【MTG編】MTG初心者が5日でミシックrランクに到達した話【前編】
はじめましての方ははじめまして。
Card Rush Prosとして普段はポケモンカードで活動しているあむ(Twitter:@4mutaaan)です。
今回はポケモンカードの話ではなく、マジック・ザ・ギャザリング(通称MTG)の話。
ポケモンカードのチャンピオンズリーグ千葉が終わり、少しオフシーズンになった2019年の3月。初めてMTGというものに出会いめちゃくちゃドハマリして5日でミシックランクに到達したのですが、その話を今回は書こうかなと思って記事にしました。
■自己紹介
カードラッシュ様(カードラッシュメディア)からスポンサードを受け、ポケモンカード部門のプロプレイヤーとして活動をしているあむ(@4mutaaan)と申します。
TCG経験としては主にポケモンカードくらいで、DCGだとHearthstoneやShadowverseやDQRで最高ランクを達成したことがあります。
■前段
MTGのルールを初めて知ったのは3月頭。
普段ポケモンカードを一緒にやってる友人に誘われ、「ラヴニカの献身」を用いたシールドをやったのがきっかけです。
その時は友人たちにルールを教えてもらいながらやっていたので、強いカードもあまりわからず「シミックの隆盛」を軸にした青緑デッキを組み、赤黒やら飛行クリーチャーに轢き殺されました…
ボコボコに負けましたがその時のプレイ体験がとても楽しく、一気にMTGに興味を持ちました。しかしリアルカードを揃える余裕はなかったので、「MTG Arena」を始めることに。
最初はわけもわからず配布デッキで遊んでいました。初日に貰った多色デッキのマーフォークデッキが最高に楽しく、一気にモチベが上がりました。(Hearthstoneでもマーロック好きだったんですよね…)
さらにデッキを強くするためにドラフトとシールドというレギュレーションに手を出しました。ポケモンカードではこのような「パックから出たカードで戦う」レギュレーションに触れたことがなかったので、面白さと奥深さにハマり10時間くらい回し続けていました…
そしてついに配布デッキをすべて貰った自分は、ドラフトなどで得たカードを入れ意気揚々と構築戦へと足を踏み入れました!
「ぼくのかんがえたさいきょうのまーふぉーく!」
■ぶち当たる壁
ゴールドランクまでは負けてもランクが下がらないため、マーフォークデッキで順調にあがっていましたが、そこから壁にぶち当たりました。ここからは勝率50%を超えなければランクを上げることが出来ません。
①土地とかいう概念なんなんだ
ShadowverseやHearthstoneでは勝手に毎ターンマナが増えていくのに…
土地を引かないストレス、土地を引きすぎるストレスに頭を抱えます。
②手札ないねんけど
ポケモンカードは豊富なドロー手段・サーチ手段があるため、手札が尽きることはほぼありませんし、多少のことでは事故りません。
手札アドという概念を忘れ去っていた自分には爽快感が足りなく感じるようになってきました。
(プラターヌ博士がほしい…)
③打点計算意味わからん
これはShadowverseやHearthstoneをやっていたからこその弊害かもしれません。
最初は「1/3」のクリーチャーで攻撃し、「1/1」のクリーチャー3体にブロックされた場合全員倒せると思っていました。だって攻撃力1じゃん。
MTGにおける「攻撃力」とは「攻撃力の数値を割り振る」という行為だとわかってからようやく理解することが出来ました。
「先制攻撃」「二段攻撃」「接死」「トランプル」といったワードも最初は難しかったですね。
(ドミナリアシールドではこのカードに苦しめられた…)
というかここら辺に関しては最低限ルール読んでからやり始めるべきだったかもしれません。今から始める方は是非基本的なルールだけ目を通してみましょう!!!思ったよりMTGは始めやすいですよ!!!
MTG 基本ルールブック
https://mtg-jp.com/start/pdf/JP_MTGM14_Rulebook_Web.pdf
④除去強すぎへん???
