Tom Robinson Band「The Albums 1978-79」
2023年のNo.1リイシュー(俺調べ)だったTom Robinson Band「The Albums 1978-79」、宣伝文句は一応EMIに残したレコーディング音源を全て収録ってことになっているけど、ライナーにも収録物に関して詳しい解説もないようなので、本当なのか調べてみました。
前段
今回のCD、実はTom Robinsonが制作に関わってないのがポイント。非公認ってわけではなく、CD発売を告知するメールでは「僕が選曲したわけじゃないけどよろしく~」(意訳)みたいに書いてました。それ故に、今回は本人がお気に召してない曲も含まれているのが特徴。今回これを書くにあたり参考にしたのは当然本人のWebサイトとかDiscogsにはなるのですが、最大の参考資料になっているのはファンが作ったらしいPDF。Tom Robinsonのニュースレターや承認が必要なFacebookグループで紹介はされているのですが、アドレスを公開しているのを見つけられませんでした。「Feel free to share it with other fans」とは書いてあるので、欲しい人がいたら是非ご一報を。
公認アンソロジー/公認リイシュー/公認ベスト
先の告知メールでも「みんな持ってると思うけど」(意訳)と書いていた2013年リリースのCD3枚+DVD1枚の「The Anthology 1977-1979」が選曲も本人で、ライブを含むBBCラジオ音源も多数収録した正規アンソロジーって位置付けになるのかもしれません。ライブを含むラジオ音源はこれでしか聴けません。収録も基本的に発売(録音)順。だがしかし、本人選曲により先にも書いたお気に召してない曲や微妙に名義が違う曲がオミットされており、コンプリート盤とは言えない。そんな正規アンソロジーから遡ること9年、2004年にはオリジナルアルバム2枚にボーナストラックを大量に追加したリイシューが本人監修のもと出ています。こちらには2013年アンソロジーには入らなかった曲もボーナストラックとして収録されているのがちょっとややこしいことにはなっています。このリイシューからさらに遡ること7年、1997年にはTom Robinson Band単体の公認ベスト「Rising Free」が発売。以上3アイテムをそれぞれ「2013年アンソロジー」「2004年リイシュー」「97年ベスト」として今回の収録曲と比べつつ、次段から今回の「The Albums 1978-79」について書いていきます。アルバムタイトルにあるように、「The Albums 1978-79」はオリジナルアルバム2枚のリイシュー+ボーナスというのが基本の形です。
Disc 1「Power In The Darkness」
1~10が問答無用の名盤ファーストアルバム「Power In The Darkness」収録。11~12がシングル「2-4-6-8 Motorway」。「2-4-6-8 Motorway」は日本などでは当時アルバムの1曲目に収録されていましたが、英国オリジナルLPには未収録。12はタイトルを見ての通りBob Dylanの曲で、当時冤罪で投獄されていた人(シングルの裏ジャケットはその人の写真)への支援ソングとしてカバー。13はアルバムからのシングル「Up Against The Wall」のB面曲。14~17はアルバムに先駆けて発売されたライブEP「Rising Free....」収録。当時アメリカとカナダで「Power In The Darkness」は11~17をまとめた12インチ盤が付いた2枚組として発売。2004年リイシューはそのアメリカ仕様+ボーナス曲としてのリイシューでした。とはいえ、11~17は97年ベストにも全曲収録、2013年アンソロジーにも当然収録。18~20は「Rising Free....」のアウトテイク。18~19の初出は1981年発売のアルバム未収録曲を集めた編集盤「Tom Robinson Band(以下通称:Rest Of Best)」、20の初出は97年ベストで、そちらのベスト盤には19も収録(詳しくは後述)。ちなみに、2004年リイシュー盤に18~19、2013年アンソロジーに18~20は未収録と微妙に小出しにはされていた「Rising Free....」アウトテイク集がやっとまとめられた形になり、18は待望の初CD化で今回の目玉と言えるかもしれません。この18のCD化により当時発売された音源はこれで全てCD化されたと思われたのですが…。実は後に書く疑惑の音源も存在。蛇足ですが、ライブEP「Rising Fre…」収録曲は編集盤によっては曲間のMCなどがカットされたシンプルに曲だけになってる場合もある。
Disc 1余談
