【読むだけでポーカーが上手になる!シリーズ基礎編⑥】ブラフの期待値を理解して効率のいいブラフを心がけよう!
こんにちは、ひっきーです。
今回は今まで見てきた期待値とブラフの内容を応用させてブラフの期待値という観点で考えていきます。以下の例を見てみましょう。
ブラインドは$5/$10、自分はプリフロップBTNから86sで$30にレイズしていて、SBがコール。フロップは$40ベットをし、コールされ、ターンも$75を打ちコールされたという状況です。
リバーでのポット額は300$になっています。相手のハンドとして考えられるものとしてはAヒット、Kヒット、K以下のポケットペア、稀に5のトリップスと77のセットとQT等のドロー滑りがあります。ここではブラフをするしかポットを獲る方法はなさそうです。では実際にブラフがどのくらい利益的なのか期待値の観点から見ていくことにしましょう。
リバーでチェックした場合の期待値は±$0(それまでにベットしたチップのことは考えない!)なのでこれが少しでもプラスになればブラフは肯定されます。ここで重要となるのは相手がどのくらいの確率でコールしてくるかを予測することです。相手のコール率はこちらのベットサイズによっても変わるので、それぞれのベットサイズで相手がどれくらいの確率でコールしてきて、そのときの期待値はいくらになのかを比較する必要があります。
この中でベストなものが選択すべきベットサイズです。ベストなものの期待値がマイナスになったときはチェックした方がいいということです。相手のコール率は予測でしかないので感覚的なものになりますが、上級者の感覚は膨大な経験値によって作られているので適切なベットサイズから大幅に外れるということはありません。実際にどのように期待値を評価するのか見ていきましょう。
・ポットの3分の1の$100をベットした場合
これでAを降ろせることはまずなく、Kを降ろせることもあまりないと思います。Kは安いサイズがバリューベットっぽいということで降りる場合もありますが、基本的に大きなプレッシャーを相手に与えることはできず頻繁にコールされてしまうでしょう。5のトリップスと77は確実に降ろせず、その他ポケットペアはまあまあ降ろせそうです。このようなことからコール率は80%と予想します。コールされたら$100を失い、降ろせたら$300を得るのでベットの期待値は
(100$ベットの期待値) = -$100×0.8 + $300×0.2
= -$20
・ハーフポットの$150をベットした場合
Aを降ろせる場合が出てきます。Kとポケットペアを降ろせる確率も上がるのでコール率は50%くらいになると思います。コールされたら$150を失い、降ろせたら$300を得るのでベットの期待値は
(150$ベットの期待値) = -$150×0.5 + $300×0.5
= $75
・ポットサイズの$300をベットした場合
Aは半分以上降ろせ、それ以下のハンドはかなりの割合で降ろせそうです。コール率は20%くらいになりそうです。コールされたら$300を失い、降ろせたら$300を得るのでベットの期待値は
(300$ベットの期待値) = -$300×0.2 + $300×0.8
= $180
・ダブルポットの$600をベットした場合
このサイズを打てばAも大体降ろすことができます。ただし、相手から見た時にこの状況はAでコールするのもKでコールするのも変わりません。このベットサイズはこちらのハンドはめちゃくちゃ強いかブラフかのどちらかだいうことを意味しています。
つまり、コールされるときは相手のハンドの強さに関係なくコールされます。またトリップス以上を降ろせることはまずありません。したがって、大きく打ったからと言ってコール率が劇的に低くなるということはなくポットサイズのときよりも若干低い15%程度でしょう。コールされたら$600を失い、降ろせたら$300を得るのでベットの期待値は
(600$ベットの期待値) = -$600×0.15 + $300×0.85
= ±$165
ここまでの結果をまとめると
ベットサイズ 相手のコール率 ベットの期待値
$100 75% -$200
$150 50% $75
$300 20% $180
$600 15% $165
となります。$100から徐々にベットの期待値が上がり$300の時にピークを迎えています。ここからベットサイズとして適切な額はポットサイズの$300付近にあることがわかります。$300から$600の間であればあまり効果は変わりませんが大きく打ちすぎても相手のコール率が大幅に下がることはないので$600以上は必要ないでしょう。$100に至ってはブラフとして機能しておらず、このサイズを打つならチェックした方がましという結果になっています。
なぜ$300付近が最も利益的なベットサイズになるかというと$150から$300にベットサイズを上げる時に降ろせるハンドがとても多いからです。$150の時にはあまり降ろすことのできなかったAが半分以上降り、それ以下のハンドも$150では一定割合でコールしてたものが$300のプレッシャーには耐えきれなくなっているのです。一方、$300から$600にベットサイズを上げたところで降ろせるハンドはそう多くはありません。別の言い方をすると$300はブラフをするには効率のいいベットサイズということです。より少ない金額で多くのハンドを降ろせるのが効率のいいベットサイズになります。ブラフをする時にはこのようなベットサイズを選択すべきです。
誤解するといけないので言っておくと、必ずしも大きいサイズでブラフをするのがいいというわけではありません。今回の例では相手がフロップ、ターンと二回コールしているので大きくベットしないとブラフとしてうまく機能しませんでしたが、フロップ、ターンとチェックで回った場合などは安いサイズのブラフでも十分機能することがあります。その都度相手のハンドとしてあり得るものを列挙し、その上でどの額を選択すればブラフをして最も効率が良く、期待値が高くなるかを考える必要があります。
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筆者について
大学時代に友人の勧めでポーカーに出会い、プロポーカープレイヤーの道へ進む。海外キャッシュゲームの最高月利は400万。
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