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アンチE判定からの逆転合格

1.はじめに

こんにちは。折り紙好きの数学徒です。タイトルが釣りみたいで申し訳ないです。それはさておき、僕はあまりE判定からの逆転合格という言葉が好きではありません。そんな話をしていこうと思います。

2.一年前

一年前、僕はいわゆる受験学年だった。僕の通っていた高校では毎年梅花芳と呼ばれる合格体験記が春に配られる。どのくらい生徒が興味を持って読んでいるのかは分からないが、ある程度東大、東北大の体験記は読む人が多いのではないだろうか。授業で紹介する先生もいるし。学校の合格体験記なので、少し皮肉めいた言い方をすると、”お利口さん”が選ばれる傾向は正直なところある。それは仕方のないことである。

しかし、東大は違う、いや違かった。そもそも合格者が少ないから、例年不真面目だろうがなんだろうが、梅花芳に載せてくれるのだ。まあ違かったと書いたのは、今年は東大の合格者が過去最多だったため、全員呼ばれることはなく、何人かは残念な思いをすることになったからである。そんなこんなで東大の合格体験記は僕としては楽しみなものだった。

時期が来て、梅花芳が配られた。そこのとある東大合格者のタイトルはこのようなものだった。『勉強をするな!遊べ!』。内容は一部共感できるものだった。無駄なことを減らすことで、長時間勉強をしなくても良い。また、無駄か無駄じゃないかを自分の頭で考えて勉強をすることが大事といった内容であったと思う。僕はこの考えは好きである。効率重視はやりすぎるとこだわりすぎて勉強できなくなるとの批判もあるが、ある程度効率は考えていかないといけないだろう。しかしながら、最後の方の一文でガラッと印象が変わってしまった。

「僕は最後の模試もE判定でした。」おいおい、それじゃ自分で考えられてないじゃないか。そう思った。判定なんかあてにすんなとかいう意見はとりあえず置いておく。ある程度の信用性はあると思うので。この人はE判定なのに勉強時間を増やす、または質をあげることなく、遊んでいたのか?そんなの本番たまたま上振れして受かっただけじゃないか。勉強をするな!遊べ!がとても無責任に思えた。落ちたら不合格体験記には遊んでいたから落ちました、とでも書くのだろうか。あまりの合否バイアスと無責任さに、とても腹が立った。そしてアンチE判定からの逆転合格に、僕はなった。

2.A判定からの順当合格

E判定からの逆転合格は地方だと特に聞くのかなと思う。基本的に都内の中高一貫より仕上がりも遅いし、地方公立は最後に追い上げるとはいうが、あまりそんなこともないように僕は個人的には思う。ずっとE判定だったけど東大に突っ込むというのはよくある話なのではないか。まあ絶対に受からないというわけではないので否定はしないが、僕としてはA判定からの順当合格を推していきたい。

地方公立の東大合格者を増やしたいのなら、このA判定で順当合格する層を増やすことが大事だろう。そんな簡単な話ではないのかもしれないが、三年になってから勉強時間を急激に増やすのではなく、三年間通して安定的に勉強時間を確保することから始めるのが良いと思う。これは高校の青春を捨てろといってるのではなく、三年になっても青春を謳歌できる、ということにも注意していただきたい。

3.入学後

大学生活も始まったので、入学後の話も少ししてみる。当たり前であるが、E判定よりもA判定の方が受かる。大学入ると最初の方は話題もないので、大抵受験の話になるのだ。今までは、東大受験生の中で自分の学力を測っていただろうが、入学後は東大合格者の中で学力の比較をされることになる。例えば冊子掲載。クラスメイトが実践やオープンの冊子に名前が載っているかを探す、というやりとりが出てくるだろう。そんな時、ある人が一言「私はオープンならあるかな。まあオープンはA判定とる”だけ”で冊子載せてくれるから、大したことないけど。」

そう、東大受験生の中ではA判定をとるのは一、二割程度かもしれないが、合格者の中では大抵の人がA判”くらい”一回はとっていて、そんなに凄いことだと思っていない、という現状がある。メンタル強い人はそうならないかもしれないが、辛いだろう。学内で学歴コンプレックス抱えるまである。この会話は東大に入って最も衝撃だったことの一つであり、しかし納得してしまったことでもある。

4.最後に

『アンチE判定からの逆転合格』もとい『A判定からの順当合格』、この言葉は僕が受験勉強において、自分を鼓舞するのに使った言葉でもあり、A判定を取った時にも慢心せず、緊張感を持って勉強にとりくむことができた理由になった言葉でもある。結構気に入ってるから、受験界隈で流行らないかなぁ…。

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