第3回 シナリオを書こう! 後編
お待たせしました、後編です。でもその前にお約束。
STARRY☆EPIC(以後S☆E)のルールブックを読め。それであなたの悩みの9割は解決するから。
「お約束ですね」「そろそろ飽きろよ」
と言われても言い続けます。ラストですからね!
という訳で記事の内容のおさらい。
1.ストーリーが構築されている(前編にて解説)
2.必要なプロット(以後イベント・シーン等全般をプロットとして記載させて頂きます)が用意されている
3.必要なデータが準備されている
今回はストーリーが出来ている前提なので、プロット以降についてお話しします。
☆プロットとデータを用意しよう
ではストーリーが出来たら次にプロットを用意しましょう。
「プロットって何?」
となっている方も多いと思いますので、S☆Eにも記載されているプロットの基本を下記に記載します。
・間違った物語の展開
・その修復方法
・正しい結末
以上。
「あれ、シナリオって間違ったこと書かないよ?」
となっている方も多いと思います。これについてはこう置き換えてください。
「シナリオ上発生しうる手順を解決すべくGMが用意した障害」
例えば「霧が濃いのでこのままだと迷ってしまう」のを回避するためには「方向感覚のチェックが必要」であり、「チェックに成功すると村にたどり着く」
「」の中はそれぞれ「間違った物語の展開」「その修復方法」「正しい結末」となります。
プロットとはこの様な3つのセットになったものをストーリーに沿って書いていく事で自然とシナリオを完成に近付けるものなのです。
では実際にプロットを書いてみる・・・前に必要なものを準備しましょう。
・ストーリーを用意する
・登場人物をPCとNPCに分別する
・ストーリーを場面ごとに区切る
ストーリーは前半でも述べた様に
「ひとつの話の始まりからおおよそ通るであろう手順を経て結末へ至るまでを書いたもの」となります。
どの様な人物が出てきて、どの様な出来事が発生し、どの様な結末にしたいのかを書いたものです。
次に登場人物はPC、NPCにそれぞれ分別しましょう。
NPCはヒロイン、ボス、エキストラ等に分類しておく事で整理しやすくなります。
最後に用意したストーリーを大まなか場面ごとに区切ります。
この区切りには明確な割合とかは必要ありません。
例えばストーリー内で時間や場所が変化する、敵と戦う、重要な情報を得るという風にストーリーが動く「キリのいいタイミング」で区切る様にすれば問題ありません。
さてそう言った事前準備を行えば後はストーリーの演出やイベントをプロットとして書き出していくだけです。
「それだけ?」はい、それだけです。
先程も記載した
・間違った物語の展開
・その修復方法
・正しい結末
これだけ書けば大丈夫です。
「用意したプロットと違う選択をPLがしたらどうするの?」
この辺は前回、前々回の話と被りますが「あなたの好きなGMがどうしてるかを思い出しましょう。それをやってみましょう」基本的にはそれで解決します。もしくはS☆Eを読みましょう。
「それでも何かあったらどうしていいか分からない!」なあなたにはこの記事の最後に対策方法をお教えします。ちょっと待ってくださいね
また補足ですが、プロットを書き終わったら今回予告やシステムによってはハンドアウトも用意しましょう。
これら2つはセッションに挑むPLに「今回はこんなシナリオですよ」とGMの考えを共有しつつPLのモチベーションを高める効果を持った素晴らしいものとなります。
これらの書き方もプロットの書き方を参考にすれば困ること無く書けると思います。まずは実践してみましょう。
さてプロットが出来たら最後の肉付け作業。データを用意します。
と言っても察しのいい方は
「いやプロット内でデータ必要だったからほぼ終わってるよ」
となってると思います。その通りです。
プロットを書く際にシナリオの進行に必要なデータ(判定や演出で使用するスキルなど)はほぼ用意されていることでしょう。もしかしたら敵データもほぼ用意出来てる人も居ると思います。
そう、プロットを書くことで大体のデータは用意出来るのです。後は足りない部分のデータを足してあげればあなたはもう「自分だけのシナリオを完成させた人」なのです。
後は実際にそのシナリオを遊んでみましょう!。大丈夫、ちゃんと準備したのだからきっと楽しいセッションが出来るはずですよ。
☆さああなたもGMを始めて、もっと楽しいセッションをやろう!
