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中国でパスポートをなくしてしまった時の対処法 ~2024年版~

皆さんはパスポートを紛失したことがあるだろうか.パスポートは「生命の次に大切なもの!」と外務省が公式ページに書くくらい重要なものだ.実際,パスポートを紛失すると大使館の無機質な部屋で2時間待たなければいけなかったり,中国公安に10日間の追加滞在を言い渡されたり,ビザセンターの人に中国語でキレられたりする.

このnoteでは,哀れにも北京でパスポートをなくしてしまった私の経験談を共有しつつ,そこからの学びと対処法を共有したいと思う.体験していることを全部書いたので長くて大変な文章だが,面白くなるように頑張って書いたのでぜひ読んでいただきたい.まじめな謝辞などは最後の方に書くことにし,本文は読んでて面白く感じることを重視した.


本編

そもそもなぜ中国へ?

お世話になっている大学の先生に清華大学美術学院で開催されるサマースクールを推薦いただき「どうせ無理やろ」と思いながら応募をしたら,なぜか選考通過のメールが届き,参加することになった.もちろん,費用はすべてあちらが負担することを何度も事務局に確認した.まぁパスポートを紛失したので,最終的には10万円くらいの赤字である.これから貧乏生活まっしぐら,誰か僕にご飯を奢ってくれ.

パスポートを紛失した経緯

プログラムには,私をプログラムに推薦してくださった大学の先生の研究室にいらっしゃる留学生の方々もいた(以下先輩方).せっかく中国で会ったので,大学の外のおいしいご飯屋さんに連れて行ってくれることになった.大学に入るには学生カードが必要なので,パスポート・財布・学生カードを入れたパスケースを携帯して大学の外に出た.そして,意気揚々とタクシーに乗り込み,中国の肉料理屋さんに向かった.その時,私は圧倒的に気が緩んでいて,何とパスケースをくるくる振り回していた.タクシーを捕まえ店に行き,先輩方と中国の肉料理を堪能し,カラオケに連れて行ってもらい,気分は最高潮を迎えた(中国にもカラオケがあり,日本の曲がたくさん入っている).そろそろ,自分が歌う番だと準備をしていたところで

あれ,パスポートをどこにやったっけ?!

バックを探してもない,カラオケの部屋を探してもない,すぐに先輩方に声をかける.肉料理のお店に電話をかけてもらうが「ない」といわれ,乗ってきたタクシーの運転手に問い合わせても「没有(ない)」と言われた.カラオケボックスは焦燥感と不安感でお通夜状態になり,意気揚々と予約していた「ロストワンの号哭」だけがボックスに鳴り響いてった.「おいどうすんだよ」.

先輩方にもご迷惑をかけることとなってしまい,今も大変申し訳ない思い出いっぱいなのだ.その後,わざわざ夜ご飯を食べた店に戻ったり,公安に問い合わせてみたがパスポートは発見されなかった.先輩曰く,その時僕は世界の終わりみたいな顔をしていたらしい.まさか,本当に「ロストワン(パスポート)の号哭(大声をあげて泣き叫ぶこと)」な状態になるとは想像しなかった.先輩方にパスポート紛失の届け出を公安に発行してもらうことを提案していただき,言っていることを中国語に翻訳してもらいながら公安でパスポート紛失証明(护照报失证明)を発行してもらった.公安の特別な部屋に連れていかれ,始末されることを覚悟したが,パスポートを紛失した経緯などを説明すると意外とスムーズに発行してもらった.

何とか宿に戻り,現状を整理.あぁ,パスポート・財布・学生カードをすべて紛失.心安らかならず.パスポートを紛失した場合,以下のプロセスを踏まえて「帰国のための渡航書」たるものを得る必要があった.