2コストの単体除去の多さから、4コスでの全体除去まで優秀な除去があまりにも多すぎます。
初めて食らった時はブチ切れました。あまりにもズルすぎる。
(彼らの思うようにやらせていると、机が耐えられない……)
■壁の打開
これらの壁にぶち当たり、インターネットやyoutube・Twitchなどでもっと勝てるデッキを探し始めることにしました。
そしてこれらの壁を解決出来るデッキとしてたどり着いたのは
「青単」
でした。
このデッキはMTG初心者の自分にとって完全に正解と言えるベストデッキでした。(※リストは2019年3月当時のもの)
・優秀な低コストクリーチャー。
・最大コストも3マナと使いやすい。
・「執着的探訪」「選択」や「航路の作成」といったドローカードの存在。(ポケモンカードには劣るが…)
・強すぎる除去に対する強すぎるカウンター呪文。
・飛行・アンブロという対面拒否能力のおかげで、コンバットに関しても考えることが少ない。
・デッキが比較的低コストなこと
今はスタン落ち(10月頃に一部の古いカードが使えなくなってしまう)の直前なのでオススメしにくいですが、初心者の方でデッキを悩んでいる方は余裕があれば使ってみてください。
◆結果
初めはあまり勝てませんでしたが、青単というデッキの理解度が高まっていくと、そのデッキパワーのおかげで2日目にはプラチナ4に。そのまま止まることなくプラチナ1まで上がれました。
そこからダイアモンド4にて多少足踏みし、赤単や白単など他の単色デッキを試す時間に。
MTG Arenaはゴールド4、プラチナ4、ダイアモンド4のタイミングではいくら負けてもランクが下がらないので、色々なデッキを試しながら練習するとストレスなく回せていいですね!
その中で白単の爆発力に惹かれ、すんなりとミシックに到達。
無事に構築戦を始めて5日目にミシックランクになることが出来ました。
そして最終的には月末1000位以内でフィニッシュすることもでき、ミシックチャンピオンシップ予選というものに出る権利も得ることが出来ました。(残念ながらポケモンカードの大会と被ってしまったため不参加でしたが…)
■何をやったのか?
もちろんミシックになるまでの5日間、無意味にラダーを回しまくっていたわけではありません。
主に意識したのは「上級者との差を認識する」ということ。
もちろんカードゲームなので、多少の運要素で上振れれば実力以上の相手にも勝てることはあります。しかし基本的な実力を上げなければ根本的な解決にはなりません。
MTGは歴史が長く、明らかに実力の高いプロプレイヤーが数多く存在します。彼らの記事や配信を見まくることで、自分との差が何なのかを少しずつ言語化しました。
特に行弘賢さんの配信がためになりました。youtubeリンク
なぜ?をさりげなく言語化してくれていて、初心者目線でもなぜそういうプレイをするのか、なぜそういう構築をするのかが理解しやすかったです。特に青単のプレイングを学ぶ上でめちゃくちゃお世話になりました…
他にはTwitchのMTGA配信の中で、自分の知りたいデッキタイプを回している人の配信を複数窓で見ていました。
その中で気がついた初心者の自分に足りていなかった3つのスキルをまとめます。
①マリガン
このゲームにおいてマリガンの基準を持つことが大事だと再認識しました。
ポケモンカードのように豊富なドローソースがあるわけではないので、限られた手札からどのような試合展開を作っていくか考えなければなりません。
今はマリガン形式が「ロンドンマリガン」という形式になっているので、比較的マリガンがしやすい環境です。
「とりあえず不安に思ったらマリガンしてみる」→「マリガンして良かったor悪かったを認識」→「改善」を必ず各試合意識するようにしていました。
②特定のデッキに対するプレイ
当時のメタでいうと「スゥルタイミッドレンジ、赤単、エスパーコン」といったような流行りのデッキに対してプレイがガバガバだった自信があります。
どのカードゲームでも同じことですが、特定のデッキ相手のプレイを鍛えるためには、まず相手のデッキを理解し、デッキの回し方やカードの使い方を知っておくことが大事です。
そのためマジでムカつく動きをしてくる「エスパーコン」「赤単」といったデッキを使用している配信者をTwitchで片っ端から漁り、3~4窓くらい同時に見ながらプレイしていました。一気に同時視聴することで経験値も爆アドです。
