それは狂気か,芸術か〜アレキサンダーマックイーン2001年SS コレクション解説〜
芸術のためとはいえ
僕の意見としては
ウィトキンは
やっぱり,やりすぎだと思うのです。
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アレキサンダーマックイーン2001年春夏コレクション解説
上記は,マックイーンの2001年春のコレクションです。
このお写真,ちょっと怖くないですか?
まずこちら,鳥が襲ってくるようなイメージは,ヒッチコックの映画「鳥」にインスパイアされたものです。
マックイーンは幼い頃野鳥の会に所属して,バードウォッチングを楽しんでいました。
このためもあるのか,以前「千鳥」のお話をしたように,マックイーンの作品には,たびたび鳥がシンボリックに登場します。
2001年コレクションのコンセプト
さらに,このショーは,透明のケースの中をランウェイにしており,病棟をイメージしたものと思われます。
そう考えると,肩から生えた建物は,おそらく患者さんが見ている幻覚の表現と言えます。
さて,このショーはラスト,中央にある箱が開いて,中から蛾と横たわった女性が出てきます。
マックイーンが影響を受けたウィトキンという芸術家
この横たわった女性の表現は,芸術家ジョエル=ピーター・ウィトキンからのインスパイアを得ていると思われます。
また,マックイーンの1996年秋冬のショーでは,同じくウィトキンからのインスパイアがはっきりと見て取れます。
ウィトキンの正体(note限定記載)
さて,X(Twitter)ではここまでの記載だったのですが,このあとはnote限定で書きます。
なぜかというと,相当差し障りがあるから。
僕は冒頭で,Joel-Peter Witkinについて,「やりすぎだと思う」と書きました。
それに,ここまででウィトキンの作品写真を,上の一つ,しかも額縁に入った写真しか入れていません。
なぜかというと,ウィトキンは,
ご遺体を使って作品を作っているからです。
正確には,ご遺体だけでなく,肢体不自由の方にご協力いただいて作品を作っていたこともあるようですが,ほとんどの作品は,人間や動物のご遺体を用いています。
(この辺りで,いつもなら写真を入れますが,今回は写真の掲載は遠慮しておきます)
ゾッとしましたか?
それとも,「面白い」と思われましたか?
ウィトキンのドキュメンタリーの中で,彼は助手と一緒に実に楽しそうに動物の遺体を選び,車に積んで持って帰る様子が映されていました。
それは,芸術なのか?
それとも,不道徳,非倫理的なのか?
判断はこの記事を読んでいただいた方にお任せします。
ただ,ウィトキンが芸術家として傑出した天才であることは間違い無いでしょう。
フランスの写真家サラ・ムーンやチェコの写真家ヤン・ソーデックなどはウィトキンの作品の配色,構図の影響を顕著に受けています。
そして,ウィトキンの作品から影響を受けた映画監督もまた大勢います。
例えば,トビー・フーパー監督の「悪魔のいけにえ」(The Texas Chain Saw Massacre)(1974年)やジョナサン・デミ監督の「羊たちの沈黙」(1991年)。
その他デヴィッド・リンチは幼い頃,ウィトキンのような遊びをしていた(2018/2/1,木村浩嗣の記事)そうです。
そして「The House That Jack Built」(2018年)で主人公のジャックがご遺体を使って家を作る描写は,ウィトキンへのオマージュなのではないでしょうか。(ウィトキンは,あくまでご遺体を用いていただけで,人を殺したりはしていません)
ラース・フォン・トリア監督の作品。
この映画もまた,芸術としては素晴らしいのですが,賛否両論あります。
驚くことに,ウィトキンの公式インスラグラムもあります。
ご興味あれば検索してみてください。
ご遺体を用いていると思わずに観ていれば,ゴス系芸術に見えます。
弊社では,アレキサンダーマックイーンもMCQbyALEXANDER MCQUEENも取扱があります。もちろん正規・新品未使用です。
パリコレで用いられた実物ショーサンプルもありますので,ぜひご覧になってください。
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SNS担当 横井
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