1.最寄りの派出所へ行き,事案発生証明(报案证明)を入手する
2.各都市の公安局出入境管理局へ行き,パスポート紛失証明(护照报失证明)を入手する
3.帰国のための渡航書(or パスポート)を申請(写真と戸籍謄本が必要)
4.新しいパスポートを受け取った後は,公安局出入境管理局で.外国人居留許可証、中国査証(ビザ)の手続きが必要

パスポート:紛失による再発給 | 日本大使館

パスポート紛失証明は獲得したため,パスポートを紛失したその夜に母親に連絡をした.

母親へ送信した文章の一部

お叱りの言葉が飛んでくることはなく,早急に戸籍謄本のデータを送ってくれ,日本にあるPayPay銀行に口座振り込みをしてくれた.必要書類を手に入れたので,大学のプログラム運営に事情を話し,一人で地下鉄を乗り継ぎ北京市内を横断した.Appleの地図には地下鉄の情報も載っているので,乗り換えはすんなりできた.

無事日本大使館に到着し,書類を記入して提出したところで事件が発生.大使館の人にパスポート紛失証明書が有効ではないと言われたのだ.大使館の職員曰く,僕の持っている証明書は「印刷された書類」で手続きに必要なのは「原本の書類」であり,原本を持ってこいと言ってきた.そんなの大使館のサイトに書いてないぞと思いながら,渋々僕は必死の形相でもと来た道を自転車を爆走し,地下鉄構内でダッシュし,翻訳アプリを片手に昨晩行った公安に殴り込み,「give me original document」と交渉した.警察官は困惑した様子でいろいろ調べてくれたのだが,結果「残念ながら原本はここにない」と言い放って部屋の奥へと行ってしまった.

「え,大使館は原本を持ってこいというのに,証明書を発行した公安が原本を持っていないって!?」

公安から出て,僕はまさに号哭しそうだった.しかし,号哭しててもらちが明かないので,閉まる直前の日本大使館に100円/30秒で国際電話をし,公安職員に電話を渡した.10分くらい待った後,警察官から再度電話を渡され,「最近中国の法律変わったみたいなんで,原本でなくても問題ないようです~.明日来てください!すぐ発行します!」と宣告された.おい,僕の20km大移動は何だったのだ.ということでやることが無くなった僕は,清華大学寮に戻った.清華大学にいる日本人の友人にも助けを要請したら,まさかの清華大学の日本人の先輩の皆さんにまでお助けいただいた.この時にDiDi(タクシー)の使い方も教えてもらったり,中国のパスポート関連のシステムについて教えを受けた.必死にネットで情報を読み漁り,いろいろ整理した結果,以下の内容がネックであることが分かった.これは不運にもパスポートを中国で紛失してしまった時に最低限考えなければいけない問題だと思う.
※ちなみに,ここで人任せにしていたら大変なことになっていた.また,人は危機に陥ると「病む」余裕すらないので結構元気で居られる.

・コミュニケーションは日本大使館以外すべて中国語(英語が通じるのもレアケースだ)>私は日本語・英語しか使えない.
・中国は公安の皆さんとのコミュニケーションが必須 >なんとなく公安の皆さんが怖い.
・ビザの取得には7営業日程度かかってしまう>長期滞在になってしまい,身も心もお金も大変なことに.
・自分の取得しているビザに記載されている滞在可能期間を過ぎると「不法滞在になる」(レアケース)> 当局に捕まり,強制送還!?
・パスポートを紛失しているとホテルに宿泊することが困難になってしまうが,宿泊登記をしないと捕まる.> 罰金を払いたくない.

特に,「当局に連行されたらシャレにならない」ので,プログラム運営にチャットを送信しまくり,ビザの写真を取り寄せ,不法滞在にはならないことを確認したが,その日の夜は不安で十分に眠ることができなかった.また,二日後にプログラムが終了し,清華大学の寮の外に追い出されることになるのも不安だった.翌日,サマープログラムの最終プレゼンを終えて,日本大使館に赴いた.道中,Xで「北京 パスポート 紛失」と検索をしたところ,数人のユーザーさんがパスポート紛失の体験をつぶやかれていて,「あぁ,私は一人じゃないんだ」と感動した.その時のつぶやきがこれだ.