せっかくなので今回目玉ともいえる初CD化音源「Winter Of '79 (Live)」についてもう少し。2024年1月現在Amazon Primeでも見ることができる、70年代末の英国でのRock Against Racismを扱った映画「白い暴動」内での当時RAR活動に携わっていたスタッフの発言によると、一番支持されていたのがこの曲だったとのこと。映画内での音楽面に関してはどうしても知名度や素材の問題なのかThe Clashの話が多いのですが、78年に行われたRARのイベントではThe Clashを押しのけてトリを務めたTom Robinson Band。今回収録された77年末の演奏はまさにそうした支持を集めていた真っ最中の熱い演奏になります。81年「Rest Of Best」ライナーによるとTom Robinson自身は歌が上手くいってない部分などもあり不満もあるけど、Danny Kustowのギターが素晴らしいので収録したとあります。確かに間奏で聴ける徐々に盛り上がる伸びやかで情感たっぷりのギターソロは名演だと思います。
Disc 2 「TRB Two」
1~11はキーボードとドラムが変わり79年に発売されたTodd Rundgrenプロデュースによる「TRB Two」収録曲。Disc 2の追加曲はやや複雑なのでそれぞれ分けて書きましょう。
「Our People」
12はシングル「Bully For You」B面。こちらが問題のTom Robinson本人が「不要な曲」とはっきり書いた文献もある、なかったことにしたいらしい曲。なので97年ベストをはじめ2004年リイシュー、2013年アンソロジーなど本人が関わる再発には今まで未収録。「地味ながら佳曲」って感じの曲が続く「TRB Two」期の中でもひと際印象に残らない曲だし、アレンジもあまり良くない気がする。とはいえこの曲も初CD化ではなく、1996年発売のレコード会社主導のベスト盤「Gold Collection」には収録。ただこの「Gold Collection」、いかにも熱いパンクロッカーといったシャウトするTom Robinsonがジャケットを飾り、収録曲も全てTom Robinson Bandなのに名義がTom Robinsonでの発売なので要注意。Tom Robinson Band名義だけれども、ギターを抱えてにっこり微笑む90年代のTom Robinsonの写真を使った「The Best Of Tom Robinson Band」は同内容で、こちらの盤の方が日本で中古で見かけることが多い気がします。
「Bully For You (Rough Mix)」
13は書かれた通りの同曲のラフミックスで、ドラムのエフェクトが薄かったりボーカルがシングルトラックだったりでバンドっぽい音に仕上がっており、正規バージョンと印象が結構違う。初出は81年「Rest Of Best」。2004年リイシュー、2013年アンソロジーには未収録だけれど、97年ベストには収録。ただ、97年ベストにRough Mixであることはどこにも書いてなく、しれっと入っている。これはミスなのかTom Robinson的にはこちらのミックスを正規にしたいのかは謎。
「Suits Me Suits You (LP Demo)」
14はアルバム制作に向けたデモ録音で、この曲のみファーストをプロデュースしたChris Thomasとのセッションで、ドラムも前任のDolphin Taylor。初出は94年にTom Robinsonファンクラブで配布(?)された「Castaway Club Vol.1」で、初出時のみタイトルは「Trust Me, Trust You」(音源は同じ)。2004年リイシュー、2013年アンソロジーにも収録された最早レギュラーメンバーともいえる名曲。切ないメロディが素晴らしく、下手したらTom Robinson Bandで一番好きな曲かもしれません。ただ、中盤以降少しアレンジがまだ練れていなかったり、ギターもアコギしか入ってなかったりで完成まで行かなかったのが悔やまれる。2004年リイシューのライナーによると、90年代半ばにこの曲のテープが発見された際はバックトラックと未完成の歌詞だったとあり、その後Tom Robinsonが自身のスタジオで完成させたと書いてある。確かにサビと大サビだけボーカルの質感が変わり、Aメロ~Bメロの方が声は若いように聴こえるので、サビ~大サビのボーカルを後から録ったのかな?ちなみに、2004年リイシューでは「初出」ってことになってます。一般発売では、という意味ですかね。
「Never Gonna Fall In Love... (Again)」
