シンガポールの額縁屋さん
今日素敵な話を聞きました。
シンガポールには、町のあちこち、特別でない、何気ない商店街に額縁屋さんがあるそうです。
なぜそんなにたくさん額縁屋さんが?
それは、自由にアートを楽しむ気概があるからだそう。
自分が選んだ作品を、自分の選んだ額縁でいかに仕立てるか。
その選択を多いに楽しみ、飾ってさらに楽しむ。
絵は好きなものならそれが一番。
作者が無名であろうが、子供のであろうが、落書きであろうが、原画のもつパワーと多いにコミュニケートする。
自分のお気に入りに仕立てることから作品との対話の楽しみが続くのだ。
しかしながら、日本人はとかく人目を気にしがち。
遊ぶことを恥ずかしがる傾向があるのかも。
こんなものを選ぶ自分を人はどう思うだろう?
そんなことを無意識に感じているのか、ブランド力に頼ることがしばしば。
印象派はやはりいいな、とか、やっぱり本物がいいからせめてコピーとか。
あるいは、反対に誰も知らない作品を選ぶ自分はかっこよくない!?
という価値観とか。
それは誰の価値観だろうか。
自分の純粋な好きを、忘れてないだろうか。
仕掛けられたプロモーションに乗っかってないだろうか?
本当に好きなものならもちろん、それは素敵なこと。
でも、世間の評価が高いからという理由ではつまらない。
自分の本当のお気に入りを探し続けることが自己アートセラピーでもあるとおもいます。
作品とイマジネーションの共鳴を楽しむこと。
シンガポールの人々は、それをよくご存知なのだろう。
実に遊び上手。
日常の豊さとは何だろう。
そんなことを改めて感じるきっかけとなったお話でした。