大使館には先輩もついてきてくれた.しかし,先輩は大使館に入ることは禁じられてしまったので,近くのスタバで時間をつぶしていただくことになった(本当に感謝の気持ちでいっぱいだ).大使館で帰国のための渡航書をもらうため待っていたのだが,なかなか名前が呼ばれない.その時のつぶやきがこちらだ.

明らかに病んでいる.ちなみにこの時強制送還でもいいので一刻も早く帰国したい気持ちでいっぱいだった.つぶやきを見ていた皆さんにはご心配をおかけした.その後,無事帰国のための渡航書を受け取り,公安局出入境管理局に向かった.噂によるとビザの発行には7日程度時間がかかると言われており,これが一番のネックだったので,タクシーの中で先輩とビザ発行を早めてもらうための「食べ物が合わない作戦」を考えた.実はプログラム中,僕は胃腸炎にかかり,清華大学病院で診療を受けた.僕はさほど胃腸が強い人間でもないということもあったので,医者の処方箋を片手に強気で交渉する気で行った.先輩も,僕も準備万端だ.

結果はこれだ.

本当に辛かった.いつも話が長いと言われる私だが,言葉が出てこなかった.清華大学に帰る道中,死刑を宣告された気分だった.公安の人は「処方箋ではなく診断書を出せ」とブチ切れながら言い,それが出せないならば9月10日にビザを発行するという一点張りだった.また,帰寮するとき,サマープログラム運営事務局から「やっぱり明日には寮を出てね」と言われた.泣きっ面に蜂ってやつだ.プログラム中,喘息・胃腸炎に悩まされ,プログラムでのハードワークをしたのち,ようやく帰国が見えたタイミングでパスポートを紛失した僕の気持ちを分かってほしい.

翌日(8/31),ギリギリまで寮に滞在し,11日間をどのように過ごすかを考えていた.やらなければいけないこともたくさんあるので,「どのように業務をこなすか」を考えつつ,「どうやってこの北京滞在を有意義にするか」ということについても考えを巡らせた.僕の様子を見かねたプログラム運営事務局の方が,北京のオリンピック公園に連れて行ってくれた.おかげさまでかなりリフレッシュできた.中国のオリンピック公園では,「Bird’s Nest」と呼ばれる大きいスタジアムがあった.鉄を曲げてこんな造形ができるのかと驚かされた.

Beijing National Stadium
Photo by CEphoto, Uwe Aranas or alternatively © CEphoto, Uwe Aranas

絶望の中の希望

全力で落ち込んでいるところで,ある一通のLINEが届いた.

突然連絡をくれたヒーロー

まさに,ヒーロー参上だ.ヒーローとは,出国直前に主催した「いけ好かない学術かぶれイベント」にわざわざ参加をしてくれた尊敬している大学院の先輩である.ありがとうヒーロー.疲れ切った僕をリフレッシュさせてくれて.まさかヒーローも二度目の出会いが中国なのは予想していなかっただろう.

ということで9月1日,何もやることがないのでヒーローの中国観光に付いていかせてもらうことになった.ヒーローはもう一人の方(以下ヒーロー2と記述)と一緒に中国に来ていた.移動中はヒーロー2から,中国近代史についての解説をしてもらった.とりわけアロー号事件周辺のお話は,近代史の列強の「アウツ!」なエピソードがてんこ盛りで思わず地下鉄の中で吹き出してしまった.清の優秀な君主を残すための画期的な仕組みについてのお話も大変勉強になった.その後,頤和園で北京の壮大な景色を見たりと,パスポートを紛失したことを忘れ,ちゃっかり北京観光をした.

