてTSV調整に成功した日、孵化した日をイベントのコンセプトであろうイースターの「3/31」にしてみました。
(今年のイースターが偶々3/31なだけで、毎年日付が違うようです。)
◯ニックネーム
この春祭りヌメラの大きな特徴として、プレシャスボール入りのポケモンにもかかわらず孵化親が自分になるという点があります。
つまり、自分の好きなNNを付けることができるわけです。
せっかくなのでこの子にも何かニックネームを付けたいと考え…。
春まつりと、ヌメラ⇒雨 から「はるさめ(春雨)」と命名しました。
また、前回過去世代のNNに関する調査をした際に、
7世代でつけられる限定文字に「☂」マークがあったので、組み合わせて「はるさめ☂」というNNにしました。
●さいごに
大昔、固定リセットの厳選でなんとかこの色違いヌメラを孵化したこともありました。
当時はTNを「がみ」でプレイしていなかったので、今回親名を変えて挑戦できて満足してます。
記事内では乱数調整について色々と書きましたが、詳しいことは全て先駆者様方の記事に丸投げしてるので、必ずリンク先の記事も読んで挑戦してください。
読めばわかりますが、ありがたいことに懇切丁寧に説明されています。自分も沢山勉強させて頂きました。
当時自分が7世代乱数について色々調べている中で「とにかく色んな情報が欲しい!」となって参考文献を漁りまくっていた事から、躓いた部分についてだけは丁寧に書いてみました。
かなりニッチな内容ですが、いつか同じ様なことをする方の助けになれれば幸いです。
終わり(o・~・o)✨。