Discordを3年運営して得たDiscord運営のヒント+ゲームキャストDiscordサーバー解析データ公開
ゲーム総合Discordを運営して3年になり、それなりに知見がたまったので、他のDiscord運営者さんのヒントになるかもしれない、と思って自分の感じたところを書いていきます。
ゲームキャストのサーバーとは何?という方は以下の記事をどうぞ。
また、末尾でnoteの会員限定で、3周年ラジオで公開したゲームキャストDiscordサーバーのサーバーインサイト(解析)のデータPDF、参加者アンケートデータの一部も公開しています。
では、ヒント部分をどうぞ。
1.管理人はいるだけで違う、たぶん
管理人がそのサーバーに毎日顔を出しているか、そうでないかでコメント数やサーバー参加者の継続率は変化します。
できるだけ、健在をアピールしておくといいでしょう。
管理人が病気で2カ月ぐらいいなかった時期があるのですが、その時期は破滅的にコメントが減り、サーバー脱退者も増えました。管理人がいること自体が、サーバーの安定につながります。たぶん。
管理人が復活すると、管理人自身が発言することがあり、それにまつわる返事もあるのでコメント数は増えます。が、管理人が健在だと、管理人が参加しない会話も圧倒的に伸びを見せます。
2.苦情に対処する姿勢を見せるだけで、サーバーは改善する
実は、ゲームキャストのDiscordは「基本的にはBANしたくないし、会話もあまり制限したくない」という方向性でずっとやっていました。
それなりにうまく機能していたのですが、人が増えてきてまずい発言をする人も出てきたので、「苦情があればDMで送ってください、対処します」という宣言を出しました。
すると、何もアクションをとっていなかったにも関わらずサーバーのコメント数が10%以上増え、活発になりました。
いざというとき、対処する姿勢を見せるだけでもサーバーの空気は変わるようです。いろいろあって問題発言などに警告を送るようになってから、さらに伸びました。
3.自治が始まると大変
とくに小さいサーバーではそうだと思うのですが、ルールを定めた後、参加者同士で「お前の発言はルールに違反している、やめろ!」などと言い始めると、空気が悪くなります。
実際、そういった状況が発生するとその時期の苦情件数は「ルールを守る、守らないで口論が発生していて嫌気がさす」が、「ルール違反している」という苦情を上回りました。
よって、小さいサーバーでは「ルール違反の指摘はDMで管理者にいうように。管理者の判断で処罰します」という規則を作っておくと、ちょっと面倒だけど平和に収まりそうです。
なお、そういうルールをとっていると「直接反論できないのが嫌だ」とか、「ルールがおかしい」という意見に直面しますが、ある程度のわりキリは必要だと思います。
4.荒れの原因は元をたどると少し
サーバー運営をしていると「あの人が良くないことを言っている!」、「いやいや、この人も」と、苦情がくることがあります。ゲームキャストのDiscordサーバーでは、苦情受け付けを始めてからそれなりの人数が(と言っても10人未満)DMでやり玉に挙げられました。
そういった苦情につながる会話を検索・追跡していったところ、荒れる発言をするには、2タイプあることに気づきました。
A.何もなくても自分から言い出す人
B.何か発言があると続いて言い出す人
Aのタイプには、はっきり言って止めてもらう必要があります。もちろん、Bのタイプの人にも多少警告するわけですが、Aが止まると、Bも止まる傾向があります。
よって、単純に全部を止めようとするのではなく、Aを探し出して強く警告する方が手間も少なく、効果的でした。多少時間がかかるように見えても、そういった相関を探して対処すると結果的に小さい手間でことを治められるかもしれません。
Aの人がなぜそれをやっているのか、調べて止めるとさらに効果的でした。
5.有害な絵文字は削除
さて、日本向けにゲーム系のDiscordサーバーを運営するのは、エロ画像との戦いという側面もあります。というのも、Discordは日本人の基準やTwitterの基準とは異なる観点でエロ画像を規制しており、それに違反すると問答無用でDiscordサーバーと、そのサーバーの管理グループのアカウントを消去するからです。
たとえば、ゲーム『アズールレーン』で使用されているイラストは、Discordの基準にそぐわない可能性があり、英語の『アズールレーン公式Discord』で利用を禁止されている公式画像があります。
つまり、ゲームの画像、Twitterで拾ってきた画像、日本の青年漫画の濡れ場を張ったりすると、BANされる可能性があるわけです。
そこで、ゲームキャストのDiscordでは危険そうなときにイエローカードを出す絵文字が導入されました。これが出たら「止めろ」という合図です。
最初はこれが機能していましたが、途中からはこれが出るたびに
「あ、ピンク認定された」
「Discordくんにこの太ももは危険ですね……」
などと、イエローカードに反応して会話が広がってしまうようになり、良くない結果になりました。
画像に対しては警告するのではなく、削除。
結局イエローカードの絵文字を消したところ、こういった話の広がり方はしなくなり、ある程度無視してもらえるようになりました。また、それにまつわる苦情も消えました。
先ほども書いた「話題に乗って発言する人」が反応する絵文字は消した方がいいかな、というのが実感です。
6.挨拶するだけで参加率が変わる
大抵のDiscordサーバーには「自己紹介」「初めまして」などの板があると思いますが、そこで自己紹介を放りっぱなしにせず、返事をしただけで1回以上コメントする確率が15%増えました(コメントするには要因が多数あるため、長期的ではなく、始める前比で短期的に見ています)。
「〇〇が好きです」というようなコメントに対して、専用板がある場合はその板で発言している人が「〇〇板あります!ぜひ来てください!」のような発言をしていると、定着率は非常に高いようです。
新規で、自己紹介を書いてくれるようなやる気のある人、礼儀正しい人には挨拶するといいでしょう。
7.サーバー人口拡大のヒント
noteの会員から質問があったので追記しておきます。Discordサーバーの人数拡大は現状イベントに頼り切っています。
ゲーム大会、新作の人気ゲームの部屋を作る、ゲームの感想文を書くコンテストなどをすると大きく人が増えることがわかっていますが、これはゲームキャストがすでにブログとして大きく、イベントを告知すると人が来る告知力があるからです。
真似するとしたら「ポケモンユナイトの小さな大会をする」とか、ゲームの勢いがあるものに乗っかっていくような方法しか想像がつきません。
もしくは、ニッチで自分しかやらないであろうジャンルでイベントをするか。
もう1つのアイデアとして、DisboardというDiscord検索に登録する方法はあります。登録は簡単ですが、ゲーム総合では人数が多くないと人は来ないという欠点があります。
また、検索の上位に入りたければDisboardのサイトから「Disboardに登録者が”検索順位を上げる”ボタンを押す」という作業をし続けると効果が上がります(面倒ですが)。
サーバーでアンケートをとってみた
私のサーバーの苦情に対する対応を始めてからコメント数の伸びが非常に大きかったので、アンケートをとってさらに改善しようと努力中です。
でもって、苦情や要望などへの返答を書いたのが以下のnoteです。もしかしたら、返答に参考になる・反面教師になるものがあるかもしれないのでリンクしておきます。
なお、サーバーに参加して良かったことは冒頭の「ゲームキャストのDiscordサーバー紹介」の記事にまとめています。
そして、以下はnote会員向けのサーバー解析データの資料、要望などの元文章(を個人がわからないように分離、並び替え、マスクしたあとのもの)などです。
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