頤和園

しかし,事件が起こった.急にヒーローたちがレンタサイクルを乗り始め,「次の場所は地図なしで行くぞ!!」と言い始めたのだ.目的地を問うと「なんちゃらアートゾーンってとこですね.北京の端っこ.」とだけ言い,ヒーローたちは自転車をこぎ始めた.「え?どこ?」と戸惑う僕を後目にそのまま,ヒーローたちは「環状線道路が…」や「ジェントリフィケーションが…」とつぶやきながら走り出した.車やスクーターが高速でぶんぶん走り去る道路をも気にせず逆走し,北へ東へ自転車をこぎ続けた.結局72分間レンタサイクルに乗り続けなぜか目的地に到着した.ヒーロー!全然休息じゃないよ!ちなみに,これだけ乗ってもレンタサイクルの料金は90円程度だ.とても安い.レンタサイクルは,DiDi, WeChat, Alipayで簡単に借りることができる.自転車を走行しながら解説してくださった北京の都市構造などは大変勉強になった.

今考えてみるとぞっとする距離を自転車でこいだ.

そして,結局時間に間に合わなくて本展示を見ることはなく,なんちゃらアートゾーンを去ることとなった.その後,夕食を取り日本に帰国する二人を見送ることになった.あと,ヒーローたちは帰国前に「パスポートを失くさない方法を考えんな,どうせ失くすんだから.失くした後のことを考えろ」という言葉を残して帰っていった.イギリスでパスポートを紛失した(?)経験があるヒーロー2の背中には後光が見えた
※お二方,本当にありがとうございました.

人生初,中国公安に陳情書を書く

サマープログラム事務局の方やヒーロー二人のおかげで,出入国管理局が閉まっている間に十分にリフレッシュすることができたのだが,9月10日まで中国に滞在するのは流石にキツいと感じた.どうにかビザの発行を早めることができないかと考えたところ,何をとち狂ったのか「陳情書を書けばいいんじゃね?」という結論に落ち着いた.陳情書は高校時代に反省文を書くのに相当使わせてもらったantropic社のClaudeを使って執筆することにした.Claudeはプロンプトの書き方を工夫すれば,だれよりも日本人的になれる.ありがとうClaude.

Hi, i would like to write emotional request to expedite visa processing. could you write the draft of the emotional letter of that? I am struggling to get visa at China. I am very sick, but I cannot go back to my country because of the issue of visa. I would like to persuade it. I have said that i need to stay Beijing until 10, September. I cannot stay here, so I sincerely request to expedite the processing of visa. First, i am Japanese poor university student. Second, i drop my wallet and money with passport too. so i have few money to stay in Beijing. The reason why i can live here is thanks to the Tsinghua University. I don't have enough money to eat if i book more hotels, and air ticket. I am running out of money. it's getting harder to come up with money for meals. I also have to pay for two flights. So when i returned home, my savings had dwindled and i was struggling to make ends meet. I cannot stay the dormitory in Tsinghua university. I am facing super big difficulty. Third, as i shared i have a weak stomach, so when I eat unfamiliar food, I feel ill. it's not serious but it's really hard enough not having enough to eat in terms of my health. I am sick and i got medicine from the hospital at Tsinghua university, but the medicine is going to run out too.

Claudeに入力した文章(原文ママ)

これをベースに中国語で陳情書をClaudeさんに書いてもらった.ありがとうClaude.文章を無料版で公開するとさすがにまずい気がしてきたので,Claudeがまとめてくれた文章を添付する.

この文章は、北京に滞在中の日本人大学生が、ビザ処理担当者に対して緊急のビザ発給を求める嘆願書です。主な要点は以下の通りです:緊急帰国の必要性: 差し迫った状況により、すぐに日本へ帰国する必要がある。
経済的困窮: 財布とパスポートを紛失し、宿泊費や食費、帰国のための航空運賃を賄う資金がない。
健康上の問題: 胃腸の不調や食事不足、薬の不足により健康状態が悪化している。
生活の不安定さ: 清華大学の寮に住めなくなり、基本的な生活必需品の確保にも苦労している。
緊急支援の要請: これらの問題を解決するため、ビザ手続きの迅速化を強く要請している。
感謝の意: 担当者の理解と配慮に対する感謝の気持ちを表明している。
この嘆願書は、書き手の窮状を強調し、同情を引き出すことで、ビザ処理の迅速化を図ろうとしています。(←誤解を生む表現をするな!そうなんだけれども)

