Jessika(ジェシカ)
初めに
※ストーリーやギミックなどの多大なネタバレを含みます
※恐らくクリアまでプレイしましたが、個人的に全く面白くなかったため、相応の表現を用いた内容になっております
上記ご了承いただける方のみお読みください
正直記事を書く気力すら湧かない感じのゲームでしたが、ストア説明を真に受けて見たくもないものを見ることになる人がいたら気の毒だなと思って書きました。
ただ上記の通り悪印象だったため表現に偏りがあったり投げやりだったりします。参考程度にザッと読んでください。
※あくまでSwitch版のレビューなので、PC版だともうちょっと好意的なレビューも見られるかもしれません
概要
ストア説明より引用
>> このフルモーションビデオ(FMV)ミステリーアドベンチャーゲームである本作では、アナタは死去した人々のデジタル上の痕跡を追跡することに特化したグループの一員となります。当初これまでと同じような仕事と割り切ろうとするも、捻りや意外性を伴う暗いドラマが展開していきます。
>>必要なのはノートパソコンと「被害者」に関する基本的な背景情報だけ―今回はジェシカについての彼女のデータベースにアクセスし、様々な検索語句を入力してファイルを閲覧してください。たとえばビデオクリップ、オーディオファイル、メモ、ニュースの切り抜き等にアクセスすることが出来ます。それらをクライアントや同僚に共有し、さらに深く掘り下げていきましょう。アナタの知識を駆使し、事実を組み合わせて、ジェシカの真実の物語を解き明かしてください。
ジャンル的にはビジュアルアドベンチャーでしょうか。
結論から言うとひたすらタグ検索して動画を見せられるだけのゲームです。
ストーリー
遺族からの依頼を受けてデジタル機器に残る情報を提供する企業に勤める主人公がある日受けた「自殺した娘のPCから情報を探してほしい、娘の当時の心境が知りたい」という依頼を巡る話です。タイトルでもあるジェシカは娘の名前です。
ちなみに主人公の立場などは説明されずにいきなりハッキング開始するため、主人公の設定などは断片的な情報から推測したものです。
プレイ画面
プレイ開始
早速以下の画面が流れていきます。
恐らく今ハッキングしてますよーの演出でしょうか。
操作開始
ゲーム開始直後のランダムなパスワードはログインに必須なので暗記して入力します。
スクショ見ればお分かりかとおもいますがここまで何の説明もないためユーザーネームに一瞬悩みますが、ジェシカのPCをハッキングする話なのだからジェシカしかあるまいと思い入力したら開きました。
後から気づきましたがこの時点ではジェシカの依頼はまだ受けておらず、主人公のPCからジェシカのPCに遠隔アクセスしてどうのこうのはこの後の依頼なんですよね、なのでこれは主人公自身のアカウントな訳で、ジェシカで入れた理由がよくわかりません。
たまたま名前が同じだったとかかと思ったんですけど、それだったらその点について誰かツッコむと思いますがそれもなく。
ついでに言うと主人公の名前も最後までわかりませんでした。もしかして主人公の名前は任意で決められるシステムだったんでしょうか。ここらへんのあやふやさのせいで最後まで混乱することになります。
ログイン成功
ログインするとハッキングツールについてのお知らせがポップアップします。
若干複雑な内容でプレイ当初は何度か読み直しましたが、ぶっちゃけここらへんを覚える必要はありません。
なぜならプレイヤーが実際にすることは、メッセンジャーへの返信とメールを読むこと、タグ検索してファイルを発見し復元されたファイルを順に開くことの繰り返しだからです。
ちなみにプレイ時間の7割ぐらいは動画を見る時間です。動画広告を延々と見させられるスマホゲームみたいなものですが、違いはそこからストーリー(と言えるかどうか)を推察する必要がある点です。
画面一覧
クリアまでずっと見ることになる画面です。ちなみに右上の時間はリアルタイムです。クリア時間とプレイしていた時間帯がバレてしまう……。
なおPC風の画面をコントローラーで操作するので操作性に結構難があります。それでファイルコンプは諦めました。PC版だったら臨場感があって没入しやすくやりやすかったかもしれないですね。
サイドメニューは上から順に、チャットアプリ、ハッキングソフト、メーラー、ファイルブラウザです。
「白い花」はチームのグループチャットでしたがスクショを別のと間違えて撮り忘れたようです。
次はメイン画面になるハッキングソフトです。
画面の説明ですが左上から順に、動画再生画面、動画のセリフの書き起こしとタグを拾って検索をかける画面、左下に飛んで、統計でファイル数の把握、ターミナルは今何の動作をしているかの表示、検索結果でファイルの選択と操作、タグが過去に使ったタグの一覧です。カーソルがうまく動かなくてイライラしました。
