40代の転職:採用側の理由で考える
逆の立場から考えてみる
相手の立場で考える事は課題をとらえる上で新しい視点、解決策をもたらしてくれるものです。
転職の場合であれば採用する人事や企業側が何を考えているのかという点になるんですが、転職経験が少ない頃はこの部分になかなか考えがいたらず、面接というのは一方的に相手から値踏みをされる場所だと思い苦手な場所になってしまっていました。
相手の目的を少しでも知る事で、それを活かし結果につなげる、または転職活動自体のストレスをコントロール出来るのではないでしょうか。
中途採用の目的は大きく3つ
中途採用の目的は大きく分けると次の3つとなります。
①退職に伴う人員補充
②拡大に伴う人員補充
③新しい取り組みを行う為の採用
どれも似たようなものだと思われるかもしれませんが採用側からするとそれぞれは全然違う状況となります。
また採用される側としてもそれぞれについて求められる資質が違ってくるので把握しておいて損はありません。
①退職に伴う人員補充
これが非常によく見かけるケースだと思います。
人員に余裕がある場合は、誰かに業務を引き継いでからの退職という事になりますが、人がギリギリである場合や、特殊なスキルで業務を行っている場合、企業としては非常に困った状況が発生します。
1日でも早く適性者を採用したいというのが企業側の状況となります。
ケースにもよりますが採用基準が緩くなる可能性が高いのがこのパターンです。
仕事の内容としてはすでに型が決まっている場合も多いので、決まった事をしっかり実行出来る事が採用時のアピールポイントとなります。
ただし、やることや型がまったく決まっておらず無茶振りの結果として退職している場合もあるのでその点は面接時の質問で確認しておいた方がいいですね。
②拡大に伴う人員補充
これは①と比べると採用する側に時間の余裕があります。また場合によっては複数人数同時募集という場合もあるのでしっかりと決められた採用基準で進められる事が多い印象です。
この場合は基本、事業における型が決まっている拡張フェーズなので決められた事を効率よくこなせる方が優位です。
そしてすでに実績を上げている先輩がいるので仕事の仕方を教えてもらいやすく吸収力の高い方にとっては働きやすい環境である可能性が高いです。
ただしたくさん人をとって、ハードな業務に耐えられる人だけを選りすぐっていくといった組織でも同じ採用形態となるので、自分の理想とあうかどうかは良く見てみる必要があります。
③新しい取り組みを行う為の採用
このパターンが最近、増えてきているのはないかと個人的な印象をもっています。
社会の変化に伴って社内のさまざまな変化を行う為の専任部署を作る、といったパターンがこれにあたります。
このケースについては非常に注意が必要です。
なぜこの採用が生まれたかによっても状況は違ってくるのですが、採用側として困った状況になるケースは次のようなものになります。
A:どんな人を採用すればいいのかわからない
B:希望するレベルと報酬が世間一般と乖離している
C:コロコロ要件が変わる
中小企業ならこういう状況にいたりやすいのは当然なのですが大企業でもこういったケースは発生します。
たとえばこれまで開発を外部委託していた会社が急に内製化に切り替えるといった時にどんなエンジニアを採用すればいいか知見が社内にあるといった事は期待できません。
こういった採用の場合、実際に必要なスキル、経験とまったく違う人を採用してしまうケースも発生します。事前にしっかり確認していたのに、、、、なんて場合も含めて。
もし自分がそうなってしまった場合は、必要な能力を学び直すと覚悟決めるか、ミッションを変更するか、諦めてさっさと辞める事になると思います。
ただ、新しいチャレンジですのでいろんな事を学べる可能性もあり、安直に良い悪いと判断出来るものではないと思います。
採用する方も会社員
組織がまだ小さい場合、代表者が採用人事に大きく関わる場合がありますが、ある程度の規模になると採用に対する代表者の影響は小さくなって行きます。
となると採用を行う側もほとんが会社員となります。
採用の経験値が低い場合もありますし、KPIや目標値を持っているのが基本になります。
面接官の目的、目標を想像する
目の前の相手の目的を考えながら面接を受ける事で質疑の内容は濃くなって行きます。
ポーカーフェイスでそういったものを表に出さない事が出来る方はある程度いらっしゃいますが、逆に目的、目標を表に出す事を躊躇しない方もたくさんいらっしゃいます。
想像した上で素直に聞いてみるのも一つの手になる事があります、営業手法的な考え方ですが、課題や目的に対する共感、理解は親密度を高める効果があるので採用の可能性を上げてくれる場合もあります。
未熟な面接官もいる
人事業務の兼務をしていた頃に、CXO候補の面接を何度も経験する事になりました。経歴もすごいですし、非常に優秀な方が多く面接で相手の方が話す内容を咀嚼し理解するのに何度も質問を返す事になりました。
私の経験のように面接官が未熟であるケースは決して少なくはありません。
場合によっては立場を勘違いして、理想とはかけ離れた残念な面接を行う方もいらっしゃいます。
合わない時は合わないのでその企業の採用は辞退すればいいだけなんですが、経験値が少ないだけならお互いにとってプラスになる時間を作る事はできるかもしれません。
面接は試行錯誤だった
これまで複数の会社で採用面接を行ってきましたが、面接の基準ややり方がしっかり提示されたのは1社だけでした、それ以外の会社ではある日気づくと面接官として面接が組まれていたような状況です。
採用するポジションや、状況によっても要件が変わってくるので、面接の度に準備と振り返りを繰り返しておこなっていました。
また自分以外の方が面接対応をするケースを見る機会にも恵まれ非常によい学びとなりました。
面接する側もこんな調子なので、結論としては面接にそれほど緊張して挑む必要はないと思います。
面接は相互に望むものが合うのか、相性が良いのかを確認する為の場なので良い意味でリラックスして対応すれば良いと思っています。
まとめ
個人的には逆に立場で考えるようになってから、面接に対する苦手感が大幅に薄れていきました。
可能であれば転職の為の面接なんてたくさんしたくはないと思う方がほとんどだとは思いますが、私は面接の場でやりとした会話や検討、ワークサンプルなどがその後の仕事に大きくプラスになりました。
それは自然体でその場にいれた事も要因の一つだと思っています。
筆者紹介
現在、都内ベンチャー企業で勤務
40代半ばの現段階で勤めた会社は8社目
ありがたい事に転職をする毎に待遇は上がって来ています。
最終学歴は高卒で、大学を中退したタイミングで小規模な広告制作会社の営業としてキャリアをスタートしました。
基本的には営業属性の仕事が多かったですが様々な業種に関わり、初めて転職した30代前半では苦戦の連続でした。
たまたま4社目の会社の仕事がハマって、そこから仕事の仕方が見えてきました。
そして業務の中で逆に面接をする機会も非常に多く持つ事が出来ました。
転職の両面に関わったからこそ感じている、いろいろな事をまとめてみると面白いかなと思い、コレを書いています。