実際に管理局に提出した文章の日本語訳を見たClaudeのコメント

少し誇張すぎなようにも思えるが,ビザ発給が9月10日になることを知った時の僕の心境をまじまじと表現している.ちなみにこれを共有した人からは「詐欺メールみたい^_^」と返信が来た.あとは生成してもらった文章を清華大学で拾ったペンで紙に写経をした.ホテルのデスクの上で,下敷きもなく執筆したので,漢字ががたがたで,明らかにヤバそうな陳情書になった.ちなみにこの陳情書の内容は,誇張はあれど,噓偽りはない.これを読んで,でっち上げの内容で嘆願書を書こうとは思ってはいけない(これはフリではない).でっち上げはトラブルの原因となる.

Claudeに書いてもらった陳情書の写経を持ち,心安らかな状態で9月2日に再度公安局に乗り込んだ.事前に事情を説明する文章を翻訳アプリで翻訳し,局員に見せた.

翻訳はバイドゥの翻訳機を使った

陳情書を渡したとき,「誰が書いたの!?」と少し動揺をしながら書類を丁寧に読んでくれた.文章を読んだ後,「いつのフライトで変えるのですか?」と言われた.そして,フライトの日程を9月4日だと伝えたところ,「緊急ビザ要請のための書類(Premium Processing)」の書類を渡してくれることになった.

「はて,フライトチケットがすでに予約されているのは何故だろうか」と思ったそこの君,君みたいな勘のいいガキは嫌いだよ.(実はキャンセル可能な状態でフライトを予約していたところでした.)そして,少し書類を書いたうえで「Pick up your passport at 9/4 morning」と言われた.まさかの嘆願書が受理されたため,滞在日を6日短縮し帰国できることとなった.みんなありがとう!その後は,プログラムで仲良くなった中国伝媒大学の友人に「焼肉ライク!」をご馳走してもらった.最終日には,再度プログラムの事務局の方が送迎に来てくださり,北京ダックを奢ってくれた.ありがたい限りだ.

教訓

「当たり前のことしか言っていなくてふざけんな!」と言いたい気持ちもわかるが,世の中にある教訓はたいていそんなものだ.破天荒な教訓を知りたい諸君は書店の自己啓発の欄に行こう!

  1. パスポートと財布,身分証は分散所有をせよ.万物は簡単になくなってしまう.

  2. パスポートを紛失しても冷静にやらなければいけないことを整理し,リスク管理を徹底せよ.できれば戸籍謄本は海外にも持っていこう.パスポートを紛失しても,大使館からいろいろな書類を受け取るのに役に立つ.

  3. パスポートを失くしそうな人は失くしたときの対策を考えよ!失くさない方法は考えるな!どうせ失くすんだから.(過激)

謝辞

このnoteでは,パスポートを紛失してしまったトラブルを比較的楽しく読めるように執筆したが,実際の心境は常に緊迫していた.その中で,FacebookやLINE,Xなどを通じて励ましのコメントを送ってくれた皆さんや,情報提供をしてくださった皆さん,そして快く約束の日程をリスケしてくださった皆さんに心から感謝しております.また,パスポートを紛失したときに一緒に探し回ってくださった大学の先輩の皆さんや,清華大学に在学していらっしゃる日本人の皆さん,サマープログラム運営の事務局の皆さんにも厚くお礼を申し上げたい.

まとめ

振り返ってみれば,この一連の騒動でたくさんの経験をさせてもらったと同時に,たくさんの人にお世話になった.このnoteを書きながら,Redditで読んだ「Today you, Tomorrow me」という作品を思い出した.アメリカの高速道路でパンクをしてしまった人が,あるメキシコ人たちに助けてもらうという一連のお話だ.

Dude just smiles, shakes his head and, with what looked like great concentration, tried his hardest to speak to me in English:
‘Today you…. tomorrow me.’