この時点では用がないので、次のメーラーへ。
メーラーには色々なメールが届きますが、直接的に必要だったのはバックドアの仕込まれたメールを開封することくらいでした。
あとは匂わせだと思いますが、翻訳がお粗末なのとあまりにも情報が散発的によこされるので正直繋がりません。
次はファイルブラウザ。
この画面の必要性は最後までわかりませんでした。
mp3とか律儀に再生しましたけど作中に使われてるわけでもないし、動画の内容の補完というか匂わせ要素だったのかな。
ようやく本編開始
操作できそうなのがチャットアプリだけだったので、とりあえずオンラインの同僚に返信してみることにしました。
なお後でSteamコミュニティの記述で判明しましたが、選択は物語に影響しないそうです。似たり寄ったりの3択から選ぶ方式なのでまあそうでしょうね。
同僚とのやり取りをいったん打ち切り、依頼人にコンタクトを取ります。
ジェシカのPCをハッキング
もしかしたら冒頭のメールにあるニーダーバッハ家のPCにも同じ方法でログインできたのかもしれませんが、ジェシカのPCにログインした後はログアウトの方法がわからなかったため試すことができませんでした。
(新しいデータを作れば試すことはできますが、クリア後にそんな気も起きないゲームだったのでもうどうでもいいです)
ハッキングソフトを使ってログインしたものの、ターミナル以外には何も表示されずしばらく何をしていいかわかりませんでした。
地獄の作業の始まり
ターミナルには任意の言葉が入力できた(しかしひらがなとカタカナとアルファベットのみ)ため、とりあえず「Jessika」と入力してみたらファイルがいくつか出てきたため、再生してみたところ動画ファイルでした。
動画ファイルを再生すると、横のスクリプトの欄に検索できるタグが青色で表示されます。それを手掛かりにさらに検索をかけ、ジェシカのPCにあるファイルを探してひとつひとつ見ていきます。
この時点で再生できるファイルとできないファイルがあり、開封済みのファイルを増やしていくと後で見られるファイルが増えるようでした。
つまり片っ端から見られる動画を再生してタグ検索をかけるお仕事の始まりです。
この時点で面白くなさの前兆を感じられましたが、とりあえず続けます。
また、ファイル検索の作業の合間にメッセージやメールがばんばん飛んできて作業を中断させられます。お仕事みたい。
ゾーイとカフェで落ち合う約束をしましたが、実際に会ったのかどうかわかりません。
これも特に意味はありませんでした。
作業していると破損ファイルが復元されたとのポップアップ通知。見られなかった動画が見られました。確かここらへんから暗い嫌な話が垣間見えてきます。
依頼人はどうやら仕事中だったものの休憩に入るらしく、解読できたファイルを送るように指示されます。特に操作する必要はなくファイルは自動で送られます。
すみませんがここからはスクショがほとんど残っていません。
動画から察せられる話が断片的かつ冗長で、スクショを撮るタイミングに悩んだ結果、撮るに撮られなかったからです。
残りのスクショ
一部のタグや動画は翻訳されていませんでした。
タグ検索で任意入力する時は漢字が使えないため主にアルファベットで入力することになりますが、日本語の単語と別扱いになるため履歴も倍になります。
そのため発見できなかったファイルがあり閲覧できないファイルがいくつか残りましたが、タグ画面はうまく動かないし総当たりする気にもなれませんでした。
徒労と不快感だけが残るゲーム
とある長い長い動画を見させられた後に唐突に画面が割れて冒頭の画面に戻されました。プレイは続行できたものの画面は割れて血飛沫が飛んだままです。
どうしてこうなったのか、物語の終着点はどこだったのか、何もわかりませんでした。
とりあえずプレイを続けてみたものの何も得られず、仕方なく検索エンジンで情報を探してみるとSteamコミュニティにわずかに情報があり、作中の内容に補完を加えたのが以下のものです。
推測できた流れ
破損したファイルや鍵ファイルを再生していくうちに、母親がアルコール依存だったこと、兄弟?姉妹?が一人いたこと、ジェシカの子供時代に両親が離婚したこと、母に引き取られ義父だか愛人だかに疎まれ居場所がなかったこと、トレーニングコーチから性的虐待を受けていたことが判明します。
これが自殺の原因ではないかと疑った主人公は、この時点でいったん依頼人に報告をするものの、さらに解析を続けるよう指示をされます。
その後家庭が荒れていたためジェシカは学校にも行かず悪い仲間と付き合うようになり、万引きや大麻や暴力などに手を染め、最終的には右翼になりネオナチとしてテロ活動をするようになります。
しかし依頼人はそのきっかけになった男性を「孤独な彼女に愛を教え、正しい道に導いた」と評します。
……違和感がありますよね。まともな親なら反社会的な道に娘を引きずり込んだ人間をそんな風に評価したりはしないはずです。
