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ゲームの思い出:バーチャロンシリーズ その4 電脳戦機バーチャロンフォース part2


 バーチャロンフォース(以下フォース)が出てしばらくすると、うちの部で爆発的にバーチャロンが流行り始めた。
最初は僕と部長、後輩一人の三人だけだった。

 毎日授業が終わってすぐ、部室の鍵を開けると僕たちはすぐに自転車を走らせた。最寄りのフォースが設置しているゲームセンターへは自転車を飛ばして10分ほどかかる。三人ともに無言で自転車を飛ばし、フォースをプレイ。大体3回ほどプレイした辺りで強いプレイヤーがたくさん来て対戦台となってしまうのでそうしたら部室に戻る。
帰り道はフォースの話をしながらゆっくりと自転車を走らせる。

部室に戻るとドリームキャストを起動して電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム(以下オラタン)をプレイする。


 これが数週間続き、それを見ていた部員の中に次第にフォースに一緒に行く人間が増え、最終的には部員の八割ほどが一緒に行くようになった。

もうこの頃には対戦台でもプレイするようになっていた。

しかし、対人戦でまったく勝てない。

対人戦でも勝てていたのは部長と組んだときくらいなもので、基本的に他の人間と組んだときは勝てなかった。


この頃、僕は二枚のライセンスをメインに使っていた。

まずはライデン。

そしてオラタンの持ち機体の一つ、グリスボックの系譜を受け継ぐ機体、VOX-Danだ。

しかしこの機体、武器の構成こそグリスボックと似ていたが全くの別物で、グリスボックの強みだったすさまじい量のミサイル弾幕を張ることは不可能だった。

もっとも、オラタンのゲームスピードでフォースをプレイできるとして、それはゲームとして楽しいものになるとは思えなかったので、これは仕方のない事だと思った。

部長にはよく、VOX-Janeを使えばいいのにと言われた。

この機体は、フォースの対戦環境でおそらく最強クラスの機体だ。

片手にチェーンソーとファイヤーボール、両肩にファランクスを付けた初代電脳戦記バーチャロンのドルカス、オラタンのドルドレイの系譜を受け継いだ機体で異常に上下に追いかけてくるチェーンソーと援護にもタイマンでも使いやすいファイヤーボール、攻撃範囲が広くて多少の慣れが必要だが強いファランクス。

確かに敵に回すとこいつほど嫌な奴もいなかった。

武器の構成も好みだし、見た目もカッコいい。

しかし僕は頑なにこの機体に乗ろうしなかった。


 Danは使いこなすのが難しい機体だった。
タイマン性能はそんなに高くなく、主に支援攻撃をするのが得意な機体だ。Danはタイマンでは隙が大きめな攻撃が多い為、丁寧に敵の攻撃をかわしながら攻撃しなければいけなかった。両肩のミサイルにいたってはタイマン時に使用することすら難しいレベルで、何も考えずに撃つと
もれなく手痛い反撃を食らってしまう。
移動も速い方ではなく、機体自体も大きい為本当に丁寧にかわさなければすぐに被弾してしまう。
そんなDanが一番輝くとき、それは味方機が敵二機に狙われているときだ。この時援護攻撃を仕掛け、敵にダメージを与えるのが基本的な行動だ。

しかし援護攻撃で敵にプレッシャーを与えることが出来なければ味方に負担を強いるだけの機体だった。

使いこなしたい、と思っていたが。この機体を使ってそれなりの戦果が出せるのはパートナーが部長の時だけだった。それも僕がライデンを使った方が明らかに部長の負担は少ない。

部長はマイザーという、オラタンのサイファーの後継機体をメインに使っていた。その機体は一撃の被弾が命取りになるタイプで、僕がDanを使っているときの負担はすさまじいものだったと思う。

そんなだったのでよく組む相手、部長に合わせ、僕は当分ライデンをメインで使っていくことに決めた。

しかし、このライデンも通常のものではなく、両肩のレーザーが敵を拘束するネットに換装したライデン512Dという機体をメインで使っていた。
この機体も自分にはどこかあっていない気がしていた。

そんな時久しぶりにDanを使ったところ機体が支給された。

 「何だこのVOX……?」

それは見たことない機体だった。両肩のミサイル、片手のナパームはDanと変わりない。

しかし大きく違う点が二つあった。

脚部がホバーになっていること。

そして、もう片手にガトリングガンを装備していたことだ。

 「Mariko……?」

僕の持ち機体が決まった瞬間だった。


続く。


電脳戦機バーチャロン フォース

ハード:アーケード

2001年10月稼働。

販売:SEGA

※見出し画像は公式の物をお借りしています。問題があれば連絡をくださればすぐに消去します。 






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