15~17はシングル「Never Gonna Fall In Love... (Again)」関連。Elton Johnとの共作曲である「Never Gonna Fall In Love... (Again)」は発売当時のクレジットはTom Robinson With The Voice Squad。演奏自体は当時のTom Robinson Bandの様子。97年ベストや2004年リイシューには収録されていますが名義の関係か2013年アンソロジーには未収録。17はその名の通り12インチバージョン。7インチはフェードアウトだけど12インチはフルエンディング。12インチVer後半はVoice Squadの皆さんによるディスコっぽいコーラスが盛り上げますが、ただ長いだけって感じもしなくはないです。Discogsによると12インチがリリースされたのはドイツとフランスだけのようですが、実際はどうだったのでしょうか。12インチverのCD化は87年発売「The Collection 1977-'87」以来35年ぶり。こちらのベスト盤やオリジナルの12インチを確認できてないのですが、今回収録の音源はイントロ部分で顕著なように全体でも音像がかなり怪しく、あまり状態の良くないテープか盤起こしの可能性あり。16はB面曲で、こちらは発売当時からTom Robinson Band名義。オリジナルのTom Robinson Bandとしては最後の音源になりますかね。こちらはカバー曲で、詳しくは調べきれなかったのですが、70年代にニューヨークで活動していたゲイ劇団の人が書いた曲のようです。こちらも97年ベスト、2004年リイシュー、2013年アンソロジー全てに収録。
「2-4-6-8 Motorway (Original Demo)」
ラストは代表曲でもある大ヒット曲のデモ録音。1977年1月録音なので、本当にバンド始動直後の音源らしい。イントロからハーモニカが旋律を奏で、ギターの歪みも殆どなく、キーボードもピアノがコードをなぞる程度で、とてものどかな雰囲気。こちらも現物が確認できてないのですが、演奏時間などを調べる限り初出は1997年ファンクラブ向けCDの「Castaway Club Vol.4」。「Castaway Club Vol 4」には演奏時間が2分ほど短い同曲のデモも収録されており、それがどのような音源か気になります。一般発売という意味では2004年リイシューの何故か「TRB Two」の方に収録。2013年アンソロジーには未収録。
それでも未収録の音源はある
確かに今回の2枚組、過去のリイシューでバラバラだったり漏れていた曲やバージョンも収録したEMIにおけるコンプリート(これまで一般発売された)盤のように見えます。ですが、数曲のバージョンや音源漏れが確認されています。以下詳細。
「I Shall Be Released」
「2-4-6-8 Motorway」B面曲で、これまでも散々編集盤などに収録されていた曲が何故に漏れ?と思うでしょうが、実はこのカバー、Tom Robinsonによりオリジナルにはないぐっと盛り上がるCメロというか大サビが追加されており長年そのままになっていたのですが、時期不明ながら作者側から指摘があったようで、2004年リイシュー以降は追加した部分(約20秒)をカットした短縮版での収録になっています。今回も当然短縮版。短縮版単体で聴くとあまり違和感はないのですが、よく聴くとギターソロの前が不自然な感じに聴こえると思います。なので全長版は97年ベストまで遡らないと聴けません。それ以前の複数の編集盤も全長版ではありますが、今後全長版の新規リリースは難しいのではと予想されますので、97年ベストをはじめとした編集盤は押さえておく必要がありそうです。
「I'm All Right Jack (Live)」
先に書いたように、初出81年「Rest Of Best」で97年ベストにも収録されたライブバージョンですが、実は「Rest Of Best」だけ別テイク。実は今回、「Rest Of Best」以降初めて「Winter Of '79 (Live)」が収録されると知り、「I'm All Right Jack (Live)」も「Rest Of Best」収録テイクが入るかと期待しましたが、今回は97年ベストと同じ音源でした。というか、97年ベストには「I'm All Right Jack (Live)」は未発表音源とクレジットされているので、そこは間違いではないのです。何故過去に発表された同曲のライブテイクを97年ベストで差し替えたのかは謎ですが、81年「Rest Of Best」収録の方のテイクは現状でも未CD化のままとなりました。個人の感想になりますが、81年版と97年以降版を比べると、確かに97年以降版の方が良い出来かなとは思います。
「Elgin Avenue」
