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こぞう匣スタイル主宰 戸田勝久
駿府の工房匠宿 木と漆の工房長でもある戸田勝久氏。
木材を細工し、継ぎ合わせる伝統技法、指物(さしもの)。
丁寧な仕事で生まれる美しい線。
仕口(しぐち)と呼ばれる細工が組み合わさり、堅牢にできた家具は使うたびに心地いい。
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木口(こぐち)という面を、いかに見せないか。
木口は年輪が見える面。立木を垂直に切った面。
根っこが水を枝葉に吸い上げていく道管(血管のようなもの)が
見える面だから、そこを隠せば隠すだけ木は水を吸わない。
だから狂いが少ないのだ。
角度をつけて接合するのは
見た目だけでなく道具として美しいのだ。
きっとそんなことを考えている戸田の頭の中は
角度や数字のことでいっぱいだから
私からはそんな話はしないでおく。
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