あなーばの初心者人狼会の理念
最近聞かれることがよくあるので、あなーばの初心者人狼会のお店として目指している理念をまとめておきます。
うちの初心者人狼会では、初心者だけを集めて村をやろうとは考えていません。
13~14人中、初心者の割合は1~3人で、残りは経験者で固めた村を理想の配分としています。
これは、『様々な人狼歴の経験者が、本格的なゲームメイクをして、そこに少数の初心者が実際に入って遊ぶ体験を提供する初心者人狼会』を、うちが目指しているからです。
うちがこの方針を取っているのはいくつか理由があります。
理由① すべては常連さんのため
初心者人狼会をやる最大の理由ですが、常連の経験者さんのためです。
毎週お店に足を運んでイベントに協力してくれる常連さんなくしては、人狼会は維持できません。
そのためには、末永く人数の割らない人狼会を提供し続けなければいけません。
また、常連さんが休日、お店以外の遊びにも気兼ねなく行けるように、一部の常連さんがその日抜けてもイベントがつつがなく開催できる余裕のある人数の常連さんを確保したい、とも思っています。
そのためにどうしているか?
初心者さんが来てくれる機会を作り続け、新たな常連さんになってもらうこと。
常連さんにも、毎週会を楽しんでもらうこと。
決して初心者のために経験者の楽しさが犠牲になるような会やゲームは目指していません。
初心者さんへの配慮はもちろんしてもらいますし、初心者さんを楽しませたいという気持ちはありますが、やはりうちにとっては、長年イベントに協力してくれている常連さんに楽しんでもらえているかどうか、を一番に考えています。
理由② 初心者会を初心者向けのゲームに作り変えない
これは、自分が長年カードゲーム業界にいるゆえの発想でもあると思うんですが、初心者は、初心者用にあえてレベルを引き下げて作られた環境をあまり喜ばないという傾向があります。
カードゲームでは、よかれと思ってメーカーが用意した初心者用の商品より、最初からプロと遜色ない商品が手に入るチャンスを初心者は求めます。
初心者だけで固めて、レベルを合わせることで楽しませる初心者人狼会もあると思いますが、うちでは、ベテラン勢との人狼ゲームを、ゲームの中に入って実際に見て、自分のわずかな発言や一票でも、ゲームに関われたという体験を最初から得られる方が、代えがたい楽しいというインパクトを初心者さんに与えられる、と考えています。
理由③ 初心者人狼会と銘打つことが重要
初心者さんは、迷惑をかけたくない、嫌な顔をされたくない、怒られたくない、と思っているはずです。
形だけ初心者歓迎と謳うことは簡単ですが、その程度では初心者さんの不安は解消されません。
初心者さんは、初心者の受け入れ体制があり、存在を許してくれる環境を欲しています。
人狼会とは、いわば雀荘みたいなもの。
知らない人がいるところに飛び込んで遊ぶのはたいへん怖いものです。
ということで、『初心者人狼会』という名前を全面に押し出しています。
初心者さんに対しては、名前で受け入れ体制があることをアピールして、とにかく最初に足を運んでもらうきっかけになることが最も重要だと考えています。
そして、初心者人狼会が、うちの基本の人狼会だとして定番化させました。
当初は、初心者会なんだから経験者は遠慮した方がいいのかしら、と思ってた人もいたかもしれませんが、定番化したことで、経験者にも、経験者こそ一緒に楽しみながら教えてほしい、という趣旨の会だとわかってもらえたようです。
理由④ 人狼ゲームのゲーム性としての面白さを伝える
初心者がついていけるのか懸念される方もいると思いますが、「これなら自分にもついていけそうだ」という動機で趣味を始める人はいないと思います。
ついていけるとかいけないとかそんなことはどうでもよくなるくらい、面白そうだと思った瞬間があったとき、人はその趣味を始めるのでないでしょうか。
ついてこさせようとか、ついてこられるように初心者の方に合わせる、といった配慮から目指すのではなく、経験者同士のやり取りを見せてまずはすごいと思ってもらう。
そうなれる道筋を段階的に示してあげて、前回できなかったことが次にできるようになったという喜びを感じさせてあげる。