Today you, Tomorrow me

この体験を通じて、人の優しさや思いやりの力を身をもって感じることができた。困ったときは助けを求める勇気を持つこと、そして自分が誰かを助けられる立場になったときは躊躇せずに手を差し伸べることの大切さを学んだ。今回は自分が助けてもらったけど、いつか誰かを助ける番が来るはずだ。その時は、今回の経験を思い出しながら、笑顔で「Today you, tomorrow me」と言えるような人間になりたい。

おまけ

注意

私の体験談はあくまで「一例」でしかないので,その都度その都度臨機応変に対応していこう.本記事が執筆されたのは2024年9月3日である.

使えそうな情報

スマートフォンがあると中国での滞在がかなり便利になる.スマホがあれば衣食住を担保することができる.個人的にはAlipayとWechatをたくさん利用した(Alipayがあるだけでもかなりできる).Alipayは中でも便利だ.Transportという機能を使えば,だいたい70円で地下鉄に乗ることができるし,DiDiの機能を使えば600円で10kmくらいタクシーで移動をすることができる.ご飯も500円くらいあればAlipayで決済をしておなかいっぱい食べることができる.(ちなみに,日本食が食べたいときは,牛角・吉野家・スシロー・はま寿司(bin-zushi)・焼肉ライクなどが北京にある.)

個人的に役に立ったサイト

パスポートを紛失したとき,大量のwebページを参考にした.とりわけ,常時ブラウザに保存していたwebページのリストを以下に共有する.

パスポートを紛失したとき,注意するべきもの

  • スマートフォン:命綱.コミュニケーションも支払いも何でもできる.自分の持っている身分証データを見せることもできる.翻訳アプリを活用することもできる.中国の電話番号や中国のファイヤーウォールを突破できるsim(ないしVPN)があれば,なお便利だ

  • パスポート紛失証明書:これがないと多分時間かかる.公安や大使館などで,自分を守るためのツールになる.最終日なんかもはや水戸黄門の印籠のように使っていた.

  • パスポートの写真・コピー:これはほぼ必須である.僕はなぜか,パスポートのスキャン記録が三回もあったので,なんかの手違いで消してしまっても大丈夫だ.自分自身がパスポートを持っていたことの証明になって,これは公安でも大使館でも十分な効力を発揮する.紛失したパスポートの番号なんかも保存しておこう(写真があればいいのだけれども).

  • 6か月以内に発行された戸籍謄本:これはどの中国大使館に要求されます.僕は母親にLINEで土下座をして,なくした日のうちに戸籍謄本を取ってきてもらう要請をしました.戸籍謄本ないし,そのスキャンデータがあると,すんなり発行してもらうことができます.

  • 身分証明書になる日本の公的書類

最後にパスポートを紛失してしまった皆さん,どうか冷静に.やるべきことを落ち着いて整理して,うまく対処しましょう.応援しています.

おわりに

さて,このnoteはいかがだっただろうか.面白く書こうとした結果,僕が読んでいる記事や本などの影響を色濃く受けた文章となった.僕自身は,自分の体験を他人に共有したり,ましてやnoteにお気持ち表明をするのはあまり得意でないので,読みにくかったら申し訳ない.何か感じたことがあったら,ぜひコメントをしてもらいたい.

また,最後に有料記事部分を設定する.「金をとるのかよ!」と思うかもしれないが,頑張ってnoteを書いたので読んでお金を払いたくなった人だけ投げ銭のつもりで購入してほしい.いただいたお金は研究活動費用に充てたい.有料部分に有益な情報を乗せるとこのnoteの意味がなくなるので,中国で受け取った書類や陳情書の詳細文章や写真(実は見えずらいのだが)を掲載したりしようと思う(ここら辺は一般公開をすると怒られが発生しそうな部分でもあるので,有料版での公開を決断したということもある).私は写真をあまりとらないので,有料部分は本当に投げ銭に近い感覚でとらえてほしい.また,知り合いのみなさんは僕に一声かけてくれれば有料部分もお見せする.

それでは,こんな長ったらしい文章をよんでくれてありがとうございました!

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