2004年リイシュー初出で2013年アンソロジーにも収録された「Elgin Avenue」も今回収録なしでした。ただ、この曲はスタジオ録音ではなく78年のライブテイクしか残っていないようです。EMI向けの録音ではないライブ音源のみだからオミットされたのか忘れられたのかは謎ですが、バンドの快調さを物語る良い演奏の曲ではあるので、時間余ってるなら入ってても良いんじゃない?とは思います。
「TRB Two」2004年リイシューに収録されていた再結成音源
1989年にドラマーDolphin Taylor以外のファーストアルバム時のメンバーで再結成された際にスタジオ録音された「Number One Protection」と「We Didn't Know What Was Going On」も今回のタイトルに反するので当然未収録。2曲とも初出は再結成ライブ音源がメインの「The Winter Of 89」。この「The Winter Of 89」はジャケットやタイトルを変えて何回かリイシューされているのですが、オリジナル盤以外は本人曰く「海賊盤」で、正規のライセンス品ではないそうなので要注意。「Suits Me Suits You」の項で書いた「Castaway Club Vol.1」にはこの再結成時のデモ録音が複数収録されており、中にはTom Robinson Band用の録音(デモって意味なのかな)としながらも、ギターには後にTom Rosinsonと共作アルバムを作り最終的にはKing Crimsonのボーカルにまで昇りつめたJakko M. Jakszykが参加してる曲などもあり。逆にJakko M. Jakszykとの共作アルバムに収録された曲のTom Robinson Bandとして(ギターがDanny Kustow)の録音も。余談ですが、この再結成も早々に喧嘩別れだったとされ、Tom Robinson曰くDolphin Taylorの不参加は「賢明な判断」だったそう。その不参加を埋めたこの再結成時のドラムを務めたSteve Creeseは元Lotus Eatersってのが何となく不思議な感じもする。
2013年アンソロジー収録のラジオ音源
先にも書いたように、Tom Robinson BandがBBCラジオのために録音されたも今回のタイトルに反するので未収録。CDでは2013年アンソロジーのみに収録されています。お馴染みのJohn Peel Sessionからは77年11月の4曲と79年3月の4曲、「In Concert」は78年3月と79年4月の2回分が収録されています。John Peel SessionではCD収録の4曲のうち実際に放送されたのは3曲(「Up Against The Wall」が未放送)の模様なのですが、YouTubeには同セッション用という「Martin」もアップロードされており、これは後のアレンジとは違ってベースやドラムが入っており、キーボードもオルガンだったりで興味深い出来で未CD化が惜しまれる。79年4月分は当時のキーボード奏者Ian Parkerが歌う「Law And Order」がCD未収録。まぁ何となく理由はわからなくもない。「In Concert」の2回分も当時のTranscription盤(78年3月回はBe-Bop Deluxeとのスプリット盤)からそれぞれ数曲未収録あり。この辺のラジオ音源もいつか別個にまとめられて発売されると良いなと思います。
疑惑の「2-4-6-8 Motorway(Live)」
どうした事情があるのかわかりませんが、1987年に再発されたシングルではA面がライブバージョン、B面が通常のスタジオバージョンでした。12インチも発売され、B面に「Glad To Be Gay」のTom Robinson&Crewとしてのライブバージョンが収録。A面のライブバージョンはクレジットによると「Recorded at the Lyceum, London Dec’77」だそうで、ライブEP「Rising Free…」のアウトテイクだと思われます。クレジット上は。でも、実際聴くとスネアにはバスン!と80年代風のエフェクトがかかった音になっている。タム回しはDolphin Taylorっぽいフレーズではあるのですが、最大の違和感はサビの「2!-4!-6!-8!」の所でもスネアが2拍4拍しか鳴ってないんですよね。今確認できる近い時期(だけじゃなく今に至るまで)の音源を聴いても、そうした叩き方をしている音源はなく、ちゃんと1拍ずつスネアとシンバルのアクセントが入っている。ギターはDanny Kustowっぽくは聴こえますし、ボーカルの声も70年代の若さが感じられはするのですが…。実は12インチB面に収録の「Glad To Be Gay」はクレジットが87年の録音とあり、このシングルと同年発売の「The Collection 1977-'87」に収録された後、その2年後に発売されたTom Robinsonソロ名義のライブ盤「Last Tango」にも同じテイクが収録されており、ってことはもしかして…と「Last Tango」の「2-4-6-8 Motorway」を確認するも別バージョン。