解析の合間にウイルスメールが飛んできたり作業の邪魔をされたりPCに不具合が起きたりするのですが、結論から言うと依頼も妨害も全てジェシカの自作自演でした。
薄らぼんやりした真相
話が飛び飛びで断片的なためあまりはっきりとわかるものではありませんでしたが、どうやらジェシカは生き別れの兄弟?姉妹?である主人公に目をつけていて、依頼をきっかけに動画を見せることで仲間に引き入れたかったらしいです。
(子供時代には両親を取られたため疎んじていたようでしたが、血統主義に走ったためでしょう)
でも実際には依頼人のフリをしたチャットで主人公にドン引きされるし、最後の血飛沫と画面の割れはテロを起こした近所のカフェにたまたま主人公がいて巻き込まれた……らしいです。
ターゲットになった場所ではナチスの犠牲者を悼むイベントが行われていたようなので。
※言語設定にドイツ語があり、ジェシカはドイツ人の設定ですが、翻訳ではそこらへんの文化的ニュアンスが失われてしまっているらしいです
余談ですが、画像ファイルに事件のニュースなどが含まれており、ジェシカの起こした事件などを辿ることができます。
予想だにしない方向での嫌悪感を抱く表現
動画を見させられるゲームなのはいいとして、前述の通りの方向にジェシカが狂い壊れていく話なので、口汚い罵倒や性的虐待の体験談やヘイト発言や血統による差別発言や右翼的発言など、人によっては本当にダメな要素だと思うんですが、心の準備なくそういうものを見せられるのはどうなのかなと。
直接的な映像などは流れませんが、そういう内容を声高に怒鳴ったりする動画を見させられ続ける精神的疲弊は作業による疲労を除いてもかなりのものでした。
ゲーム体験としても全く面白みを感じない退屈な作業
ひたすらタグ検索して面白くもない不快な動画を延々と見させられる、この流れのどこを面白がればいいのかわかりませんでした。
時々入ってくる同僚とのチャットは息抜きになりましたが、ウイルスによる遠隔操作で同僚にビデオを送りつける事件があった時、チャットの前後の文章が繋がっていなくて失笑してしまいました。
振り分け作業をやっておかないと詰む
よくわからないながらも検索開始時点で直感と経験値でなんとなく何かを察し、発見したファイルは全て「お気に入り」と「後で閲覧する」に振り分けていきました。
振り分けはできたものの、お気に入りと後で閲覧するリストの表示方法がわからなくてしばらくまごまごしました。
後ではっきりわかりましたが、これをやっておかないと後でめちゃくちゃ困ります。この時点でできれば見たファイルも「後で閲覧する」にでも入れておけばよかったですね。
動画ファイルは大体30秒前後で、その他に画像ファイルなどもありこれらを「後で閲覧する」に振り分けましたが、匂わせ程度で実際に使うことはありませんでした。
発見したファイルを一覧で見返す機能はない
ここらへん説明が難しいんですが、視聴した動画は一覧画面上でアイコンが変化しますし、検索したタグは画面に残るためわかります。
ですがどのタグでどのファイルが出てくるかはわからないんですよね。
なので見逃したファイルがあると、どのタグで出てきたかわからないため総当たりになります。
タグ履歴なんかより発見したファイルをログ順に並べる機能がほしかったです。
見逃したファイルがどこにあるかもわからない
しかも発見した時点では見られないファイルが大量にあるうえ、ファイル名も適当なアルファベットの羅列、閲覧後にタイトルが【logナンバー】になるようで。
動画を閲覧する順番が決まっていないため話が飛び飛びで訳がわかりません。初めに出てきた色分けで何となく深刻度が察せられるぐらいです。
大量にある動画ファイルをもう一度ログ順に見返す気力もそのための機能もありません。
手動で何とかするしかないですがそのための手段の説明もないので最初に察せられなかったら終わりです。
結局ファイルの全てを探すことは諦めた
170だかを発見し復号化できていないファイルが2つほどあったものの、ファイルの全てを見つけたとしても何も得られないとSteamコミュニティにも書いてあったので、それらを見るためにタグを総当たりするほどの途方もない労力や時間を掛ける気にはなりませんでした。
後書き
セールで確か200円くらいで買ったので金銭的な出費はまあいいんですけど、不快な思いをするために数時間を丸々無駄にしたと思うと本当に悔しいというか腹立たしいというか……。こんなものを見るために使うお金も時間もないんですよ。
日本人だから文化的背景のニュアンスが汲み取りきれないのは勿論あると思いますが、それにしたって見せ方も酷いし。
人種・血統差別や戦争の愚かさについてこんなものを見て考えるより、アンネフランクの日記を読んだ方がずっとためになります。
そもそもタメになるものを見るためにゲームしてるんじゃねえ。