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ベイビーわるきゅーれエブリデイ!は今季最高のドラマです。

キャラクターよし、アクションよし、ストーリーもよしで言う事なしの作品です。

「ベイビーわるきゅーれエブリデイ」は、映画「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの続編に当たるドラマシリーズです。
現在映画は3作で、「ベイビーわるきゅーれ」「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」「ベイビーわるきゅーれナイスデイズ」の順で物語は進んでおり、ちさととまひろ、女性二人の殺し屋コンビがゆるーく殺しを行うアクション・コメディ的な内容になっています。
そのアクションが凄まじいことは過去の感想でも述べていますので、よろしければ上記のリンクから各作の感想を読んでいただけると幸いです。
ドラマのエブリデイ!(以下ベビエブ)と映画が時系列が公開順に繋がっていますが、どれも単体で見ても問題なく楽しめます(ナイスデイズだけ鑑賞した妻もとても楽しめていました)。
とはいえ、続編で過去作に関するセリフや、過去の戦いで受けた傷の影響が出ているシーンなどがありますので、見ているとより楽しめることは間違いないです。映画版は今なら各種配信サイトで見放題配信中です。

さて、ベビエブは毎週深夜に30分のドラマ枠で放送されています。これは「量産型リコ-プラモ女子の人生組み立て記-」などが放送されているのと同じ枠なのかな、と。あっちは1週遅れでBSテレ東でも放送されていたので全国で放送を見れましたが、ベビエブには無いので地方民は配信で見ることに。TVerなどでも見れますが、U-NEXTだったら全話配信していますので、これから追いつくなら無料期間で全話見れます。

ベビエブのストーリーは大まかに前後編仕立てなっていて、前半が「風林火山編」。伝説の殺し屋のプロジェクトに加わって合宿に参加するというもの。こちらのゲストキャストは本田博太郎さんで、ガメラ大怪獣空中決戦で「ガメラは今、どこに居るのでしょう」と呟いて中山忍さんに「身勝手すぎます!」と怒られた人です。今回も大御所殺し屋として、身勝手な振る舞いをやり続けた結果、長年マネージャーを務めていた草川拓弥さんにぶち殺される羽目になるやくでした。
風林火山編は理不尽な上司のオーダーに右往左往させられるお仕事ものとしても面白かったですし、草川拓弥さん演じる夏目の、良きパートナーを得られなかったゆえに自滅するという、ナイスデイズで池松壮亮さんが演じた冬村かえでと対になるような描写も印象的でした。さっきまで苦楽を共にしていた夏目を粛清する戦いも、切なくもキレッキレでした。

後半は現在11話まで放送中の「ジョブローテーション編」。コンビの殺し屋でずっと仕事をしてきた二人が別々の業務に就くお話になっています。ちさとは営業部でパワハラ上司にメンタルを削られる一方、まひろは粛清さんの相棒として協会の決まりを破った殺し屋を粛清しつつ、粛清さんを粛清するという二重スパイみたいな仕事の中で板挟みに。
ジョブローテーション編は本当にキリキリと胃が痛むような展開が多かったです。しかしここもシリーズを追って見ていると、第1作でヤクザの理不尽な行動に切れて撃ち殺してしまったちさとが上司の理不尽なパワハラに耐え、ちさと以外とのコミュニケーションが困難だったまひろが粛清さんを騙すまでにコミュニケーションが取れるようになっていたりと、二人の目を見張る成長が感じられる嬉しいポイントがあり、ずっと見ててよかったなあ、と思ったりもしました。
なお、粛清さんを演じているのは柄本時生さん。私が最近見た作品だとNetflixの忍びの家や、鬼平犯科帳シリーズで記憶に残る役を演じていました。ベビエブでは気だるそうな雰囲気ながら、淡々とかつての同僚であった殺し屋たちを粛清する役柄を好演していました。

その昨日放送、現在配信中の11話が本当に良かったのですが、何がいいってまひろからちさとへの愛の告白ですよ。「ちさとを泣かせる奴は私が殺す。これが私が殺し屋をやる意味」という、本当の意味での「殺し文句」に痺れました。第1作からゆるーく、それが一番才能を活かせるから、くらいの感覚で殺し屋をやっているように見えた二人がここで、二人で生きていくために殺し屋を続けると決意した瞬間の尊さ。それが今まで所属していた協会への反旗だとしても、彼女たちの強さが絶対に見えた瞬間でした。

二人の絆が本当に尊い作品ですが、一方でベビエブ、というかベイビーわるきゅーれ全般には、女性だからセクシーとか可愛さとか、そういう露出部分を強調するシリーズになっていないところも素晴ポイントです。殺し屋だから女性の武器を使って、とかそういうお色気要素は感じられず、戦闘シーンも本当ガチのスキルで戦い合う。なんなら戦いの中で敵同士が分かり合うくらいのガチンコさが素敵です。ここは監督・脚本を担当した阪元裕吾さんも常に強調しているところで、こういうアクション映画、ドラマが日本で生まれたことは、本当にこれからの実写映画・ドラマ界の財産になっていくと思っています。

11話は、それまで単なるブラック部署かと思いきや、ガッツリ明らかになった営業部の闇と戦う展開なので、夏目の時のような分かり合いは一切なく、それはそれで爽快な戦いで見ていてすっとしました。しかし2ベイビーの兄弟もここに絡んでくるとは。視聴者的には営業部へのヘイトが深まる真相だったと思います。
ここでのアクションは、コインランドリーで二人と営業部長である山下との戦闘になりますが、2ベイビーの銀行での戦闘など、シチュエーションにこだわったアクションの良さもベビわるの楽しさですね。残った衣料品を使って動きを封じるなど、アイディアとコンビネーションが伝わる素晴らしいアクションだったと思います。

余談ですが、11話まで見て感じたのが、ベビわる世界では因果応報が結構しっかり描かれているのではないかということ。外道な行いをした人には報いを、殺し屋という世界とは言え筋を通している人にはそれなりの救いが与えられている気がします。今回対象的だった営業部と粛清さんの結末を見て、これがちさととまひろのこれからにも繋がっていくのでは、と想像します。

日本の地上波ドラマだと、銃を使ったアクションなんてほとんど見られない昨今。そんな中でベビエブは、深夜枠30分ドラマながら、本当に質の高いアクションと、最新のエンタメを見せつけてくれていると思います。
来週の最終回を前に、今からでも沢山の人に見てほしいとの願いから本noteを書かせていただきました。

今からU-NEXT入ってでも見るんだー。



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