[motherー私たちはどこから来たのですか? 私たちは誰ですか? 私達はどこに行くの?] 勉強会_2
昨年(2021年)のgallery fuグループ展
[motherー私たちはどこから来たのですか? 私たちは誰ですか? 私達はどこに行くの?]開催のための第二回目の勉強会
田坂さつき(立正大学文学部哲学科教授)
2020年9月22日(火)19:00-21:30( Zoomにて)
[ゲノム編集の生殖への応用の正当性を問う]
・ゲノム編集を巡る状況
・日本の現状
・食品への応用と報道について
・人体への応用
・日本学術会議哲学委員会:いのちと心を考える分科会提言について
人間の全遺伝子を解読するヒトゲノム計画が完了して、胎児や受精卵の遺伝子を診断したり、改変したりする技術が開発されました。
その技術をゲノム編集技術と言いますが、それを活用することによって、将来生まれてくる子がHIVなどの難病を発症する可能性がある場合、その遺伝子を改変して、難病が発症しにくくすることができるようになりました。
そのような技術を生殖に応用して、能力の高い子供を生むことは、親となる人たちの権利なのか、生まれてくる子の権利は侵害されないのか、など看過できない倫理問題があります。しかしこの根本には、この幸せを願う母の気持ちの裏側に難病や障害のある子供を産みたくないという優生思想があります。人の幸せとはなにか、親としてできること、していいことはどこまでなのか。期待通りの子、優秀な子を求める親、遺伝子操作された子は本当に幸せなのか、を一緒に考えてみたいと思います。(田坂さつき教授)
後半は哲学カフェとし、
●もしみなさんがゲノム編集によって生まれた子どもだと聞かされたらどう思うか?
●もし人間が何がなんでも生き残らなければならないとした場合の選択肢としてゲノム編集があったらどうするか?
など様々な角度から意見交換をおこないました。
中でも
●アーティストになるためには何を編集すれば良いのか?
と言うテーマに盛り上がり、気づいたら2時間半が過ぎていました。
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ゲノム編集の生命倫理については、田坂先生が書かれた以下の図書をご参考ください。
田坂さつき編/香川知晶編
『人のゲノム編集をめぐる倫理規範の構築を目指して』株式会社知泉書院 2022/03/25
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