3回に分けてお送りしたGM講座もこれで終了です。
どうでしたでしょうか?この記事を読んでくれたあなたが少しでも
「よし、GMやろう!そのためにまずは行動だ!」
となってくれたなら幸いです。その気持ちを持ってどんどん先に進んで行ってください。
また実際にGMをやる事で見えてくるTRPGの楽しみが沢山あると思います。
あなたがそれを体感し、その楽しみを誰かに伝えて、誰かがそれをまた体感したいと思う。
そんなきっかけにこの記事がなれる事を願って、この記事を終了させていただきます。お付き合いありがとうございました。
最後に。
この記事の内容の大半は2015年に発表した無料公開のTRPGシステム「STARRY☆EPIC」のルールブックの内容およびその製作者の言葉を抜粋・構成して作成させていただきました。
こちらのシステムはHPからダウンロード可能となっております。もしこの記事を読んでちょっとでも気になったあなた。是非1度ダウンロードして中身を読んでみてください。私の文面の数倍分かりやすい内容がシステムの習得をしつつ読める素晴らしいものとなっております。
是非、あなたがより良いTRPGライフを送るためにもご一読ください。
GAMERS SQUAER
代表 野口真緒
執筆 カネコ
校閲 戦闘員32号
☆おまけ シナリオを破綻させないために
これまでの記事を読んでいただけた方、またはS☆Eを読んでいただけた方なら
「どうすればシナリオが破綻しないか」
の答えを持っている方が多数居ると思います。
でも
「やはりなんらかの答えが欲しい」「不安を解消したい」
という方も当然居ると思います。
その方向けに4点、私からアドバイスをさせてください。(これもほぼS☆E制作者の受け売りですが)
「失敗のイメージを明確化し、それの対処を考えておく」
「成功方法を押し付けない」
「敵データは明確に運用しなくてもいい」
「何かあったらPLに相談する」
です。
失敗のイメージを明確化するのは「これだけは回避したい!」を考えるという事になります。
それを回避するにはどうしたらいいか?それを事前に自分なりに考えておけば当日頭が真っ白になる可能性は大分下がります。
成功方法の押しつけも同意義です。PLはあなたの思ってない解決方法を沢山思いつくでしょう。あなたはそれを否定しないで「じゃあそれならこうしようか」とPLと話をすれば良いのです。TRPGの成功方法は1つではない事をあなたは既に知っているはずです。
敵データの運用、難しいと良く聞きます。
ですがこれはTRPGであってコンピュータゲームではありません。極端な事を言えば敵データはPCを適度に苦しめ、PLに「手強い!」と感じさせれば役目を果たしているのです。後はその敵データには華々しく散っていただきましょう。そうすればPLは「手強かったけど勝てて良かった」と喜んでくれると思います。
最後に、TRPGはGMの独りよがりな遊びではありません。もしセッション中に想定していない事が発生した時、あなたは1人きりでそれを解決しなくても良いんです。
私も初GM時に想定してない解決方法をPLに披露された結果、元のシナリオそのままではセッション進行が出来ない事態が発生した事を覚えています
もし
「困ったな、次こうしたいのだけどこのままじゃ難しいな」
が発生したらPLに
「次こうなる予定だったんだけど、協力して貰っていい?」
と聞いても良いんです。
それを聞いて
「ええー、GMが考えなさいよ。私は協力しない」
となるPLしか居ないのならTRPGという遊びはこんなにも広まっていないと思います。大体のPLは
「じゃあそれやるためにこうしてもいい?」
とGMに聞いてくれるのではないでしょうか。あなたと一緒に考えてくれるPLが沢山居ると思います。GMもPLも敵同士ではありません。信じて考えを共有してみましょう。
余談ですが、私はその結果トラックが羽を生やして空を飛びましたが、PLは笑って許してくれました
長々となりましたがこれにて〆とさせていただきます。お付き合いありがとうございました。