その結果こちらが青単であれば、3マナ到達したからといって意気揚々と「大嵐のジン」を出すのではなく、潜水や呪文貫きなどのカウンターを抱えた上でプレイしていくという基本的な動きも理解出来るようになりました。普段プレイしているカードゲームとは違い、MTGは相手ターン中にも行動できるため、相手から見てどう見えているのか?を強く意識することが大事だと感じました。
(※Sjow vsエスパーコン相手のプレイ:アタックしてエンド。えっなんで!って思って急いでスクショしたため、相手の盤面映してないです…すいません。)
多分何もわかっていない時の自分ならこのターン徴税人を出して殴っていたのですが、改めて相手の手札枚数や自分のリソースを考えた場合、確かにこのまま殴りきって勝つ未来も見えるし、全体除去を食らった場合でも徴税人と土地で削りきれそう。相手のライフを詰め切るために何を割り切って、何をケアして動くのか。相手からみて自分がどう見えているのか。そういった考えがSjowさんの配信からは吸収出来て、白単だけでなく対戦相手のデッキも合わせて理解度がかなり上がりました。
上手い人からは思う存分吸収しよう、一番の近道です。
③選択肢の多さと正答率
カードゲームでは「プレイング」という言葉がありますが、個人的に「正しいプレイング」とは「常に正しい選択をし続けること」だと考えています。
そのために必要なことは2点。
・選択肢の幅を広げること
・選択肢の中から正解を選ぶ力
まずは選択肢の幅を広げること。これは自分1人でやっていても上達はかなり遅いと考えます。シャドウバースのような「リプレイ機能」があるゲームであれば、振り返りを行うのは一人でも可能な範囲だと思いますが、あいにく今の所そういった機能はありません。
やはりいちばんの近道は、一人で考え抜くより他人の視点や意見を取りに入れることだと思います。自分はたまたまMTGをそれなりにやっている知り合いがいたので、マリガンやらコンバットに悩んだら逐一LINEグループに投げていました。わからないことは恥じゃない。
選択肢の幅を一気に広げることは難しいですが、意識的に取り組んでいれば徐々に増やすことが出来るので、根気よく頑張りましょう。他人は頼り得。
また、選択肢の幅を広げた上で大事なこととして、「選択肢の中からより正解に近い択を選ぶこと」があります。
これに必要なのは「経験」と「知識」。とにかく試合数をこなし、しっかりと勝ち負けの要因を振り返れれば「経験」は身についていきます。
「知識」を身につけるためには様々な方法がありますが、これも最も早く効率的なのは「知識を持っている人から吸収すること」だと思います。
コミュニティを形成し、積極的に頼る。自分より上手いと感じる人から色々と引き出していく。プロや上級者のプレイから学ぶ。
これらの学ぶ段階で大事なこととして「どの選択肢を選んだか」を単に学ぶのではなく「どのようなプロセスでその選択肢を選んだか」を吸収することが大事です。
カードゲームというものは基本的に完全に同じ盤面が再現されることはほぼありません。そのため、どの選択肢を選んでいたかというより、どう考えてその選択肢を選んでいたかを把握するべきです。その点上記であげた行弘プロの配信は思考の過程を声に出してくれているため、勉強になりました。
■最後に
MTGという別のカードゲームを初心者の立場でプレイすることで、自分の中でポケモンカードに通ずる学びを色々と得ることが出来ました。
ここで書いたように意識的に脱初心者をすることも出来ますが、なんだかんだ一番大事なのは「楽しむ」ことだな、と。
「楽しい」と感じれば学習コストや学習のハードルも低く感じますし、続きやすくなると思います。MTG楽しい…
強くなった先で強いプレイヤーたちと競技的に取り組んだとしても、さらに強くなるためのプロセスや練習することを苦痛に感じてしまうと途端にカードゲームに向き合うのがキツくなってしまいます。楽しい仲間と楽しくプレイすることが一番の上達への近道かもしれませんね。
多分この記事は
【MTG編】MTG初心者がグランプリに参加するまで【後編】
へ続きます。恐らくグランプリの話や、リアルでMTGをやる面白さと難しさについて感じたことを書いていきますね。いつになるかはわかりませんが、後編も是非よろしくお願いいたします。