まさに大人のお伽話「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
鑑賞前
どうでもいいけど、英文を全部カタカナで表記するとすごくダサくないですか…?"Once upon a time in Hollywood"くらい読めそうな人しか見に来ない気がするんですがどうですかねえ…。いっそ「昔々、ハリウッドで…」って邦題にするとか、完全に変えてしまうとか。
まあそれはともかく。この舞台となった1969ハリウッドを知るには、シャロン・テート(映画ではマーゴット・ロビーが演じる)殺人事件を知っとくべき、とのことで、以下の記事他いくつか読んで予備知識入れました。
サムネイルのマーゴット・ロビーすごく綺麗で、いかにも在りし日のハリウッド女優、って感じで良い。日本のポスターはもっと彼女もフューチャーしてほしいものだ。なんか、ブラピ、ディカプリオ以降のハリウッド俳優は、知らなくて当然みたいな暗黙の了解ないか、日本の映画宣伝界?
ちなみに映画館でムビチケを買うと、よくポスターに使われているブラピ&レオが並んだ絵柄と、マーゴット・ロビーが一人で写ったポスターの絵柄のいずれかを選べる。私は迷わずマーゴット・ロビーを選択!
鑑賞後
いやー良かった。私はタランティーノ作品を今まで劇場で見たことは無く、イングロリアス・バスターズは途中で見ることを断念、ヘイトフルエイトは全部見たけどちょっと後悔するくらい合わなかった人なので、タランティーノとは相性悪いのかな、と心配していたけど、そんな私でも見終わって、心から楽しかった!と思える作品でした。
50年前のハリウッド。TVドラマで一世を風靡したリック・ダルトンとそのスタントダブル、クリフ・ブースは、お互い伸び悩む自分たちのキャリアに苦悩していた。一方、となりに越してきたロマン・ポランスキーとシャロン・テート夫妻は、今をときめく映画監督と女優として、ハリウッドでの生活を謳歌していた。そんな彼らの一日と、その半年後を描く物語。
とにかく作り込みが素晴らしい。架空の人物であるリックが出演したドラマ、映画へのそれっぽさ、セットの豪華さなど、どのシーンにも作り手のこだわりがつまっている。また、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオの二人が画面にいるだけで、何気ないシーンでも色香漂う雰囲気を感じる。屋根を直すだけのシーンがこんなに見応えあるの、彼らだけだよ!
実在の人物との絡みも素晴らしいね。公開前にブルース・リーの描き方に遺族から非難があって、パンフにも描かれていたけど、私的には十分リスペクトしていたと思うけどなあ。
大好きなシーンは沢山ありますが、落ち目になって悪役として出演しているセットでの、8歳の子役と絡むシーンは本当に最高。トレイラーにも一部ありましたが、前後のやりとりも含め、非常に味わいのあるシーンとなっていました。子役のジュリア・バターズも超キュート。子役と言えば、ダコタ・ファニングもすごく意外な役で出てます。ちょっと前は自閉症の女性演じたり、本当に演技派だなこの人…。
あと意外と犬映画。ブラピがトレイラーハウスで飼っている、愛犬ブランディとのやりとりがユーモア溢れてとてもほほえましかった。しかもこれが終盤への大事な伏線へ…。
そしてクライマックス。例の悲劇へとカウントダウンが始まるのですが、ここでここまで描いたリックとクリフの全ての物語が伏線となって、もの凄い結末へ突き進んでいきました。これはもう痛快!是非劇場で確かめてほしい。
一応オチは濁しましたが、ストーリーは私が予想していた内容とほぼ同じでした。それでも全てのシーンがいとおしく、劇場に出るときとても幸せな気分になれたのは、ちょっと最近の辛い事件ともリンクしていたのかなあ、とかも思ったり。
改めて、私はタランティーノ作品には造詣が深くないし、60年代ハリウッド事情にも詳しくありませんが、それでも今年見た映画の中でも上位に来るくらい良い作品だと感じました。
事前の紹介で、興味あるけど色々知ってないと楽しめないのでは?とハードルを感じている人にも安心しておすすめできる映画でした。
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