ちなみに、この「Last Tango」も複雑なアイテムで、元々ドイツのみでのリリースだったり、87年リリースのTom Robinson&Crew名義のライブ盤「Midnight At The Fringe」(録音は83年)と多くの収録曲がかぶっていて(「Midnight At The Fringe」には「2-4-6-8 Motorway」は未収録)、後に「Midnight At The Fringe」に吸収合併されるも「Midnight At The Fringe」もLPとCDで収録曲が違っていたりで、頭を整理しても追いついていくのが困難な状況です。で、問題の87年シングル「2-4-6-8 Motorway」収録のライブ版は今の時点で僕が考えるのは77年のライブ録音をもとにドラムを後年足したのでは?ですかね。87年版シングルも12インチの方しか聴いてないので7インチは普通のライブだったり…はないかな。情報求む。長々と書きましたがこのライブバージョン、87年シングルにしか収録されていないようでして、未CD化だと思われます。というかTom Robinsonのディスコグラフィー的なものでもあまり触れられないアイテムではあるのですが。「Rising Free…」に関しては少なくとも3か所での録音から抜粋されているので、大量の未発表音源があると思われるので、いつかコンプリートとか出たら良いなぁと思ってはいます。
魅惑のシングルエディットとどうにもならないリミックス
その他にファーストからのシングルカットとして数曲のシングルエディットが確認されております。一応書き出しますと「Too Good To Be True」「Power In The Darkness」「Winter Of ‘79」ですか。元々ちょっと長めの「Power In The Darkness」はともかく、3分30秒程度の「Too Good To Be True」は何故にエディットバージョンを作る必要があったのか謎ですが、手持ちのシングルを聴く限りはエディットされてないように思われます。「Power In The Darkness」は確かに短くなっており、何とこのシングルエディットは1989年発売のTom Robinsonそれまでの全キャリアからセレクトされた編集盤「Back In The Old Country」に収録されCD化済。ちなみにこちらの編集盤CD、収録時間に合わせるために「Long Hot Summer」も1分半も短いバージョンを収録。これは短縮というよりはそこでフェードアウトって感じですかね。このような編集盤用に短くされたのでは、「Our People」の項目で書いた「Gold Collection」には「Power In The Darkness」を思い切って最後のリフレインのみにした珍バージョンが収録。CDの収録時間は53分程度なので何故にそこまで思い切ったかね?とは思いますが。そして最後の「Winter Of ‘79」のシングルはオーストラリアのみで発売されたようで、内容は未確認。資料によると30秒程度短くなっており、どう短くなっているか気になります。シングルエディットではないけれど、ついでにこの項目に書きますが、2004年リイシュー「Power In The Darkness」には「Power In The Darkness (2004 Remix)」なる珍品が収録。2000年代初頭にこうしたロッククラシックのリミックスが結構あったような気がしますが、これも例に漏れずリズムを足してもしかしたらコーラスも足してるダンスミックス風の仕上がり。まぁこれを誰が喜ぶんだ…とは思いますが、公式リイシューに収録されているから何とも言えないです。当然今回の「The Albums 1978-79」にはシングルエディットも2004 Remixも未収録。
結論
今回の「The Albums 1978-79」、当時発売されたという意味では「I Shall Be Released」のカットされた部分以外は収録されているとして、宣伝文句に99.8%くらいは忠実と言えるのではないでしょうか。入ってても良かったかも?なのは81年「Rest Of Best」版の「I'm All Right Jack (Live)」くらいですかねぇ。BBCのラジオ音源も数曲でも入ってたらよりベスト。87年シングル版の「2-4-6-8 Motorway(Live)」は疑問が残るので保留、シングルエディットは切っただけ前提ってことで。ちなみに今回のCD、音は良いと思います。手軽にTom Robinson Bandのほぼ全てを聴けるので、当然ながらお勧めのCDです。