なんとなく雰囲気が楽しい、ではなく、長く定着してもらえるように、人狼ゲームを、ゲーム性として楽しいと思ってもらえるように工夫しています。
一方、ついていけないと思った初心者がはなれるのは、初心者に経験者と同じ行動をするように強いること。
それに関してはないように、初心者さんに対する質問の仕方など、初心者と同村する時のマナーを、経験者さんとよく話し合って、ときには注意しています。
理由⑤ 初心者会として完璧を求めない
完璧を求めないようにしています。
人狼は元々、好き嫌いがはっきりわかれるゲームなので、10人中10人が残ることはあり得ません。
10人中残るのはせいぜい2人というところでしょう。
それを念頭に置かず、1回で来なくなった人を、自分のケアが失敗したからであると責めたり、気に病むのは得策ではありませんし、経験者への初心者に対する態度を執拗に責めたりする姿勢もよくありません。
どんなに完璧なケアをしても、10人中3人になるとか、その程度なのですから。
それならば、割合を引き上げる努力をするよりも、月に何度も初心者会を開催して、絶対数として残ってもらえる人数を1人でも増やす努力をする。
初心者さんの、経験者として慕ってくれる参加者さんとの関係性を支える。
うちではそちらの方に力を入れています。
理由⑥ 経験者の価値観を押し付けない
完璧を求めないようにしているのはもう一つ理由があって、経験上、初心者さんがその日何が楽しかったのかは、ほんと千差万別でわかりません。
最終日まで残ったのが楽しかったという人もいれば、すぐに死んで外から長く見ていた回が一番楽しかったという人もいます。
人狼の本戦ではなく、合間のボードゲームやテーマ人狼が楽しかったという人もいますし、その場で楽しいと大興奮していた人が1回で来なくなったり、一言も話せずつまらなそうな顔をしていた人が、実は内心とても楽しくて、そこから毎回来る常連さんになったりなど、3年間初心者さんと関わっていますが、こればかりは本当にわかりません。
初心者さんにとってはこれが楽しいに違いない、という経験者の価値観をもとに形成せず、あくまで来てもらうきっかけを重視して提供する、という
今のうちの初心者会のスタイルは、これらの経験からも来ています。
理由⑦ 専門用語は積極的に使う
専門用語の使用を控える初心者会が多いと思いますが、うちではあえて積極的に使ってもらい、注釈をつけることを義務付けています。
人狼の専門用語は、すぐに使う必要があるものです。
今日使わずに乗り越えたところで、次回から使うことならば、今日覚えて帰ってもらった方が合理的との考えです。
その方が、慣れない言い換えによって、経験者の方にも負担をかけてしまう必要もなく、会自体がより楽しくなると考えます。
理由⑧ 独自の初心者用のレクチャーアイテム
初心者さんにとっては、聞くこと自体がストレスで、かといって聞かずにわからないままでは、楽しさが失われてしまいます。
聞かなくても気兼ねなく確認できるように、役職プレートや、占い先を表すプレートなど、初心者用のレクチャーアイテムを取り揃えているので、初心者さんが安心できるひとつの材料になると思います。
また、アイテムは、慣れてきたら一部をあえて使わなくするなど、習熟度に応じて選択し、アイテムがない他の人狼会でも、参加が不安にならないように促してあげられる点も考慮しています。
うちの初心者人狼会の目指すところはこんな感じです。
人狼ゲームは「興味がある人が自ら検索してやって来る」ことが大半であることがわかったので、現在はいろんな媒体でネット広告を打っています。
初心者会に注力して1年以上たちますが、初心者人狼会経由で新たな常連さんが増え、経験者さんも新たな常連さんの熱量に感化されて、イベントは毎週盛り上がっています。
お店以外で、常連さん同士が誘い合って遊びに出かけてくれているのも、お店にとってはうれしいものです。
現在は広告による地元の新しいプレイヤーの発掘が中心ですが、より長く会を運営するために、他のアイディアも考えるかもしれません。
いずれにしろ、常連さんを一番大切にしようと考える精神は変わりません。
今後とも末永くあなーばの人狼会をよろしくお願いします。