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2年で2倍(!?)価格急上昇した巨匠とは?

2016年4月3日の香港のオークションで藤田嗣治の「猫とヌード」100号作品が39,400,000香港ドル(日本円で約5億7千万円)で落札され話題となったことをご存知ですか?

「猫とヌード」油彩100号

1930年の乳白色の下地に横たわる裸婦と猫が描かれた本作品はこの時代を代表する傑作です。
しかし僅か2年前の2014年の3月にロンドンで開催されたオークションでは、手数料込 £1,202,500(日本円で約2億5千6百万円)で落札されていたものなのです!
この突然ともいえる価格高騰のワケとは一体?

藤田作品が高額なのはなぜ? その理由・・・

鑑定家であり美術史家、藤田画集の著者 シルヴィ・ビュイッソン氏

藤田研究の第一人者で藤田の作品集を編纂し、また藤田嗣治の鑑定家でもあるシルヴィ・ビュイッソン氏によると、藤田は生前に驚くほどの作品を描いていて、毎年それまでに見たことのない藤田の作品が彼女のもとに鑑定のため持ち込まれるそうです。
確かにフランス、日本で出版された作品集を見ても生前に描いた作品の多さに感心します。
しかし、その割には特に油彩作品などが売り物として市場に売りに出る数は少なく、世界的オークション会社のセールにも年間を通して油彩作品は数えるほどしか出ません。
そのため流通する作品が少ないわりに、お探しのお客様多く、作品の価格がどうしても高くなってしまうのはやむを得ないように思います。
今回の作品が2年の間で2倍強の価格になったということは驚きですが、藤田嗣治の画家としてのフランスでの再評価、最近の日本での人気の高さ、それに対して売り物として出てくる作品の少なさから考えると当然かもしれません。


新たな買い手参入!

また今回もう一つ話題となり、多くの美術関係者に驚きを与えたのは、作品を落札したのが日本人でもアメリカ人でもフランス人でもなく、中国人だったということです。

中国人コレクターというと自国の骨董品か現代美術を購入するが、近代のフランス絵画には関心がないというイメージがあったからです。しかしここにきて中国人の富裕層が近代フランス絵画にも興味を持ち、美術市場に新たな買い手として参入してきているようです。

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